ふるさと納税の返礼品と聞いて何を思い浮かべますか?
お肉?カニ?お米でしょうか?何よりお買い得なイメージがありますよね。
ふるさと納税に出品・登録したい!と思われるのであれば、返礼品として登録ためのルールや条件、知っておいた方がよいことをお伝えいたします。
ふるさと納税の返礼品とは
「ふるさと納税」とは、個人や企業が市町村などの地方自治体への寄附をすることで、その自治体の地域振興やプロジェクトを支援することができる制度です。
これを利用すると、年間の合計寄附額のうち2000円を超える部分について、税の控除を受けることができます。(控除上限額は年収によって変わります。)
ふるさと納税の返礼品とは、このふるさと納税の制度の中で、寄付者に対して「お礼」として提供される商品やサービスなどのお礼品のことを指します。寄附額のうち3割程度の割合が返礼品の価格となります。
返礼品登録のメリット
返礼品に自社の商品やサービスを登録するメリットは、いくつもあります。
事業者様から見てふるさと納税が通常の販売と異なるポイントは大きく2つです。
- 自治体と連携が必要であること
- ふるさと納税ポータルサイトに出品するケースが多いこと
自治体との連携が必要であること
ふるさと納税は地方創生施策の中の制度であるため、事業所のある市町村などの自治体と連携する必要があります。
制度の中にふるさと納税制度を使用するにあたっての必要経費を5割以下とすることというルールがあるため、送料などの費用もこの経費で賄われます。つまり、自治体がこの必要経費を賄ってくれる制度になります。
そのため、返礼品を登録するにあたり出品する事業者様が必要な経費はほどんどありません。
広告費や配送料等も事業者様負担はないため、営業利益が通常よりも割合が大きくなります。
ふるさと納税ポータルサイトに出品するケースが多いこと
ふるさと納税は一般的には、「ふるさとチョイス」「楽天ふるさと納税」「ふるナビ」「さとふる」などのふるさと納税専用の販売ポータルサイトで寄附を募ります。
寄付金内で賄われる経費で、出品手数料が賄われ、ふるさと納税専用のショッピングモールに出品しているようなものです。
ポータルサイトで寄附をされるので、
- クレジットカード対応などの決済の体制もポータルサイト側で行ってくれる
自治体や自治体の代行業者と連携して販売促進を行うので、
- インターネット販売の販促のプロと商品開発を行うことができる
- 撮影方法や売り方を学べる
などのケースも非常に多く、上記以外にもたくさんのメリットがあります。
ふるさと納税に出品するメリットについて詳しくは以下の記事に掲載しています。
返礼品登録の流れ
返礼品を登録するためには書類を提出する必要があります。返礼品の詳細について記載をするシートです。
この書類で返礼品が登録できるか否かが分かれることもあるので気を付けて記載しましょう。
食材などは季節ものもあるため、受付期間や問い合わせ先の他、寄付額の設定などの記載が必要です。
返礼品登録申請書は以下のような形式が多いです。
引用元:柏市HP https://www.city.kashiwa.lg.jp/shiminzei/policy_pr/hometown_tax/kyoryokujigyosha/boshu.html
記入事項 | 例 | 備考 |
返礼品の名称 | 熊本県産 黒毛和牛 焼き肉用 ロース・カルビ 切り落とし | 商品のアピール内容が伝わる名称に |
返礼品の内容 | 熊本県天草市産の黒毛和牛 ロース・カルビの切り落としを500g | ・商品の数量 ・内容量 ・梱包サイズなど |
返礼品の価格 | 3000円 | 自治体様への提供価格 |
返礼品の説明 | 熊本県の天草で育った黒毛和牛です。 最高級の肉質として高い評価をいただいております。 A4・A5クラスの天草黒毛和牛の、非常にやわらかいお肉を焼き肉用にしました。 厚切り切り落としの、霜降り和牛を是非ご堪能ください。 | 商品のアピールポイントについて記入する |
自治体と代行業者によっても異なりますが上記のような掲載は必要最低限のものです。
代行業者によっては、売れるような商品ページを作成するために以下のような詳細のヒヤリングが必要な場合もあります。
記入事項 | 例 | 備考 |
原材料 | 牛肉(熊本県産)、たれ(ニンニク・生姜・リンゴ)、食塩、清酒、植物性たん白、砂糖、香辛料… | 原材料ラベルに 明記してあるもの |
アレルギー表記 | 【シフォンケーキの場合】 卵・小麦粉・乳 | 特定原材料やそれに準ずるもの |
発送温度帯 | 冷凍 | 常温・冷蔵・冷凍など |
保存方法 | 商品が到着されましたら冷凍庫にて保管して ください。 | 商品到着後の保存方法 |
受付・発送期間 | 通年 | 野菜や果物など季節もの商品 の場合は明確な日付まで記入 する |
のし対応 | 可 | 贈答用として制度を利用する ケースもあるため |
工夫やこだわり | 自然豊かな環境の中、ミネラルたっぷりの名水と栄養満点な牧草で育てました。 | アピールポイントになる点を 記載。 |
自治体へのふるさと納税事業者としての登録方法や出品するにあたりの全体のながれは以下の記事に記載しております。
寄付金額の設定方法
返礼品登録の中で、事業者様が一番悩まれるのは金額の設定方法ではないでしょうか?
事業者様が設定する返礼品の金額は
「商品代」+「梱包+パッケージ代」+「税金」=「返礼品商品金額」
となります。
法律上、返礼品商品価格は寄付額の30%以下と定めているため、「返礼品商品金額」が30%以下になるように寄付金額を市町村が設定します。
香川県三豊市の例を以下に掲載します。
参考元:https://www.city.mitoyo.lg.jp/material/files/group/11/kakaku.pdf
事業者様が設定したい返礼品商品の金額が設定価格にぴったり合わない場合は「返礼品商品価格」/0.3で計算してみて、1000円単位で繰り上げすると大体の寄付額が確認できます。
返礼品の条件
返礼品にも条件があります。地方創生の一部上に記載したように寄附額の3割以下であったり、生産・加工の所在地などいくつかの条件を満たす必要があるので、よく確認して出品するようにしましょう。
ついて詳しくは以下の記事に掲載しています。
まだ自治体にふるさと納税の事業者登録・返礼品登録をされていない、またはしたいけど難しそうでよくわからないという事業者様に向けて、弊社は登録支援も行っております。
「ちょっと相談したいな」と思われるのであれば、ご気軽にお問い合わせください。
売れる返礼品の作り方
売れる返礼品にはいくつかのパターンがあります。ジャンルごとに確認していきましょう。
要点を知っておくことで寄附者の目に留まるかどうかが異なります。
人気の返礼品
下に掲載している返礼品は2023年8月時点で人気が高い返礼品となっています。
人気の返礼品にはいくつかの共通項があります。その共通項を確認していきましょう。
「ふるさとチョイス」や「楽天ふるさと納税」などふるさと納税のポータルサイトを確認すると、以前は豪華なお肉やカニなどが人気でしたがここ数年は物価上昇による値上げラッシュの影響を受けて、日常に使用する食品やトイレットペーパーなどの生活用品も人気になってきました。
お米は以前と変わらず人気の返礼品となっています。
数年前から人気な返礼品の例を見てみると
- 普段食べないような高いお肉やカニなど
- ブランド米
- 和牛ハンバーグや鰻などの加工品
- シャインマスカットやイチゴなどの高級フルーツ
など「豪華なものを安く買える」返礼品が人気でした。
現在もこれらの人気は衰えてはいませんが、ここ数年は物価上昇による値上げラッシュの影響を受けて、日常生活に必要なものの人気が上がってきています。
例えば
- 大容量のお肉や魚介類
- みかんやりんごなどの家庭に出てきやすいフルーツ
- 生ビールなどの飲料
- 日常で消費するティッシュやトイレットペーパー
など、日常生活に必要なものや普段から食べられるものが多いです。
また、人気の返礼品はただ大容量にしているわけではなく、使いやすい容量で個装にパッケージ化したり、定期配送にすることで、一度にそんなに大容量はいらないという寄附者の方にもニーズがあるため、選ばれる可能性が上がります。
販売方法も工夫してみましょう。
自社の商品を人気の返礼品にする施策については以下の記事をご確認ください。
返礼品登録で気を付けるポイント
ふるさと納税に限らず、商品を出品するということはクレームが発生する可能性があります。
クレーム例としては以下のようなものがあります。
- 到着したら果物が腐っていた
- つぶれてぐちゃぐちゃになっていた
ふるさと納税の返礼品は食料品が半数以上を占めます。そのため、食品の鮮度・梱包などには十分注意する必要があるので気を付けましょう。
また、ふるさと納税の申し込み期限は年末までに決済が完了しているものになるので、注文が年末になるにつれて増えていきます。
注文が集中してしまうので、大量注文になってしまい、商品の用意ができなくなったりした場合、お客様は注文したのに品物が届かないわけですからクレームが発生する可能性が高くなります。
自治体がふるさと納税の運営を代行業者にお願いしている場合は、クレームの連絡対応も代行業者が行ってくれる場合もありますが、最終的な対応は事業者様が行う必要があります。
年末にクレーム対応も発生する率が高くなってしまう可能性があることも、頭にいれておきましょう。
上記の例で挙げたクレームを未然に防ぐ方法は以下に記載しています。
返礼品登録後の通常業務
返礼品を登録した後は、実際の関連業務が発生します。
主に発生するのは
- 受注確認後のピッキング・梱包作業
- 発送業者へ発送依頼
- 自治体や代行業者への発送番号の連絡
になります。
発送番号の連絡は自治体によって異なります。
配送費は自治体様負担が基本ですが、
また、出品した返礼品が選ばれた場合、自治体や代行業者からの代金の支払いは発送済み商品が対象となります。
配送料は実費を自治体負担になるケースと、一律で自治体が設定するケースがあります。
また、振込手数料(数百円)は事業者様負担になる場合が多いです。
注意しましょう。
登録した返礼品はどこで販売されるの?
登録した返礼品は
- ふるさとチョイス
- 楽天ふるさと納税
- さとふる
- ふるナビ
など、ふるさと納税を取り扱っているポータルサイトに掲載されます。
上記4つのポータルサイトは寄附者の利用率が高いため出品することをお勧めします。
返礼品登録しても注文が来ない場合は・・・
返礼品登録をしても注文が来ない場合は、返礼品のブランディングがうまくいっていないということです。
さまざまな返礼品が登録されているモールなので、他の返礼品と比較しても選んでいただけるような、商品のブランディングが必要です。
寄附をしようとされている寄附者様に、商品の魅力を最大限に魅力的に見えるように、ページで紹介することで、寄附者様にとっての付加価値があがり、返礼品の申し込みも増えます。
売上が思うように出せないと思われる場合は、弊社ではふるさと納税へ出品される事業者様向けのプランもございます。
自社商品のブランディングで悩まれている場合はご気軽にご相談ください!