ネットショップ運営をしていれば、価格競争は不可避。多少なりとも価格競争に巻き込まれることがあるでしょう。
実店舗でも、近隣の競合店との価格競争はあるものですが、ネットショップではライバルとなるショップ数が全国規模。価格競争が非常に発生しやすい環境といえます。
そんな厳しい競争の中で生き残るにはどのような戦略で戦うべきか、悩ましいところですね。
ですが、ネットショップでも、価格競争を回避する策はあります。
このページでは、価格競争によるネットショップへの影響や、生き残っていくために必要な戦略について解説します。
価格競争に負けない、価格だけで勝負しない力強いショップを構築するのにお役立てください。
価格競争がネットショップにもたらすデメリット
ECサイトでの価格競争は、薄利多売での消耗戦となり、売上が減少したり赤字になったりする可能性が高く、ネットショップを運営する企業にとってはデメリットでしかありません。
価格を下げて数多くの商品を販売できても、利益率が低ければ手間が増えるばかりで、職場環境は悪化しますし、人を増やせば人件費等のコストも増え、一層厳しい状況に追い込まれてしまうでしょう。
できれば価格競争で消耗しないような環境でECサイトを運営していきたいですね。
ネットショップは価格競争が起こりやすい
ECサイトで商品を購入する消費者は、以下のようなメリットがあり、ネットショップを利用しています。
- ネットで様々な商品を検索できる
- 欲しい商品を全国どこのショプからでも購入できる
- 24時間いつでも購入できる
- 希望の場所まで届けてくれる
メーカー既成の型番商品であれば、どこのショップで買ってもこれらの条件は誰でも同じ。
ネットショップで購入する際のショップによる違いといえば、以下のような項目が挙げられます。
- 商品のアピール術
- 送料を含めた商品の価格
- 付与されるポイント等の特典
- 配送スピード
- 利用したい決済方法の有無
- ショップの対応
特にどこで買っても同じ商品が届く一般的な型番商品の場合、多くの消費者が興味を示すのは、「送料を含めた商品価格がいくらか」ということになるでしょう。
近年では価格を比較するサイトや、価格変動までチェックできるツール等で、消費者が最安値をチェックする術も様々にあります。
誰でも、全く同じものが同じ状況で手元に届くのであれば、できるだけ安い価格や送料無料で購入したいですよね。
こうした背景もあり、ネットショップでは価格競争が起こりやすいのです。
続いて、価格競争に負けないための具体的な戦略について見ていきましょう。
ECサイトが価格競争で負けないための7つの戦略
価格競争が発生しやすいネットショップで生き残るためには、価格競争に左右されにくいショップづくりが求められます。
価格競争で消耗しないためには、例えば以下のような戦略が考えられます。
- オリジナル商品を販売する
- 特化型ショップを構築する
- ショップのファンを増やす
- 入口商品戦略で集客する
- セット販売でアピールする
- 付加価値をプラスする
- 低価格帯を求める客層の振り分けをする
これらの戦略について、1つずつ解説します。
オリジナル商品を販売する
型番商品は、全国各地の多数の小売店が扱うこともあり、価格競争が起こりやすくなります。同じ商品であれば、安くて早く届くショップが求められるため、消耗戦になりやすいのです。
自社のオリジナル商品を開発して販売できれば、ライバル不在で価格競争も発生しにくくなります。
オリジナル商品としてブランド力を高めることができれば、さらに優位に販売可能となるでしょう。
特化型ショップを構築する
ネットショプでは他社ECサイトとの差別化として、特化型で運営する方法もあります。
様々なジャンルを幅広く販売しているサイトではなく、特定ジャンルに特化して専門性を高め、ターゲット層を絞り込んで訴求することで、固定ファンやリピーター増につながりやすくなるのです。
特定のジャンルを豊富な知識力をもって販売すればユーザーからの信頼を得やすく、「これを買うならこのショップ」と認識してもらえるようになるでしょう。
ライバルが多いショップの中では、扱うジャンルや知識力で差別化してく戦略も効果的です。
ショップのファンを増やす
ショップのファンになってもらえれば、ネットショッピングの際に、まず最初にショップページをチェックしてもらえる可能性が高まります。使い慣れた安心感のあるショップにお目当ての商品があれば、購入に結びつく確率も高いでしょう。
ショップのファンを増やすためには、
- 利用しやすい利便性の高いサイトづくり
- 商品情報等がわかりやすい親切なページづくり
- 充実したサポート力
などが必須となります。
例えば家電を購入する場合であれば、商品知識のない店員から買うより、知識豊富で様々な機能の説明や使い方のアドバイス、サポートをしてくれる店員がいるショップで購入したくなりますよね。
一度いいイメージをもってもらえれば、次に家電を買うときも「この店で買いたい」「この店なら安心」と思ってもらえます。
入口商品戦略で集客する
物販ビジネス業界でよく見られる「入口商品戦略」とは、ショップへの入口としてアピールする商品を用意して消費者の注目を集め、その商品と一緒に合わせ買いをしてもらったり、リピート利用を促したりする戦略です。
入口商品が売れただけでは利益にならなくても、そこから関連商品が売れたり、リピーターが増えたりすれば、マーケティングとしては成功でしょう。
ただ、初回のみ半額など単純に価格を安くしただけでは、入口商品のみが購入され、ほかの商品への購買やリピート利用につながらないリスクもあります。
入口商品戦略で集客する際は、入口商品を購入するところから、クロスセルやアップセルにつながるような導線を構築しておくことが重要です。
クロスセルとは関連商品の合わせ買いを促進するための手法で、アップセルとは購入しようとしている商品より、さらに客単価をアップさせるための手法のこと。
入口商品戦略を行う場合には、入口商品をきっかけに売上アップできる仕組みをしっかりと構築しておきましょう。
セット販売でアピールする
必要となるものをセットにして販売する手法は、消費者にとって以下のメリットがあります。
- 1つ1つ選ぶ手間を省ける
- お得感がある
- 複数の商品を購入する際の精神的負担を軽減できる
例えば新生活セットとして、冷蔵庫と洗濯機と電子レンジ等、必要なものがすべてセットになっていれば、1点ずつ購入するよりお得感があり、購入へのハードルも下がるでしょう。
顧客ニーズに応えるセット商品の販売も、単純な価格競争を回避する策になり得ます。
付加価値をプラスする
ネットショップで購入する際は、アフターサービスがどうなるのか、不安を抱えているユーザーも少なくありません。
アフターサービスとして、様々なサポートが受けられたり、保証があったりすれば、安心感を求めるユーザーへの訴求ポイントになるでしょう。
不安に寄り添うようなサポートを充実させ、買ったあとの安心感をアピールすることで、価格だけではない差別化が可能となります。
低価格帯を求める客層の振り分けをする
ネットショップで価格を下げて勝負していると、価格が安くないと売れなくなるという悪循環に陥ります。
例えば「ユニクロ」が低価格帯の商品を販売する「GU」を立ち上げたように、安い価格の商品を求めるユーザー向けのショップと分離した展開で、市場を分けるのも有効です。
安さを求めるユーザーと品質やサービスを求めるユーザーで客層の振り分けを行う戦略で、無駄な価格競争を回避していきましょう。
価格競争を極力回避してECビジネスを成功させよう
ネットショップは、ライバル多数で価格競争が発生しやすい環境にあります。
そんな中で生き残り、ビジネスを成功させるには、価格以外で戦うための戦略も必要です。
価格競争に巻き込まれ、消耗してくだけのショップでは、未来はありません。
独自の特徴や魅力をアピールして「このショップで買いたい」と思われるサイトづくりをしていきましょう。
ECサイト運営における問題や課題の解消が困難なケースでは、ECサイト運営のプロに相談する方法もあります。これまでに多くのECサイト運営のサポートを行い、収益アップに貢献してきたECサイト運営代行会社がEC事業での戦い方を徹底的にバックアップいたします。