SKUをどこよりもわかりやすく解説!単位や数え方からメリット・デメリットまで総まとめ

SKUとは?SKUの意味&SKUで管理する必要性をわかりやすく解説
SKUとは?物販ビジネスの基本を押さえておこう!

物販ビジネスでよく目にする「SKU(エスケーユー)」という用語。どういう意味なのか、何のために必要なのか、疑問に思われている方もいるでしょう。

「SKU」とは「在庫管理単位」のことであり、「最小の管理単位」として使われています。

このページではSKUについて、商品管理における必要性も含めて詳しく分かりやすく解説します。

EC事業での商品管理でも非常に大事な「SKU」の単位、しっかり把握して作業効率化に役立てましょう。

目次

SKUとは?わかりやすく解説

SKUとは?わかりやすく解説

SKUとは「Stock Keeping Unit(ストックキーピングユニット)」の略で、直訳すると「在庫管理単位」の意味。

物流で商品を管理する際に、「最小の管理単位」として使われるのがSKUです。

SKUの単位

言葉の表現だけではわかりにくいので、アパレルで「ロゴTシャツ」を扱う場合を例にしてみます。

一般的に、アパレルでロゴTシャツを「1アイテム」として数えます。「ジーンズ」や「ワンピース」もそれぞれ1アイテムですね。

ですが、そのアイテムごとにカラーやサイズで複数展開していたら、単位はどうなるでしょうか。

「1アイテム」の単位だけでは、詳細の在庫をうまく把握できなくなってしまいますよね。

そこで活用したいのが「SKU」の最小単位です。

  • 1カラーのみ、フリーサイズのロゴ入りTシャツは「1つのSKUで管理」
  • フリーサイズのロゴ入りTシャツでカラーが3色あれば「3つのSKUで管理」
  • 3色のカラー展開でサイズもS・M・Lと3種類あれば「9つのSKUで管理」
  • ロゴ入りTシャツ3色を1セットにして3つのサイズで展開したら「3つのSKUで管理」
  • 単品「9つのSKU」とセット品「3つのSKU」であればトータルで「12のSKUで管理」

このように、アイテムをさらに細分化して設定できる単位がSKUになります。

アイテムでは枠組みが大きくて、個々のサイズやカラーごとの情報を得られませんが、SKUであれば細分化しての管理が効率よく行えるわけです。

SKUの付け方

SKU単位で管理するには、企業や事業者ごとにSKUの付け方を決めておく必要があります。

SKUで区別する要素としては、以下のようなものが挙げられます。

  • サイズや色、カラー、フレーバー
  • 内容量
  • 販売単位
  • セット売り

こうした要素によって細分化しておけば、個別のデータを得ることも、それぞれの在庫管理もスムーズになるでしょう。

SKUで管理する必要性|メリットを知って納得!

SKUで管理する必要性|メリットを知って納得!

SKUで管理すると、アイテムより詳細な分類で在庫管理が可能。主なメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 在庫管理効率化
  • ミス防止
  • 柔軟対応

それぞれ詳しく見ていきましょう。

在庫管理効率化

物流業界では、在庫管理が非常に大事です。人気のある商品、売れにくい商品、販売に期限のある商品もあり、正しい在庫管理がなされていなければ、安定した利益は確保できません。

SKUで在庫を管理すると、きめ細やかな在庫を素早く把握できるので、受発注作業も効率化できます。

多くの商品を扱っていると、ときにパッケージが変わることがあります。

それがパッケージデザインのみの変更であればSKUを変えずに販売しても、管理上大きな問題にはならないでしょう。

ですが、以下のようなケースで通常商品と同一のSKUとした場合はどうでしょうか。

  • 期間限定の増量キャンペーン
  • キャラクターコラボのパッケージ
  • 同じ商品で限定サービス価格をアピールするパッケージ

これらの商品は、それぞれ消費者の反応も大きく異る可能性があり、通常商品とSKUで分けて管理していないと不都合が生じる可能性があります。

例えば通販で同じものを複数購入した際に、一部はキャンペーンの商品で、一部は通常商品だった場合、クレームにつながるリスクがありそうですね。

SKUであらかじめ分類しておけば、不要なリスクを回避して効率化できます。

ECサイトでの在庫管理は手間を要する部分ですが、SKU導入でリスク回避しつつ作業効率アップできれば、迅速な配送やサービス向上にもつながり、顧客満足度もアップするでしょう。

ミス防止

SKU単位の細かい商品分類を行うことで、誤発注や誤配送のミスも回避できます。

先のロゴ入りTシャツで例を挙げるとすれば、

  • 言葉で表現すると「ロゴ入りTシャツブラックのLサイズ」
  • SKU単位で設定すれば「LT-BK-L」

といった具合です。

商品登録の際など「ロゴ入りTシャツブラックのLサイズ」と言葉で入力するとなるとルール化しにくく、手間もかかります。

ロゴTシャツを「LT」とし、ブラックは「BK」で、最後にサイズの「L」とルールを決めれば、統一しやすくなるでしょう。複数のブランドのロゴTシャツがあれば、先頭にブランド名を入れてもいいですね。

このように管理していれば、ミスも防ぎやすくなります。

柔軟対応

先に例として挙げた、ロゴTシャツのケースでも、SKUを変えるだけで柔軟に在庫管理に対応可能。

ロゴ入りTシャツブラックのLサイズを「LT-BK-L」としていたところに、セット商品を新たに企画したとします。

その場合でも、例えば「LTSET-BK-L」のSKUを追加設定するといった具合に、パターンの追加にも簡単に対応できるのです。

SKUで管理していないとどうなる?

SKUで管理していないとどうなる?

次に、SKUで管理をしていないとどうなるか、チェックしていきましょう。

EC通販で、SKUでの管理をしていない場合には、例えば以下のようなことが考えられます。

  • サイズや色ごとの在庫管理ができない
  • 在庫が増えたときに対応しきれなくなる
  • 誤発注・誤出荷が発生しやすくなる
  • 期限の管理がうまく回らない

サイズや色ごとの在庫管理ができない

ECサイトで扱う商品には、

  • サイズ
  • 香り
  • 容量

など、様々に細分化できる種類があり、それぞれに売れ行きも変わってきます。

人気のあるサイズやフレーバーがあれば、逆にあまり売れ行きの思わしくないものもあるでしょう。

アイテム単位で管理していれば、こうした細かな情報は管理できません。

在庫が増えたときに対応しきれなくなる

自社で扱う商品が少ないうちは、SKU管理などしなくてもスムーズな在庫管理ができますが、商品数が増えてくると在庫管理の手間も増えます。

その際にSKUの設定ができてないと苦労することになるでしょう。

商品が増えてからSKUを1から設定していくとなると、手間も労力も時間もかかります。

誤発注・誤出荷が発生しやすくなる

「ロゴ入りTシャツブラックのLサイズ」「ロゴ入りTシャツセットのSサイズ」などと都度文字で指定するような作業をしていると、効率も良くないですし、誤発注や誤出荷につながりやすくなります。

誤発注や誤出荷が多いと企業やブランドとしての評判にも影響してしまいますね。

こうした口コミが増えると、ECサイトでは致命傷になりかねません。

期限の管理がうまく回らない

ECサイトで食品など「期限あり」の商品を扱うときも、細やかな在庫管理が欠かせません。

同じ食品でも、よく売れるフレーバーとあまり売れないフレーバーでは、在庫数だけでなく賞味期限の管理も異なるはず。

瞬時に各フレーバーの在庫が把握できる状態になっていないのは、大きな不安要素になります。

通販で食品を購入して、賞味期限間近の商品が届けば印象は良くないでしょう。ものによってはクレームにもなりかねません。

SKUで在庫管理するデメリットは?

SKUで在庫管理するデメリットは?

SKUで在庫管理をすれば多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。

  • SKU設定の難易度
  • 導入コスト

SKU設定の難易度

SKU設定には、ルール決めが必要です。しっかりとルールを設定しておかないと、あとで混乱が生じることもあります。SKUで在庫管理を行うための正しいノウハウも必要なのです。

SKU設定の仕方から管理の方法まで、何も知識がないところから始めるのは、意外と手間になるもの。

SKUでの管理を始めるなら、商品が少ないうちから慣れていったほうがスムーズでしょう。

導入コスト

在庫管理にSKUを導入するにあたっては、設定するための手間ひまがかかり、商品数が多ければ人件費に影響します。

在庫管理ソフトやバーコードリーダーなどの導入でコストがかかることもあるでしょう。

そのため、小規模のECサイト運営で商品数が増える予定がなければ、コストをかけてまでSKUの管理にこだわる必要はありません。

例えば世界共通の商品識別番号「JANコード」で管理する選択肢もあります。

JANコードとは、一般的なスーパーのレジで読み込むバーコード部分のことですので、誰でも馴染みがあるでしょう。JANコードはほとんどの商品に付与されているので、在庫管理にも活用できます。

JANコードとは(一般財団法人流通システム開発センター)

それなら、最初からJANコードで管理すればいいのでは?という考え方もあるでしょう。

JANコードは国際基準のコードですが、SKUは事業者独自のルールで決められるのが大きな違い。JANコードだけ見ても、どの商品を指すのかまではわかりません。効率化を考えるならば、独自設定できるSKUの臨機応変さが魅力になります。

SKUを設定する際の注意ポイント

SKUを設定する際の注意ポイント

SKUを設定する際は、最初のルール決めがとても大事です。SKUの設定ルールを決める際には、以下の点に注意しましょう。

  • 商品名やブランドなど大まかな区分を分けて分類する
  • 重複させない工夫をする
  • 大文字小文字や桁数を統一する
  • 文字列の先頭を0にしない

商品名やブランドなど大まかな区分を分けて分類する

複数の商品を扱っていると、ルールも煩雑になってくるものです。

商品名やブランドなど、最初に大まかな区分で分類したうえでSKUを設定していかないと、後々混乱します。商品カテゴリと同じですね。大まかな区分から、詳細区分に枝分かれしていくといったルールづくりが大事。

整理整頓しやすいようにルールの枠組みを検討することが、効率化の第一歩になります。

重複させない工夫をする

SKUは管理の最小単位ですから、それが重複すれば必ずトラブルになります。

重複しないように、連番で独自の番号を付与するなどの工夫をしておきましょう。

大文字小文字や桁数を統一する

大文字や小文字、桁数もルール決めしておかないと、表記がゴチャゴチャになり、誤記入を見つけるのも困難です。

統一して見分けが付きやすいようにしておけば、効率もさらにアップします。

文字列の先頭を0にしない

やってしまいがちなのが連番で先頭を0にしてしまうパターンです。

0から始まる数字は、利用するシステムによっては文字列として認識されず、0が省かれるケースもあるので要注意です。

SKUにまつわるよくある質問

最後にSKUにまつわるよくある質問を紹介します。それぞれをしっかり確認し、疑問が残らないようにしましょう。

  • 品目とSKUの違いはなに?
  • SKUはアパレルではなにを指す?
  • SKUは食品ではなにを指す?
  • 楽天SKUとはなんですか?

品目とSKUの違いはなに?

商品管理において「品目と「SKU」は重要な用語ですが、それぞれ異なる役割を果たします。

品目は商品の一般的なカテゴリーや名前を指し、SKU(Stock Keeping Unit)は個別の商品バリエーションを識別する一意のコードです。

例えばTシャツが品目であれば、S・M・Lサイズの各Tシャツは異なるSKUを持つことになります。

SKUはアパレルではなにを指す?

アパレル業界においてSKUは、サイズ・色・デザインなどの異なるバリエーションを識別するために使用されます。

同じデザインのTシャツであっても、Sサイズ(赤色)のものとLサイズ(青色)のものは異なるSKUを持つことがあります。

SKUは食品ではなにを指す?

食品業界では、SKUは同じ商品の異なるパッケージサイズや容器に対して使われます。

特定のソースのSKUは、小瓶・中瓶・大瓶など、異なる容器サイズに対応しています。

SKUを使用することで、在庫管理や商品追跡が容易になります。

楽天SKUとはなんですか?

楽天には楽天SKUプロジェクトというものがあります。楽天SKUプロジェクトとは、楽天市場の商品登録単位が従来の「アイテム単位」から「SKU単位」に変更されるプロジェクトのことを指します。

楽天市場において、これまでのやり方では同じTシャツを販売する場合、サイズやカラーバリエーションごとに価格を個別に設定することができなかったため、店舗の在庫状況に合わせた柔軟な販売設定が制約されていました。

同様に同じ商品であっても、例えば6本入り・12本入り・24本入りなどの異なるバリエーションを別々の商品ページとして登録しなければならないため、店舗スタッフやユーザーにとって便利ではない状況でした。

しかし新しい楽天SKUプロジェクトは、これらの「アイテム単位登録」に関する問題を解決するため、商品の登録において「SKU:在庫管理の最小単位」を採用することで、柔軟性を向上させます。

ECサイト運用の在庫管理にもSKUを導入しよう!

ECサイト運用の在庫管理にもSKUを導入しよう!

ECサイト運用で在庫管理業務を効率化するためには、管理の最小単位「SKU」を設定すると便利。ECショップだけでなく、店舗や倉庫での在庫管理にも役立ちます。

アイテムはもちろん、細分化した1つの単位ごとに商品を管理できれば、事業効率もアップするはず。

ECサイトで収益アップを目指すには作業の効率化も大事ですが、消費者がサイト内を効率的に回遊できる仕組みづくりも欠かせません。

売上アップ戦略でサイト改善の対策を考える際は、ECサイト運用の豊富な実績をもつプロに相談する選択肢もあります。

作業を効率化しながら、サイト運用での収益化効率も着実にアップしていきましょう。

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