日本を代表するECショッピングモール「楽天市場」に出店しても、必ず成功できるとは限りません。楽天出店で失敗しないためには、以下の3つのポイントを押さえておくことが非常に重要です。
- ユーザー目線も考慮して競合調査を徹底的に行う
- コストと収益を正確に把握する
- 収益アップのための施策を行う
このページでは、楽天市場で失敗する理由から、失敗を回避するために必要な心構えまで、まとめて解説します。
小さな改善の積み重ねで深刻な失敗を回避し、健全なECサイト運営を実現させましょう。
楽天出店における失敗とは
楽天出店での失敗といえば、主に以下の2つの事例が挙げられます。
- 商品が売れない
- 商品が売れても利益が出ない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
商品が売れない
商品が売れなければ、楽天市場の出店は失敗といえるでしょう。
商品が売れないといっても、様々な要因が考えられます。
- 商品やショップがユーザーの目に入っていない
- そもそも商品への需要がない
- 競合が強い
- 商品に魅力がない
- 商品ページに魅力がない
- 商品説明が足りない
- 価格が高い
楽天市場の出店店舗数は、2022年3月時点で約56,000店舗。競合が非常に多く、自然検索では上位表示が難しいといったケースも珍しくないでしょう。
楽天市場で商品を売るためには、楽天市場内でユーザーに商品やショップの存在を知ってもらう必要がありますが、上位表示が難しければアクセス流入も発生しにくく、販売のチャンスも得られません。
例えば人が多く集まる商店街にお店をオープンしても、看板やお店が目に入らなかったり、雰囲気が悪かったり、魅力的な商品がなかったりすれば、人が集まらないのと同じ。そもそも誰からも需要がない商品であれば、見向きもされないでしょう。
競合が強い、商品ページの見栄えが悪い、価格が高いといった要因で購買に至らないケースもあります。
商品ページにアクセスしたターゲットの心を動かすページでなければ、商品は売れにくいですし、商品説明が不足していれば「よく分からない」と選択肢から外されてしまう可能性が高いでしょう。
商品が売れても利益が出ない
商品が売れても、楽天市場の出店コストより多くの利益を得られなければ、収入になりません。
楽天市場で利益率の低い商品ばかり扱っていれば、出店手数料やシステム利用料を支払って、さらに利益を得ることは難しいでしょう。
楽天市場で出店する際には原価はもちろん、以下のようなコストが発生します。
- 楽天市場への出店料・システム利用料
- 発送にかかるコスト
- 人件費
売上げに対してこれらのコストが高すぎれば、出店している意味がありません。
楽天市場で同じ商品や類似商品を扱うライバルが多ければ、価格競争に巻き込まれることもあるでしょう。利益率の低い商品で価格競争になれば、さらに経営を圧迫します。
ユーザーの目を引くための入り口商品を設定するのもいいですが、関連購買につなげられなければ目標とする利益を確保するのは難しいでしょう。
楽天市場は低価格の商品を求める女性ユーザーが多いため、商品や価格帯など条件によっては売れにくく、相性の悪い商品もあります。
商品が売れても利益がでないといった失敗を招かないように、できれば出店前にEC事業展開の計画やライバル調査、戦略の見通しを立てておきたいですね。
楽天市場に出店すれば、基本的にはページ制作から販売戦略まで、全てを自社で行う必要があります。ツールを導入したり、業務委託で外注化したりで業務効率化を図れますが、予算にも限りがあるでしょう。
楽天市場で目標月商を達成するためには、まずは小さな失敗から修正して、失敗を成功につなげていくことが重要です。どうしても支援が必要な場合は、ECサイト運営代行会社にお気軽にご相談ください。
楽天は儲からない?失敗する9つの理由
楽天市場への出店で商品が売れなかったり、売れても利益が出なければ失敗する可能性が高いですが、なぜそうなるのか、さらに詳しい理由を見ていきましょう。
楽天出店で失敗する理由は、以下が考えられます。
- 競合商品・ショップの調査不足
- SEO対策ができていない
- ターゲティングの把握が不十分
- 分析データを活用していない
- 商品ページが最適化されていない
- 資金繰りが把握できていない
- 販促・広告戦略が不十分
- 商品数や商品種類が少ない
- 商品レビューがない・悪い
それぞれ詳しく解説します。
競合商品・ショップの調査不足
ライバルに勝つためには、まずライバルを知ることが重要。楽天市場で商品を売るためには、競合調査は不可欠といえます。
どんな競合がいるのか徹底的に調査し、自社商品やサービスと比較して、どんなところが欠けているのか、どうすれば勝てるのか、広い視野でチェックしましょう。
競合の状況を知らなければ、的確な施策も検討できません。
楽天市場の競合調査については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもご参照ください。
SEO対策ができていない
楽天市場では、検索結果で表示されなければ購入に至るチャンスすら掴めません。楽天市場の検索結果として表示されるには、楽天SEO対策が欠かせないのです。
楽天市場の検索結果で上位表示させるためには、楽天SEOの仕組みを把握しておく必要があります。
以下の記事では、楽天検索順位チェックから成果につなげる施策や楽天SEOに関する内容を紹介しています。こちらも併せてご覧ください。
ターゲティングの把握が不十分
楽天SEO対策をするには、ターゲティングやターゲットニーズの把握も重要なポイントです。
ターゲットが何を求めて、どのようなキーワードで商品を検索するのか、的確に設定できていなければ集客できませんし、集客できたとしても商品購買につながりません。
検索キーワードと商品ページの訴求が一致しているかどうかも、重要なポイントです。
売上げにつながるキーワードで、効率の良い訴求を行いましょう。
分析データを活用していない
楽天市場出店で利用できる店舗運営システム「RMS」には分析機能も備わっており、どのキーワードから流入があったのか、どのような属性のユーザーからアクセスがあったのかなど、様々な情報を得られます。
これらのリアルな分析データをもとに自社が抱える問題点を見極め、改善策を講じていけば、ユーザーの反応も変わってきます。
商品ページが最適化されていない
楽天で商品が売れない場合、商品ページが最適化できているか見直しが必要です。
ユーザーが商品ページにアクセスしているのに売れない場合には、なぜ商品が売れないのか、購買意欲を削いでいる要素は何か、説明文に足りない要素はないか、商品ページや説明文の見直しましょう。
資金繰りが把握できていない
楽天市場では、出店料やシステム利用料の負担が異なる期日で請求されるので、月単位の経費を把握しにくい難点があります。大雑把なコスト管理で運用していれば、「気付いたら資金繰りが厳しくなっていた」なんてことにもなりかねません。
楽天市場の出店プランや手数料、その他の料金については、以下の記事で詳しく解説していますので、どのようなコストが必要で、どれくらいかかるのかしっかり把握しておきましょう。
販促・広告戦略が不十分
楽天市場で商品を効率よく販売するためには、販促戦略・広告戦略も欠かせません。
商品を出品するだけでなく、その商品を売るためのキャンペーンを実施するなど、商品の知名度をアップしたり、露出を増やす工夫も必要です。
商品数や商品種類が少ない
楽天市場への出店では、商品数がある程度あったほうがページへの流入が増えやすく、ショップの回遊率を高めることに役立ち、結果として商品も売れやすくなります。
あまりに商品数が少ないと全体のアクセス数も伸びず、購入にもつながりにくいのです。
商品数が多ければ、一部商品が価格競争で厳しくなっても、ほかの商品でカバーできるメリットもあります。
商品レビューがない・悪い
商品レビューがない、もしくは少ないと、人気のない商品といった印象を与えてしまい、商品の売れ行きにも影響を与えます。
レビューが少ないうちは、特にレビューを集めるための施策を検討するといいでしょう。
レビューが悪いということは、商品のクオリティやショップの対応が悪い、発送が遅いなどの問題点が多いということ。
明らかな問題点があれば、早急に改善する必要があります。
楽天出店で失敗しがち!楽天市場に向いていないショップとは
楽天市場出店での失敗は、以下のようなケースで多く見られます。
- 楽天市場に出店すれば売れると考えている
- 楽天市場出店で利用できる機能があれば売れると考えている
- AmazonFBAのように商品を納品するだけといった感覚で利用を考えている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
楽天市場に出店すれば売れると考えている
楽天市場に出店すれば売れるというほど、ショッピングモールの出店は甘いものではありません。
ショップを開店するにはページを用意しなければなりませんし、そのページも魅力的なものでなければユーザーに商品を購入してもらうこともできません。
実店舗でも簡素なショップに並んでいれば、どんなに素晴らしい商品でも魅力が半減してしまうでしょう。
どのショップも日々様々な工夫を凝らして、競合との差別化を検討しています。ただ出店しただけでは、そうしたライバルに埋もれてしまうでしょう。
楽天市場出店で利用できる機能があれば売れると考えている
楽天市場の出店では、ページ作成や広告機能、データ分析など多様な機能が充実していますが、それらの機能やデータを上手く活用できなければ成果につなげることもできません。
各種ツールは使いこなしてこそ意味をもつものであり、機能を活用して試行錯誤を繰り返していくことが重要です。
AmazonFBAのように商品を納品するだけといった感覚で利用を考えている
Amazon出店では、販売業務をAmazonが代行してくれるFBAがありますが、その感覚では楽天市場のショップ運営はできません。
Amazonは出品型のショッピングモールであり、FBA利用であればAmazonに全ての業務を簡単に代行してもらえますが、楽天市場は出店型のため、そうはいきません。楽天市場では、ショップの独自性をアピールできる分、やるべき施策も豊富にあるのです。
自社でリソースが不足する場合には外部委託する方法もありますが、経費も必要です。外注化可能な業務も多岐に渡り、内容によっては高額な経費が必要となります。
外注ありきで導入するには、潤沢な資金が必要となるでしょう。ギリギリの予算で安易にスタートすれば、失敗する可能性が高いです。
楽天出店での失敗回避!ショップ運営の心得
楽天市場への出店で失敗を回避するためには、以下の心構えが必要です。
- 「楽天市場出店=売れる」ではない
- ネットショップの特性を把握する
- ライバルを知る
- ユーザーニーズを把握する
- 楽天市場のコストを把握して利益を確保する
- 自社のECサイト運営体制を整える
それぞれ詳しく解説します。
「楽天市場出店=売れる」ではない
楽天市場なら店舗を構えるようなコストをかけず、ネット上で手軽に出店可能です。楽天市場の集客力があれば簡単に儲かる、といったイメージがあるかもしれませんが、楽天市場には実店舗よりはるかに多くのライバル企業が存在しています。
競合調査もせずになんとなく出品していても、ユーザーに見つけてもらえません。
ショップや商品ページの作成から、イベント参加、ポイント戦略、広告戦略など、様々な工夫と努力が必要です。
ネットショップの特性を把握する
インターネット通販では、商品ページやショップページに記載されている情報しか得られない分、ユーザーが不安を抱きやすいため、詳細な情報提供が必須です。
説明文も商品写真も最小限の情報のみで出品しているケースがありますが、ユーザーの立場で見れば非常に不安です。よほど認知度の高い商品でない限り、売れることはないでしょう。
誰でも十分な情報が得られない商品ページより、ユーザー目線で商品に関する情報を詳しく紹介している安心感のある商品ページから買いたいと思うものです。
どんなに売れやすいショッピングモールで出店していても、ユーザーが必要とする情報を得られないショップで商品は売れません。
ネットショッピングではスタッフから直接の説明やアドバイスがもらえない分、より細やかな情報を伝えるページ作りが求められます。分かりやすい説明文に豊富な画像を掲載するのはもちろん、商品によっては動画で使い方を紹介することも効果的です。
オンラインでも、手に取るように商品の詳細が分かる丁寧なページ作りを心がけましょう。
ライバルを知る
競合がどのようにユーザーにアプローチしているのか、どんなサービスを提供してどんな施策を打っているのか、くまなく把握しておくことは非常に重要です。
ライバルと同じことをしても、ブランド力が強いライバルならそれだけでは対抗できませんが、例えばサービス面で対抗することはできるでしょう。価格が安いライバルなら、価格を下げる以外の強みを生かして対抗できる可能性があります。
いずれにしろ、まずはライバルを知ることから始めましょう。
ユーザーニーズを把握する
ライバルを知って戦略を考える際にも、ユーザーニーズありきで検討することが重要です。
最終的な目的はライバルに勝つことではなく、ユーザーの満足度を高めること。ユーザーの欲している商品をユーザーの求める価格やサービスで提供できるように、ユーザー目線を忘れずに施策を検討したいですね。
ターゲットユーザーの心を掴めるように商品を改良したり、キャッチコピーを考えたりしましょう。
楽天市場のコストを把握して利益を確保する
楽天市場への出店では、複数の費用がかかります。
これらのコストをしっかりと把握していないと、トータルで採算が合わずに赤字といったことも十分に起こり得ます。
最低限必要な費用は開店前にチェックできますので、楽天市場出店の費用対効果をチェックした上で参入するかどうかじっくり検討することをおすすめします。
自社のECサイト運営体制を整える
楽天市場のショップ運用では、商品が売れたときの対応やカスタマーサポート対応も自社で行う必要があります。
楽天市場の機能を活用して様々な戦略を検討できますが、そのための知識やノウハウも欠かせません。
これらのショップ運用を全て社内スタッフだけで対応できればいいですが、新たな人材を雇ったり、一部作業の外注化をしたりすれば、必要な費用も増えていきます。
ECサイト運用で、例えば配送が間に合わない、ページが一切更新できない、キャンペーンに参加できないなどといったことにならないように、しっかりと準備を整えておきたいですね。
楽天出店の失敗が深刻になる前に早めの対処を!
楽天市場に出店しても、検索されなければ商品は売れませんし、検索されてもアピール不足で売れないこともあります。競合調査やショップ独自の戦略や施策が必須であることを認識しておきましょう。
楽天市場への出店は簡単ではありませんが、無料でできる戦略も複数あります。うまく活用できれば強力な集客力で販売が可能となる大きなメリットが得られます。
戦略が必要なのは、実店舗でもネットショップでも同じです。顧客満足度を高めて失敗を回避し、楽天市場でのショップ運営を成功させましょう。