新ブランドの立ち上げや新サービスの提供を予定している人にとって、Amazonストアは最適ともいえるサービスです。
しかし、Amazonストアを活用し、より多くの顧客の目に触れる機会を増やしたいと考えている人のなかには、次のような疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。
「新しいブランドを立ち上げたが、小規模事業でも利用できるのか」
「具体的なメリットが知りたい」
「そもそもAmazonストアってAmazonに出品することと何が違うのか」
本記事では、上記のような考えを持っている人に向け、Amazonストアの基礎からメリット・注意点をくわしく解説します。
Amazonストアが初めてでも安心して利用できるよう、作成方法も解説するので参考にしてください。
Amazonストアとはどういうサービス?
Amazonストアは、Amazonが提供しているオンラインの販売プラットフォームです。
出品者がブランドオーナーとしてストアページを作成でき、個人から大手ブランドまで幅広い企業が活用しています。
ブランド登録さえ行っておけば、利用料金もかからず誰でも利用できるため、人気のあるサービスです。
本来、Amazonで出品するには1つの商品につき、1つの商品紹介ページしか持てないようになっているカタログサイトになります。
しかしAmazonストアを開設すると、簡易的な商品紹介だけでなく、ブランドイメージを確立したカスタマイズができるのです。
それにより、従来よりもブランド力や顧客の集客率を向上させることが可能になるなど、さまざまなメリットが生じます。
くわしくは次の項目で解説します。
Amazonストアのメリット
Amazonストアを作成して得られるメリットは、主に次の4点です。
- ブランドに合わせたカスタマイズができる
- Amazonストアに関するデータを分析できる
- Amazon外から新規顧客を呼び込める
- ストアページの作成が簡単
1つずつ解説していきます。
ブランドに合わせたカスタマイズができる
Amazonはカタログサイトで、商品販売にフォーカスしているため、商品紹介ページのカスタマイズ性が低いという弱みがあります。
どのブランドの商品紹介ページも同じデザインで、ブランドの世界観を表現できません。
Amazonストアであれば、Amazonの中に自社ブランドのページを作成できるため、ブランドの世界観やこだわりを、より強く自由に表現できるようになるのです。
オリジナル性を出すと、これまでは「Amazonで購入した」という顧客の心理が「あのブランドのネットショップで買った」という認識に変わります。
従って、顧客層に合わせたブランディングが可能となり、Amazon内に数多く存在するブランドの中から、顧客に選んでもらえるような差別化を図れるのです。
Amazonストアに関するデータを分析できる
Amazonストアには、ストアインサイトというさまざまな指標を確認できるサービスがあります。
項目 | 内容 |
訪問者 | 指定期間内にストアを訪問した合計 |
訪問者数 | トラフィック参照元からの訪問、ページにアクセスした訪問者の合計 |
閲覧数 | 指定期間中のページの合計閲覧数(繰り返しの閲覧も含む) |
訪問あたりの閲覧数 | ストアのアクセス中に閲覧されたページの平均 |
売上 | 過去14日間のストア訪問者によって生成された推定総売上 |
注文された商品点数 | 過去14日間以内にストア訪問者によって購入された推定商品点数 |
注文 | ストア訪問者が訪問してから14日以内に行った注文の推定合計数 |
閲覧数/訪問者数 | ストアの1日の訪問者によって閲覧された平均ページ数 |
注文された商品点数/注文 | 注文1回あたりの平均商品点数 |
売り上げ/注文 | 1回の注文あたりの平均売上 |
売り上げ/訪問者数 | 訪問者ごとの平均売上 |
訪問あたりの売上 | 1回の訪問ごとの平均売上 |
顧客の行動分析が上記の情報によりできるようになり、商品の売れやすい時期や訪問者数が触れる時期に合わせた販売手法が可能です。
新たな施策を考えるヒントとしても利用でき、長期的・継続的な売上向上につながるでしょう。
Amazon外から新規顧客を呼び込める
通常、ストアを持たずに出品すると「Amazonで販売している商品」という認識になります。
しかし、Amazonストアは「Amazon内にあるWebサイト」という認識になり「amazon.co.jp/ブランド名」といった固有のURLを取得できるのです。
Amazonストアは、Amazon外の広告の遷移先に設定でき、次のような媒体を活用してブランドの宣伝ができます。
- Yahoo!
- X(旧Twitter)
- メルマガ
これらのメディアを活用して宣伝を行い、顧客に見てもらう場所を多く作ると、Amazon以外の新規顧客を呼び込めるようになります。
ストアページの作成が簡単
Amazonストアを利用するには、自社ブランドのページを作成する必要がありますが、誰もが簡単にできる仕様です。
難しいプログラミング言語を使わず、形式に沿って画像や文章を入力していくため、直感的に操作できます。
テンプレートの種類も豊富で、カスタマイズが可能なものも多く、自社ブランドの雰囲気に合うストアページを作成できるでしょう。
Amazonストアの注意点
誰もが始められる簡単にAmazonストアですが、注意点が2つあります。
- ブランド登録が必要
- 審査に約3日間かかる
くわしく解説します。
ブランド登録が必要
Amazonストアは無料で利用可能ですが、利用するためには「ブランド登録」を行わなければなりません。
ブランド登録とは、商標登録済みの自社が所有しているブランドをAmazonに登録することです。
これは自社ブランドの盗作や模倣といった、知的財産を侵害する行為を防止することができます。
商標登録には特許庁に支払う印紙代にも、申請時に支払う費用や電子化手数料などがあり、最低でも3万円弱が必要です。
また、申請から商標登録完了となるまでに、約6ヶ月もの期間を要します。
Amazonでのブランド登録も、10日〜1ヶ月と多くの時間がかかるため、期間に余裕のある行動をするよう注意しましょう。
審査に約3日間かかる
Amazonストアの作成後、すぐにページが公開されるわけではなく、審査に通過する必要があります。
審査には3日間ほどかかり、記入漏れや表現ミスなどでガイドラインに違反する箇所があると、都度修正が必要です。
ガイドラインは項目も膨大で、修正後も3日程度の審査期間が設けられます。
できる限りガイドラインに抵触しないよう注意しましょう。
また、掲載商品・テキスト・画像はストア公開後も修正可能ですが、テンプレートごと変更したい場合は、既存のストアページを削除しなければなりません。
新しいストアページを新規作成する必要があるので、イメージを明確にした状態で作成することが大切です。
Amazonストアの登録・作成方法
Amazonストアの登録・作成方法は、以下のとおりです。
- Amazonストアにアクセスする
- ストア設定を行う
- テンプレートの設定を行う
- 画像やテキストを追加する
手順を画像付きでくわしく解説します。
Amazonストアにアクセスする
Amazonでストアページを作成するために「Amazonストア」にアクセスしましょう。
- 「Seller Central(セラーセントラル)」にログインし「Amazonストア」を選択します。
ストア設定を行う
まずはブランド名とロゴを以下の手順で設定します。
- 画面中央部にある「ストアを作成」を選択
ブランド登録が完了していない場合は、先にブランド登録を行ってからでなければ以降の手順に進めません。
- ブランド名とロゴの入力
ロゴは400px×400px以上のものだと鮮明に表示されます。
- ページのメタ説明文を入力
自社ブランドの概要を入力してください。
テンプレートの設定を行う
自社ブランドの世界観やこだわりを表現できるテンプレートを選びましょう。
- テンプレートを選択
自社ブランドに合うテンプレートを選択してください。
Amazonストアを作成後もテンプレートの変更は可能ですが、テンプレートごと変更したい場合は、既存のストアページを削除しなければなりません。
新しいストアページを新規作成する必要があるので注意してください。
画像やテキストを追加する
ストアページに掲載する、プロモーション動画や商品などを追加します。
- 画像やテキストの追加
ページセクションで「新しいセクションの追加」を選択すると、以下のような新規コンテンツが作成できます。
- 画像
- 商品
- テキスト付き画像
- テキスト
- 動画
- ベストセラー商品
テンプレートとは異なり、コンテンツ内容はストアページ作成後も適宜変更可能です。
- 審査に通過してストア作成完了
審査は3日ほどかかります。
審査に無事通過できたらストアページの作成は完了です。
まとめ:Amazonストアは自社ブランドがあれば誰でも作成できる
本記事では、Amazonストアのメリットや注意点、ストアページの作成方法などを紹介しました。
Amazonストアは、Amazonで唯一の自社ブランドを宣伝できるコンテンツです。
自社ブランドがあれば簡単に作成できますが、作成にはあらかじめ自社ブランドの商標登録・Amazonのブランド登録が必要になります。
ただし、それをクリアすれば誰もが簡単にストアページを作成できるので、自社のブランディングを強化したいと考えている人は、ぜひ本ページを参考にしてください。