ECサイトで不可欠な要素となっている「マイクロコピー」。
マイクロコピーは、キャッチコピーのような派手さはないものの「成約まであと少し」のところで、非常に大きな役割を果たしてくれます。
このページではマイクロコピーについて、具体的にはどういったものなのか、コンバージョン(成約率)アップのために役立つ事例も含めて詳しく解説します。
自社サイトにおいて必要なタイミングでユーザーの誘導ができているか、そもそもマイクロコピーを上手く活用できているか、いまいちど検証してみましょう。
マイクロコピーとは?
マイクロコピーとは、サイト内でユーザーに行動を起こさせるために、ユーザーに向けて表示されているワードを指します。
マイクロコピーは、ECサイトの各所にちょっと添えられるような短いコピーですが、その一言が添えられているだけで成約率がアップしたり、商品が魅力的に見えたり、ユーザーにも大きな影響力を与えるのです。
マイクロコピーで言葉選びに成功すれば、コストをかけずに大きな成果も見込めます。コピーといってもコピーライティングやキャッチコピーのように特別なアイデアや技術が必要というわけでもありません。
ちょっとしたマイクロコピーで、なぜユーザーに大きな影響を与えられるのか。マイクロコピーの具体的な事例を参考にチェックしていきましょう。
コンバージョンアップに役立つマイクロコピー事例
ECサイトで見られるマイクロコピーは多種多様にありますが、よく見かける事例としては「CVボタン」や「CVボタン周り」がわかりやすいですね。
ここでは、Amazonの事例で見てみましょう。
具体的なマイクロコピーでCVボタンのアピール度をアップ
Amazonにはプライム会員という有料会員プランがあります。日本での利用者も多くご存知の方も多くいらっしゃるでしょう。
プライム会員はAmazon独自の特典が複数利用できる有料プランなのですが、初めて利用する方は30日間の無料体験が可能となっています。
プライム会員の無料体験を紹介するページのマイクロコピーを見てみましょう。
「プライム30日間の無料体験」のボタン、これがプライム会員のCVボタンです。
ただ「無料体験はこちら」と記入されているのではなく、
- プライムを
- 30日の間
- 無料で体験できる
といった要素が短いコピーの中に効率よく含められていますね。
「無料体験はこちら」のマイクロコピーであれば、パッと見ただけでは何を無料体験するのか、ユーザーに十分な内容が伝わりません。そのボタンが表示されるまでに書かれている内容を詳しくみないと理解できないわけです。
これではマイクロコピーの機能性を十分に発揮できないですね。
インターネット上の情報というのは、多くの方が流し読みしています。
ボタンだけ見て「プライム会員は30日間の無料体験ができる」とわかれば、その前後を見なくてもクリックするユーザーはいるのです。
「無料体験はこちら」など詳細がわからないコピーでは、機会損失を招くことがわかるでしょう。
ユーザーの不安や疑問を払拭するマイクロコピー
「プライム30日間無料体験」のアピールに対して「無料で試せる」「30日も無料」など魅力を感じたとしても、実際に登録となると、ユーザーにはいくつかの不安や疑問があるでしょう。
- 「無料ってちょっと怖い!」
- 「何かトラップありそう!」
- 「無料期間が終わったらどうなるんだろう?」
- 「有料会員っていくらだろう?」
無料体験に興味があっても、これらの不安や疑問が障壁となり、簡単にはクリックできないわけです。
実際、無料体験のあと「数ヶ月間は解約できない」などの縛りがあるサービスもあるので、警戒するユーザーは少なくありません。
ここで先程のCVボタン周りに表示されているマイクロコピーも含めて見てみましょう。
「プライム30日間の無料体験」のボタン周りには、以下のようなマイクロコピーが添えられています。
- 「いつでもキャンセルOK」
- 「月額プランからお気軽スタート」
- 「年間プランでお得にご利用も」
- 「30日間のAmazonプライム会員無料体験はいつでもキャンセル可能」
- 「無料体験期間が終わると、有料会員に自動移行」
有料の会員制度となると、キャンセルのときに不快な思いをしたくないなどの警戒心もあるところで「いつでもキャンセルOK」とあれば安心材料となるでしょう。
さらに月間プランと年間プランの金額が表示されており、加入する際に2つの選択肢があることもわかります。
その料金についても、年間プランについては、
- 「お得!」
- 「年間1,100円お得」
のマイクロコピーでアピールされています。
この数少ないマイクロコピーでプライム会員の無料体験について、ほとんどの不安や疑問が払拭されていくのではないでしょうか。
ユーザー側にわからないこと、不安なことがなくなれば「30日間の無料体験を試してみよう」と安心してボタンをクリックできますね。
数字でアピールするマイクロコピー
マイクロコピーに数字が入っていると、イメージを広げやすく、効果的にアピールできます。
さきほどのプライム会員無料体験のボタン、ボタン周りには「30日間」「1,100円お得」といったマイクロコピーが入っています。ほんの数文字ですが、
「30日間」の表示で無料体験できる期間の長さ
「1,100円お得」の表示で1,100円もお得になる年間プランのコスパの良さ
こうしたメリットを、具体的にアピールポイントとして伝えられるわけです。
ユーザーの後押しになる、パフォーマンスの高いマイクロコピーですね。
マイクロコピーは、CVボタンやボタン周りの他にも、以下のようなものが挙げられます。
- 入力フォーム等のヒントテキスト
- 通知・確認メッセージ
- エラーメッセージ
- 404ページ
これらのページでも、マイクロコピーでユーザーへの配慮をプラスすると効果的です。
CV率が思わしくないなどの悩みがある場合は、ここで紹介した事例を参考に、マイクロコピーが活用できているか改めて見直してみるといいでしょう。
ECサイトでCVアップの課題がなかなか改善できないなどのお悩みは、ECサイト運用のプロに相談する方法もあります。
当社「サイレコ」では、Amazonや楽天の運営代行で貴社の売上をUPさせるお手伝いを行っていますので、ぜひ視野に入れてみてください。
マイクロコピーで最も大事な要素とは
マイクロコピーで最も大事な要素は「ユーザーの心情を理解すること」です。
マイクロコピーは、大事な要素をコンパクトにまとめ、ユーザーの行動をパワフルに後押しするためのもの。
- 成約に近いページに誘導
- 商品やサービスを購入
- 資料の請求
など、ビジネスにおける最終目的を達成するために欠かせないものです。
そのため、商品やサービスのアピールばかりを考えがちですが、それでは不十分。
CVページに誘導するまでに、ユーザーがどのように感じて、どのような思考で検討するのか。ユーザーの気持ちを理解して、その心情に寄り添ったマイクロコピーを導入すれば「行動を促すマイクロコピー」を生み出すことができます。
さきほど挙げたAmazonプライム会員の例で見てみましょう。
プライム会員に興味をもっている方にとって「30日間無料体験」は魅力ですが、ユーザー心理としては「無料体験って30日間もあるのか、でもそのあと課金必須でしょ?」などと不安を感じるところでもあります。
ユーザーの不安に寄り添い「いつでもキャンセルOK」と表示することで、一気に距離を縮められるわけです。
商品やサービスを扱う側になると忘れがちですが、多くのユーザーは、サービスを提供するサイト運営者ほどに豊富な知識をもっているわけではありません。
知識をもっている立場で訴求してしまうと、ユーザーには「意味がわからない」と無意味なマイクロコピーになってしまうことも。
ユーザーの気持ちや状況を汲み取り、ピンポイントで訴求力のあるマイクロコピーを提供しましょう。評価レビューなどを参考にしてみるのもいいですね。
マイクロコピー改善!6つのコツ
マイクロコピーは、ほんの1文字、1ワードでCVや売上を変える力をもっています。
短いコピーながら、マイクロコピーは奥が深いのです。
ここではマイクロコピーの改善で把握しておきたい6つのコツを紹介します。
- 検証を繰り返す
- 具体的にわかりやすい表示を心がける
- 大事なワードは左寄せで表示させる
- 不安を取り除く
- 数字でアピールする
- ユーザーの後押しをする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
検証を繰り返す
マイクロコピーは、いくつもの案でA/Bテストを繰り返しながら、最適なものを選ぶ検証も大事です。
A/Bテストとは、複数のパターンを当てはめてみて、反応がどう変わるか確認する目的で行われるテストのこと。
例えば「無料お試しはこちら」のバナーと「30日間無料体験」のバナーを、同じ条件下で一定期間ごとに表示させてみて、それぞれのクリック率や成約率を見る、といったテストですね。
実際のユーザーの反応を見ながらテスト結果を比較すれば、反応率、成約率アップに結びつく優秀なマイクロコピーを精査できます。
時間をかけて検証を重ねることで、新たな発見が得られることもあるでしょう。
具体的にわかりやすい表示を心がける
マイクロコピーは、具体的でわかりやすくなければ、ユーザーに伝わりません。
深い知識をもたないユーザーに、どのようにわかりやすく伝えるか、ユーザーの立場で検討する必要があります。
大事なワードは左寄せで表示させる
ECサイトを見る際、人は自然と左から右へと視線を動かします。
サイトタイトルなどでも、なるべく先頭に大事なワードを入れますが、マイクロコピーでも同じです。
ユーザーへの強いアピールとなる言葉は、なるべく左に寄せてアピールしたほうが目に留まりやすくなります。
不安を取り除く
ユーザーがECサイトでCVボタンクリックなどのアクションを起こす際は、少なからず不安を感じるものです。
誘導したいページを開いてもらったり、CVボタンをクリックしてもらう際に不安に感じるであろう要素があれば、不安を解消するマイクロコピーを添えておくことで安心に変わります。
数字でアピールする
Amazonの事例でも紹介しましたが、具体的にイメージしやすい数字があるとユーザーにも伝わりやすくなります。
商品価格の割引であれば「◯%オフ」だけでなく、いくら安くなるのか「◯%オフで◯◯円引き」と具体的な金額をプラスするだけで、さらに目を引くことができるはず。
ほかにも「ランキング1位」「◯◯人のユーザーが利用中!」などのマイクロコピーは説得力のあるアピールになりますね。
広大な面積を「◯◯◯㎡」と記載するよりは、東京ドーム◯個分と表現したほうが、イメージしやすいでしょう。
ユーザーの後押しをする
店舗での買い物であれば、友達や店員に相談して買うかどうか決めることができます。
自分だけでは迷って買えなかったという経験をもつ方もいるでしょう。
ECサイトでは、ほとんどのユーザーがWebサイトの画面だけを見て、1人で決断しています。
そこでユーザーの後押しをするのがマイクロコピーになるわけです。
例えば「気に入ったけど、でもなぁ、どうしようかな?」と迷っているときに「残り◯点」とマイクロコピーが表示されていたら、決断の後押しになるでしょう。
最後のひと押しができるマイクロコピーを添えられれば、成約率アップにも大きく貢献してくれます。
残念なマイクロコピーの特徴
ここまで改善ポイント紹介しましたが、残念なマイクロコピーの特徴についても押さえておきましょう。
- わかりにくい
- ボタンだけでは何に誘導されるかわからない
- ハードルを感じさせる
- ユーザーを不快にさせる
- ユーザーへの気配りがない
このようなマイクロコピーでは、CVアップどころか離脱率をアップしてしまいます。
一部の人にしかわからない専門用語や、理解しづらいコピーではアピールになりません。
ユーザーに疑問や不安を抱かせるコピーになっていないか確認しながら、気配りや配慮をもって訴求力のあるマイクロコピーを考えたいですね。
「詳細はこちら」など具体的な内容が何も伝わらない、ユーザーにとって不親切なマイクロコピーはすぐにでも改善しましょう。
マイクロコピーでユーザーの行動をサポートしよう
マイクロコピーは短いコピーですが、ユーザーの行動を左右させる重要な役割を担っています。
いくつかの候補を検討し、検証を繰り返しながらベストなマイクロコピーで成約率アップにつなげていきましょう。
ユーザーの立場でどんな言葉が響くのかは、ユーザーの気持ちを理解しなければわかりません。
ユーザーへの心配りあるマイクロコピーで訴求できれば、ユーザーにも良い印象を与え、ECサイト全体、企業全体のイメージも良くなるはず。
企業イメージがアップすればリピーターも増え、新規客の注目も集められるでしょう。
そうなれば「リピーター率◯%」など、数字でアピールできる材料も増えますね。
ECサイト運営で成約率アップを目指すためには、マクロコピーの検証だけでなく、その他の様々な指標の検証も欠かせません。
「自社のみの施策ではなかなか成果につながらない」などのお悩みがあれば、ECサイト運営のプロにご相談ください。これまで200社超のECサイト運営をサポートしてきた実績で、企業様ごとのお悩みに添ったサポートプランをご提案いたします。