Amazon出品で「グローバルセリング」を利用すれば、海外Amazonでの出品販売が可能です。世界で3億超のカスタマーに利用されているECプラットフォーム「Amazon」を海外でも活用できれば、販路も大きく拡大できます。
このページでは、越境ECを実現できるAmazonグローバルセリングについての基本情報から登録方法、料金までまとめて解説します。
Amazonの安全&グローバルなサイト運営で、EC事業の拡大を実現させましょう。
Amazonグローバルセリングとは
Amazonグローバルセリングとは、日本以外の国のマーケットプレイスで出品販売できる出品者向けサービスであり、Amazonで出品しているセラーが利用可能です。
Amazonは世界中で3億超のユーザーに利用されており、プライム会員は1億5,000万人超。このAmazonの世界的なブランドを活用して販路を広げられるのが、グローバルセリングの魅力です。
18ヶ国のマーケットプレイスでの出品販売
2023年5月現在、Amazonグローバルセリングの対象となるのは、以下18のAmazonストアです。
グローバルセリングを利用すれば、これら各国のAmazonを介して、さらに多くの国や地域に商品を販売できます。
地域 | 国 | URL |
---|---|---|
アメリカ大陸 | アメリカ カナダ メキシコ ブラジル | Amazon.com Amazon.ca Amazon.com.mx Amazon.com.br |
ヨーロッパ | イギリス ドイツ フランス イタリア スペイン オランダ スウェーデン ポーランド | Amazon.co.uk Amazon.de Amazon.fr Amazon.it Amazon.es Amazon.nl Amazon.se Amazon.pl |
アジア太平洋 | 日本 インド オーストラリア シンガポール | Amazon.co.jp Amazon.in Amazon.com.au Amazon.sg |
中東 | アラブ首長国連邦 トルコ | Amazon.ae Amazon.com.tr |
グローバルセリングでできること
グローバルセリングの利用によってできることは、以下のとおりです。
- グローバル出品連携ツール使用での商品出品・管理
- 各国のマーケットプレイスへのセラーアカウント連携
- 海外への発送
- 大口・小口出品の変更
Amazonは18ヶ国でECプラットフォームを展開しており、国ごとにセラーアカウントを作成して、個別の運用も可能です。
しかし、グローバルセリングで他国のアカウントを連携することによって、より効率的でコスパの良いECサイト運用が可能となります。
Amazon出品で自社商品の販売力を高めるためには、グローバルセリングを含め、様々なノウハウがあります。EC事業者としての販促戦略等でお悩みの際は、ECサイト運営代行会社にお気軽にご相談ください。
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Amazonグローバルセリングのメリット
Amazonグローバルセリングの利用には、以下の3つのメリットがあります。
- 販路が大きく広がる
- 各国のセラーアカウントをまとめて管理できる
- 大口出品の月間登録料の割引あり
それぞれ詳しく見ていきましょう。
販路が大きく広がる
Amazonを利用すれば、アメリカ大陸を中心にヨーロッパにも販路を広げられます。例えばヨーロッパだけでも、28ヶ国のユーザーを対象としての商品販売が可能。
Amazonは日本でも多くのユーザーを集めるプラットフォームですが、さらに世界の新規ユーザーにリーチできるわけです。
各国のセラーアカウントをまとめて管理できる
Amazonグローバルセリングを利用せず、各国のAmazonセラーアカウントを作成しての出品も可能ですが、その場合、アカウントごとの管理は都度ログインして対応していく必要があります。
グローバルセリング利用の場合は、日本のAmazonセラーアカウントと連携する全ての国のAmazonセラーアカウントを日本のセラーセントラルで一元管理できるため、効率化にも有効です。
大口出品の月間登録料の割引あり
各国のAmazonでセラーアカウントを作成して大口出品する場合、国ごとに月間登録料がかかりますが、グローバルセリングを利用すれば、月間登録料が最大でも39.99ドルとなる割引が適用されるので、固定費の削減にも貢献してくれます。
大口出品でかかる月間登録料は国ごとに金額が異なりますが、何カ国に出品しても米国での月間登録料39.99ドルを超えて請求されることはありません。
Amazonグローバルセリングの料金について、詳しくは後述します。今すぐグローバルセリングの料金をチェックしたい方は、以下リンクからジャンプできます。
Amazonグローバルセリングのデメリット
Amazonグローバルセリングを利用するにあたっては、以下のようなデメリットもあります。利用前にデメリットについてもしっかり把握しておきましょう。
- 言語対応スキルが求められる
- 法律や規制の把握が必須
- 文化やニーズの市場調査が必要
- 手間やコストがかかる
それぞれ解説します。
言語対応スキルが求められる
日本のアカウントでグローバルセリングを利用すれば一元管理はできますが、国ごとの言語まで統一されるわけではありません。日本語対応している部分もありますが、一部は外国語表示です。
セラーセントラルでは言語切り替え機能がありますが、自己発送の場合、カスタマーサポートについてはそれぞれの国の言語での対応が必要です。
法律や規制の把握が必須
日本では問題なく販売できるものでも、海外では法律や規制、規格外で販売できないケースがあったり、税金の要件があったりします。
例えば家電製品のコンセントは国によって規格が異なるため、販路を選ぶ場合もあるでしょう。家電製品以外でも、サイズや容量等の単位表示も異なります。
販路として選択する前に、その国の法律や税金、規制、規格等について把握しておくことが重要です。
文化やニーズの市場調査が必要
日本のAmazonで販売する場合でも、ユーザーの好む商品やページデザインを把握しておく必要がありますが、海外でもそれは同じ。日本で好まれるものが海外でも同様に好まれるとは限りませんし、場合によっては大きなトラブルに発展する可能性もあります。
海外と日本では文化も異なるため、国ごとの市場ニーズの把握も欠かせません。
手間やコストがかかる
日本のAmazonで商品を出品するのは比較的簡単ですが、海外Amazonへの出品では、言語や文化、法律による違いがあり、それらを把握して対応するにも手間がかかります。
グローバルセリングにはこのようにメリット・デメリットがあり、それぞれに十分なリサーチを行った上で導入を検討することが重要です。
Amazonグローバルセリングの料金
Amazonグローバルセリングで大口出品する場合の料金は、何カ国で出品しても最大で39.99ドルです。
国ごとの月間登録料
Amazon大口出品での月間登録料は、国ごとに以下のとおり設定されています。
国・地域 | 月間登録料 |
---|---|
アメリカ | 39.99米ドル |
カナダ | 29.99カナダドル |
メキシコ | 600メキシコペソ |
ブラジル | 19ブラジルレアル |
ヨーロッパ | 25英ポンド、39ユーロ、410スウェーデンクローナ、または165.91ポーランドズロチ |
トルコ | 手数料なし |
インド | 手数料なし |
日本 | 4,900円 |
オーストラリア | 49.95オーストラリアドル |
アラブ首長国連邦 | 手数料なし |
サウジアラビア | 手数料なし |
シンガポール | 手数料なし |
ヨーロッパについては、アカウント1つでヨーロッパ圏内の全てのオンラインストアを利用可能。そのため、復数の通貨での月間登録料が記載されています。
グローバルセリング利用時の月間登録料
国ごとにセラーセントラルに登録する場合は、国ごとの月間登録料のとおりに月間登録料を個別に請求されますが、グローバルセリングで複数のAmazonストアを選択して登録する場合は、上限を39.99ドルとして請求される仕組みとなっています。
例えば日本のAmazonに加え、アメリカとヨーロッパで大口出品アカウントを統合した場合を事例として見てみましょう。
グローバルセリングを利用しない場合は、日本で4,900円、アメリカで39.99ドル、ヨーロッパで25英ポンドがそれぞれ請求されます。為替レートによって変動しますが、日本円に換算すれば、おおよそ15,000円ほどになります。
一方、グローバルセリングを利用した場合は、以下のとおり上限39.99ドルを国ごとに按分して請求されます。
Amazonストア | 按分した月間登録料 |
---|---|
日本 | 1,482円 |
アメリカ | 12.09米ドル |
ヨーロッパ | 11.79ユーロ |
ちなみに、出品中のAmazonストアの月間登録料合計が、月額39.99米ドルに満たない場合は、そのままの金額が適用・按分されます。月間登録料が無料の地域については、費用は発生しません。
グローバルセリングを利用すれば、作業効率化に加えて、毎月の固定費が大きく割引されるわけです。Amazonで越境ECを導入するのであれば、グローバルセリング一択となるでしょう。
Amazonグローバルセリングの登録方法
続いて、Amazonグローバルセリングに登録する方法を見ていきましょう。
新規でグローバルセリングを登録する場合と、既存の海外Amazonセラーアカウントを日本のセラーアカウントと統合する場合とで、それぞれの手順を解説します。
新規でグローバルセリングを登録する方法
Amazonグローバルセリングで新たに海外アカウントを登録する場合の手順は、以下のとおり。
- セラーセントラルの[在庫]→[グローバルセリング]をクリック
- 登録する国または地域のタブをクリック
- 出品する国または地域の登録をクリック
- サインイン画面で日本のAmazonに登録しているEメールアドレスとパスワードでログイン
- 画面に添って詳細を入力
- 登録完了
- 自動的にアカウントが統合される
作成済みの海外セラーアカウントを統合する方法
既に海外Amazonのセラーアカウントを登録している場合は、その既存アカウントを日本のセラーアカウントに統合させます。その手順は、以下のとおりです。
- セラーセントラルで[設定]→[グローバルセリングアカウント]をクリック
- グローバルセリングアカウントの画面で「アカウントの統合」タブをクリック
- 統合したいアカウントを選択
- サインイン画面では統合する海外アカウントのEメールアドレスとパスワードでログイン
- 統合したアカウントのプレビュー表示を確認して[確認と統合]をクリック
- 利用規約に同意のうえ、再度[確認と統合]をクリックして統合完了
統合の確認方法
Amazonセラーアカウントでグローバルセリングの登録が完了すると、セラーセントラル画面上部のナビゲーションバーに表示されるストアスイッチャーから、各国のセラーセントラルにアクセスが可能となります。
Amazonグローバルセリングの売上金受け取り方法
Amazonグローバルセリングで売上金が発生した場合の受け取り方法には、以下の2つの選択肢があります。
- 出品する国の銀行口座
- Amazon海外口座送金サービス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
出品する国の銀行口座
グローバルセリングで出品する国の銀行口座があれば、その口座への振り込みで対応できます。
ただし、海外口座を開設するためには、その国での法人設立が必要ですので、ややハードルが高いでしょう。
現地の銀行口座を開設しない場合には、以下のAmazon海外口座送金サービスまたは海外送金サービスを利用します。
Amazon海外口座送金サービス
Amazon海外口座送金サービスとは、自動的に海外通貨を日本円で送金してくれる、Amazon提供の送金サービスです。
日本でAmazon海外口座送金サービスを利用するには、別途ペイメントサービスプロバイダー「Hyperwallet」のアカウント登録が必要です。
Hyperwalletは、Amazonと連携しているペイメントサービスプロバイダー。Hyperwalletの口座で海外Amazonの売上を受け取り、日本の銀行に日本円で支払いしてくれるサービスです。
Hyperwalletのアカウントは、以下のリンクからAmazonアカウントで作成できます。
Hyperwalletの利用についての詳細はここでは割愛しますが、詳しくはAmazonの以下のページをご参照ください。
Hyperwalletのアカウント登録完了後は、セラーセントラルで以下の手順で設定します。
セラーセントラルの画面右上にある①歯車アイコン→②[出品用アカウント情報]を順にクリック。
「出品用アカウント情報」のページで、[支払情報]の中にある[銀行口座情報]をクリック。
続いて、[銀行口座情報を変更]のボタンをクリック。
「新しい銀行口座情報を追加」の表示画面で銀行口座所在地「日本」を選択し、Hyperwalletの入金口座情報を入力。
銀行口座情報入力欄の下に、以下のとおりペイメントサービスプロバイダーを利用するにあたっての同意事項が記載されていますので、内容を確認のうえ[銀行口座情報を設定]をクリックします。
以上の手順でAmazon海外口座送金サービスの登録が完了しますが、安全上の理由により、更新は登録後3日経過してから有効となる仕組みです。
Amazon海外口座送金サービスでかかる手数料は、適用される為替レートに含まれて表示されます。適用される為替レートは、セラーセントラルのペイメント一覧ページの[為替レートを表示]ボタンをクリックすれば確認できます。
Amazonグローバルセリング利用時の注意点
Amazonグローバルセリングで統合できるのは、出品者が同一であるアカウントのみです。例えば外部委託業者等にアカウントを統合することはできません。
アカウントを一度統合すると、解除やキャンセルが一切できなくなるので、その点を踏まえて統合しましょう。
Amazonグローバルセリングで越境ECを実現しよう
Amazonグローバルセリングで海外Amazonのセラーアカウントを統合すれば、効率的かつコスパの良い越境ECの運用が実現可能となります。
言語や法律、文化の違いはありますが、そのハードルを超えることで数百万単位の新規ユーザーに自社商品をアピールする機会を得られるわけです。
Amazonでの出品に慣れていれば、言語は違っていてもプラットフォームの作りは共通ですので、新たに海外への販路を開拓するよりも難易度は低いといえるでしょう。
国や地域も、18の選択肢から自由に選べます。ECビジネス拡大の一案として、Amazonグローバルセリングの導入を検討してはいかがでしょうか。