Amazonで消費財を販売することは、多くのECサイトが乱立する現在においても、ビジネスチャンスを広げるための素晴らしいアイデアのひとつです。
しかし、実際に販売するまでにはいくつかのステップがあり、その煩雑さから検討を見送ってきた方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Amazonでの消費財販売を始める前に知っておくべきこと、そして具体的な準備や販売までのステップについて詳しく解説していきます。
Amazonで自社商品の販売を検討されている方は是非、最後まで読んでいただき、登録から販売までの作業をスムーズに進めるための参考にしてください。
Amazonでの消費財の売り方|事前準備
Amazonで消費財を売り出す前に、以下の準備が必要です。
- 出品アカウントの作成
- 販売する商品の選定
加えて、必要な書類と出品許可申請について確認していきましょう。
出品アカウントの作成
Amazonで消費財を販売するためには、Amazon内での出品アカウントが必要です。
出品アカウントは、Amazonセラーセントラルの公式ホームページ(http://sell.amazon.so.jp)で作成することができます。
アカウントを持っていない場合は、アカウント作成ページから進めます。
アカウント作成に必要な情報は、他に以下のようなものがあります。
アカウント作成の流れ
- 業種選択(主に法人か個人かが問われます)
- クレジットカード情報
- ストア情報
- 本人確認書類
他にも「小口出品」か「大口出品」のどちらかを問われますので、適切な出品形式を選択してください。
それぞれの特徴は以下の通りです。
- 小口出品:少量の商品を趣味程度に販売する場合に適しています。
- 大口出品:大量の商品を販売したり、ビジネスとして本格的に取り組みたい場合に適しています。
販売する商品の選定
次に、販売する商品の選定を行います。
自社のオリジナル商品であれば、高画質な商品画像や商品説明などを用意しておくとよいでしょう。
また、競合商品との価格を比較することは勿論のこと、Amazonの販売手数料も考慮した価格設定を行う必要があることも頭に入れておいてください。
必要な書類と出品許可申請について
Amazonでの登録を始める前に、予め必要な書類を準備しておくと、手続きをスムーズに進めることができます。
登録時に必要な書類は、販売する商品の種類やカテゴリーによって異なりますが、一般的に以下のものが求められます。
- 身分証明書のコピー: 運転免許証、パスポートなど
- 請求可能なクレジットカード
- 納税情報
- 事業者登録証明書のコピー など
また、特定の商品カテゴリーに出品するためには審査を受けなければいけないケースがあり、この審査をAmazon側に申請する手続きを「出品許可申請」と呼びます。
その場合、以下の書類も追加で求められますので、そちらも併せて準備しておくとよいでしょう。
- 販売許可証:食品や化粧品など、特別な許可が必要な商品の場合
- ブランド登録証:ブランド品を販売する場合
- 安全基準適合証明書:安全基準が定められている商品の場合
- 商品の製造証明書:メーカーが発行した、商品の成分や原材料などが記載された書類
特に食品や飲料などのカテゴリーでは、食品衛生法などの法規制に適合していることを証明する書類が必要となりますので、食品関係の販売を検討されている場合はご注意ください。
Amazonで消費財を売る手順
実際にAmazonで消費財を売る手順を見ていきましょう。
- Amazon出品アカウントの作成
- 出品者情報の設定
- 出品する消費財の登録
- 販売〜発送
①Amazon出品アカウントの作成
Amazonセラーセントラルの公式ホームページ(http://sell.amazon.so.jp)へアクセスしてください。
そこで出品アカウントの登録を行います。
- まずは、法人か個人かを選んでください。
- 次に、名前、メールアドレス、パスワードなど必要情報の入力を行います。
- 最後に、会社名、住所、電話番号などの入力を済ませれば、Amazon出品アカウントの登録完了です。
②出品者情報の設定
出品者情報の設定も、Amazonセラーセントラルの公式ホームページから行います。
- まずは、販売を開始するを選択
- 個人情報/法人情報の入力
- 本人確認
- 銀行口座登録
まずは「販売を開始する」を選択してください。次に、出品者の名前、住所、電話番号などの入力を行いましょう。
企業での出品の場合、常に連絡のつく販売責任者の情報を入力するのがおすすめです。
ここで、出品者の身分証明書のコピーの提出を求められますので、運転免許証などを事前に用意しておいてください。
商品の売上金を受け取る銀行口座情報を登録します。最後に、Amazonの出品規約への同意が求められますので、内容を十分に確認の上、同意に✓を入れて下さい。
なお、出品規約はこれからAmazonで消費財を販売していく上で遵守しなければいけない大切な事項ですので、折に触れて確認することをおすすめします。
③出品する消費財の登録
販売したい商品の登録を行います。
ほとんどの場合、商品登録には、UPC、ISBN、EAN、JANなどの製品コード(GTIN)が必要です。
Amazonではこれらの製品コードを使用して、出品されている正確な商品を識別します。
初めて出品される商品を出す場合は、事前にGS1(一般財団法人流通システム開発センター)に登録申請してバーコードを作成するか、免除を申請してください。
※一致する出品情報 (パッケージ、色、形、付属品が完全一致している) がある場合、製品コードはすでに登録されているため、改めて登録する必要はありません。
次に、商品名、商品説明、画像、価格、検索語句と関連するキーワードなど、購入者が商品を選ぶ際に必要な情報を入力します。
最後に、商品に合ったカテゴリーを選べば登録完了です。
④販売〜発送
Amazonで商品登録が終われば、いよいよ販売に向けてのステップとなります。
- 注文状況の確認
- 注文内容の確認
- 梱包〜発送
- 銀行口座登録
セラーセントラルへログインし、注文が入っていないかをチェックします。
注文が入っている場合、商品名、数量、配送先などの情報が表示されますので、注文内容に間違いがないか確認を行ってください。
注文内容に間違いがなければ、梱包〜発送の準備です。適切な梱包材、丁寧な梱包を心掛けましょう。
また、購入者へ向けた納品書や配送業者の伝票も忘れずに同梱します。
※Amazonでは、様々な配送業者が利用できます。
送料や配送スピードなどを比較して、最適な配送業者を選びましょう。最後に選んだ配送業者に商品を発送すれば完了です。
商品を発送したら、購入者へ発送通知メールを送ることもお忘れなく。
また、購入者から問い合わせがあった場合は迅速に対応することも大切です。商品満足度や、のちの顧客レビューに影響するため、くれぐれも手を抜かずに対応してください。
Amazonで消費財を売るメリット
ここではAmazonで消費財を売るメリットを紹介します。
- 多くの潜在顧客にリーチできる
- FBAで在庫・配送管理を簡略化できる
- データ分析ツールが利用できる
多くの潜在顧客にリーチできる
御存じの通り、Amazonは世界中で最も多くの人が利用するオンライン・マーケット・プレイスです。
ユーザーの大半は、欲しい商品をAmazonで検索する習慣がついており、販売する商品が、適正価格/正しいカテゴリーに配置されていれば、幅広い層の顧客にアプローチできる可能性を秘めています。
FBAで在庫・配送管理を簡略化できる
FBAとはFulfillment by Amazonの略称で、Amazonが商品の保管、梱包、発送、カスタマーサービスなどを代行するサービスのことを指します。
このサービスを利用することにより、在庫管理の手間が省け、より迅速な配送が可能となります。
データ分析ツールが利用できる
Amazonでは、出品アカウント向けにデータ分析ツールが提供されており、商品トレンドや広告レポートなど、新商品の開発や既存商品の改善に役立ちます。
外部の分析ツールも多数存在しますが、公式から与えられたデータが一番信頼できることは言うまでもないでしょう。
Amazonで消費財を売るデメリット
Amazonで消費財を売る前に、デメリットも確認しておきましょう。
- 販売手数料がかかる
- FBA使用の場合はコストがかかる
- プラットフォームに依存してしまう
販売手数料がかかる
Amazonに出品する際には、販売手数料が発生します。商品ジャンルや販売方法によって手数料率は異なりますが、売上の一部をAmazonに支払う必要があります。
商品の利益率に直結する事項ですので、販売を開始する前にキチンと御確認ください。
FBA使用の場合はコストがかかる
在庫管理の手間が省けるなど、何かと便利なFBAですが、使用する際にはコストがかかります。
毎月、利用料を支払う形となりますので、固定費がかさむことは避けられません。
目標売上額の設定の際には、予めこれらのコストがかかることを念頭に置いて試算することがベターと言えるでしょう。
プラットフォームに依存してしまう
自身のブランド力を確立する前にAmazonで販売を開始すると、Amazonのブランド力に大きく依存してしまう事態に陥りがちです。
そのため、どうすれば数多くの商品の中から自社の商品を顧客に選んでもらえるか、つまり他社との「差別化」を意識して運営していくことがとても重要となります。
品質向上や機能性の追加など、商品そのものの差別化はもとより、開発背景の公開をはじめとする自社のブランディングにも力を入れていくことで、Amazonに依存し過ぎない販売形態を目指しましょう。
Amazonでの消費財を売るときのコツ
Amazonで消費財を売るときのコツは、以下の通りです。
- 顧客レビューを活用する
- 分析ツールを駆使してPDCAを回す
顧客レビューを活用する
Amazonで消費財を販売し、順調に購入してくれる人が増えてくると、購入者の中からその商品のレビューを書き込みしてくれることがあります。
こうした「顧客レビュー」には、検索順位の向上による商品の売上アップが期待できるだけでなく、商品改善のヒントが隠されていることも多いでしょう。
また、こうしたレビューの蓄積によって、出品アカウント自体の信頼性向上も狙えるため、活用しない手はありません。
分析ツールを駆使してPDCAを回す
Amazonで消費財を販売する上で、分析ツールを駆使してPDCAサイクルを回すことは、売上向上に不可欠です。
Amazonで提供されている分析ツールは以下の2つです。
・Amazon Seller Central : 自社の商品データ、売上データ、広告効果などを数値化
・Amazon Business Reports : より詳細な売上レポートや顧客属性データが確認可能
こうした分析ツールによって得られた結果は、感覚ではなく、正確な数値として表れますので、データに基づいた最適な戦略を立案することが可能です。
また、Google Analyticsで販売サイトへの流入経路や顧客行動を分析することも非常に有効です。
この分析結果は、顧客の行動パターンやニーズを理解するための大きな「ヒント」となり得ます。顧客理解を深め、より顧客に届く効果的なマーケティングに繋げていきましょう。
Amazonでの消費財を売るときの注意点
Amazonで消費財を売るときは、以下の点に注意しましょう。
- Amazonの規約に違反しないようにする
- 在庫切れにならないようにする
Amazonの規約に違反しないようにする
Amazonでは、販売する商品に関して多くの規約が定められており、これを遵守することが非常に重要です。
もし規約に違反した場合、アカウント停止や法的措置につながる可能性もあります。主に、以下のような規約が定められています。
- 商品に関する規約
- 知的財産権に関する規約
- 安全に関する規約
- その他、複数アカウントの使用、不当な価格操作など
出品規約を必ず確認し、違反しないように心掛けましょう。
在庫切れにならないようにする
せっかく人気商品になっても、一度在庫切れに陥ってしまうと、商品ページを閲覧した人に購入してもらえるチャンスを失う結果を招き、その後、再度商品を購入してもらえる保証はありません。
人気商品であればあるほど、在庫切れにならないよう注意を払った方がベターと言えるでしょう。
商品情報は間違えないようにする
商品情報の誤りは、多くの人が見るサイトであるが故に、出品アカウントの信頼失墜に直結します。
販売する商品情報に間違いがないか、何度も確認することをおすすめします。
Amazonでの消費財の売り方!よくある質問
最後にAmazonで消費財を売るときに、よくある質問とその答えをまとめます。
- Amazonで偽物を販売するのは違法ですか?
- 化粧品の出品制限はありますか?
- Amazonで出品許可が必要な商品は?
Amazonで偽物を販売するのは違法ですか?
偽物を販売することは、元のブランドの商標権を侵害する行為であり、法律で禁止されています。
勿論、Amazonでの偽物販売も違法です。Amazonでは偽物販売を厳しく取り締まっており、偽物と判断された商品は削除されます。
また、悪質な出品者はアカウント停止などの処分を受ける可能性がありますので、くれぐれも偽物を販売しないようご注意ください。
化粧品の出品制限はありますか?
Amazonでは化粧品の出品に厳しい制限が設けられており、他の商品と比べて参入障壁は高いと言えるでしょう。
主な制限事項は以下となります。
- 薬機法の遵守
- 安全性に関する証明
- ブランド製品の場合は、そのブランドの正規販売権
- Amazonによる出品資格の審査
Amazonセラーセントラルのヘルプページを御覧いただければ、より詳しい情報が得られます。
Amazonで出品許可が必要な商品は?
以下の商品を出品する場合、Amazonへの出品許可申請が必要となります。
- 人気ブランドの商品
- 食品、医薬品、化粧品など、安全性が特に求められる商品
その他、新品未開封でない商品や、アダルト商品なども出品制限の対象となる場合がありますので、販売を御検討の際は十分ご注意ください。
Amazonでの消費財の売り方まとめ
Amazonで消費財を販売するメリットは、圧倒的な集客力を誇る顧客基盤と、運営する上で非常に便利なサービスや解析ツールが提供される点です。
このようなメリットを最大限に活用して、売上アップを目指しましょう。
手順さえ踏めば比較的簡単に始めることができるため、この機会にぜひ挑戦してみてください。