Amazonで出品していると、同業者であるライバルセラーから嫌がらせを受けることがあります。同じ商品や類似した商品を販売するライバルが、自身の出品・販売を有利にするための嫌がらせです。
Amazonでの嫌がらせには多種多様な手口があり、完全に排除するのは困難ですが、事前にできる対策や、いざというときに知っておきたい対処法があります。
このページでは、Amazonでの嫌がらせ事例や対処法、事前にできる回避策について解説します。
Amazon出品での嫌がらせを回避して、自社の扱う商品を安心・安全に販売できる環境を守りましょう。
Amazonでの嫌がらせ事例
Amazonのライバルセラーからの嫌がらせには、以下のような事例があります。
- 低評価の嫌がらせレビュー
- 虚偽クレームによる返品
- 大量の注文保留とキャンセル
- Amazon広告の不正クリック
- 脅迫的なメール
各事例を詳しく見ていきましょう。
低評価の嫌がらせレビュー
ライバル商品に対して低評価レビューを入れ、ユーザーからの印象を悪化させる嫌がらせがあります。
低評価レビューによってユーザーへの印象が悪くなれば、商品は売れにくくなり売上が低下。Amazon内での検索順位や、ランキングも低下してしまうでしょう。
ライバルが脱落すれば、嫌がらせをした出品者は有利に販売できるようになります。
虚偽クレームによる返品
ありもしないクレームで返品を繰り返す嫌がらせも見受けられます。クレームを複数回入れることによって、Amazonからの当該商品の評価が下がり、場合によっては出品停止になる可能性も。
これはAmazonの出品商品のルールを悪用した嫌がらせです。あまりにクレームが多かったり、重大な内容のクレームがあったりすれば、Amazonは当該商品の調査が必要であると判断するでしょう。
Amazonが商品の問題を調査することになれば、出品者は複数の書類提出を求められ、調査が完了して問題なしと判断されるまで出品もできず、売上もストップしてしまうのです。
大量の注文保留とキャンセル
実在しない住所で大量に商品を注文したり、コンビニ払いや代引き決済で注文を保留状態にすることでで、出品者の販売機会を奪う嫌がらせもあります。
同一商品がまとめて保留状態になれば、下記のような問題が発生します。
- 商品が売れない
- 在庫切れになる
- 販売期間を失う
1週間から10日ほど商品が保留された末に全ての商品がキャンセルされれば、販売機会を失うだけでなく、無駄な送料負担が増え、出品者や商品の評価も下がり、良いことは何もありません。
Amazon広告の不正クリック
Amazon広告に出稿している場合、不正なクリックが増加すれば、費用対効果も悪化します。
通常はIPアドレスごとに広告のクリック数が制限されますが、業者に委託して複数の拠点からクリックするなど、悪質な不正クリックを企む出品者も存在するので要注意です。
脅迫的なメール
相乗りで商品を出品している場合、脅迫と思えるようなメールを受け取るケースも見られます。
出品でほかのセラーから脅迫的なメールを受け取った場合は、冷静に内容を確認して対処すべきかどうか判断します。
根拠のない、不当な申し出であれば対処する必要はないでしょう。ただし、内容や頻度によっては、Amazonへの通報が必要となることもあります。
Amazonでの嫌がらせへの対処法とコツ
Amazonでの嫌がらせが疑われる場合は、早めにAmazonテクニカルサポートへ通報しましょう。
Amazonテクニカルサポートへの問い合わせ方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
ただ嫌がらせされているといった内容ではなかなか対処してもらえないこともあるので、Amazonでの嫌がらせ行為を通報する場合、以下の点をチェックして情報を整理しておくことが重要です。
1度で対応してもらえなくても、根拠となる具体的な情報を示しながら、何度も繰り返しの連絡が必要となるケースもあります。
Amazonに対処してもらうためにも、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- ガイドライン違反のレビューは削除依頼する
- 証拠となるデータを整理して報告する
- ユーザーへの悪影響について言及する
それぞれ解説します。
ガイドライン違反のレビューは削除依頼する
Amazonではコミュニティガイドラインによって、以下のようなレビュー投稿は禁止されています。
- 乱暴な言葉や嫌がらせコメント
- 出品者や注文、配送に関するコメント
- 価格や在庫状況へのコメント
本当のレビューか嫌がらせによるレビューかの判断は難しいですが、レビュー内容によってはAmazonで削除してもらえるケースがあるので、ひとまずAmazonに依頼してみましょう。
Amazonレビューの削除方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
証拠となるデータを整理して報告する
Amazonに嫌がらせを通報する場合は、そのはっきりとした根拠を示す必要があります。
例えば代引きやコンビニ払いによる注文が大量に保留となっている場合には、保留中となっている商品詳細をセラーセントラルで確認の上、その状況も含めた内容や証拠を整理してAmazonに通報します。
嫌がらせが発生している商品や時期、購入者等、具体的な内容をできる限りまとめておきましょう。
嫌がらせと判断できる材料をしっかりと示すことで、Amazonに対応してもらえる確率もアップします。
ユーザーへの悪影響について言及する
Amazonでの嫌がらせによってあるはずの在庫がなくなれば、本当にその商品を求めるユーザーに届かなくなるでしょう。
嫌がらせによってユーザーへの影響が考えられる場合は、その内容も含めて通報することが、Amazonに対応してもらうためのコツになります。
Amazonでの嫌がらせ注文を回避するために事前にできる対策
Amazonでライバルセラーから嫌がらせを受けることで自社商品が売れなくなったり、自社や自社商品の低評価レビューが増えたりすれば、Amazonでの評価にも悪影響を及ぼします。できれば嫌がらせが発生しないような状況でECサイトを運用したいですよね。
ここではAmazonでの嫌がらせを回避するために、事前にできる以下の対策について見ていきましょう。
- 海外セラーの相乗りを避ける
- 注文数の制限
- 支払い方法の制限
- ブランド登録
- アカウントのこまめなチェック
海外セラーの相乗りを避ける
海外セラーの商品に相乗りをすることで、嫌がらせを受ける事例が多く報告されています。
中には、嫌がらせ行為によってAmazonから理不尽なアカウント停止や売上金保留の処分を受けているセラーもいますので、危険性のある商品の取り扱いは避けるのがベストです。
注文数の制限
嫌がらせのターゲットになりそうな商品については、1アカウントで購入できる注文数を1~2点までと制限しておく方法もあります。
1アカウントごとに注文できる数を制限しておけば、大量の嫌がらせ注文を入れるためには複数のアカウントが必要となるため、嫌がらせ行為を実行するハードルが上がるでしょう。嫌がらせしにくい環境にすることで、いくらかでもリスクを抑えられます。
注文数の制限は、以下の手順で設定できます。
セラーセントラルの画面左上にあるバーガーメニューをクリック。
①[在庫]→②[全在庫の管理]を順にクリック。
注文数の制限をしたい商品の[詳細の編集]をクリック。
「出品情報」タブの「最大注文個数」欄で個数を指定。
画面下の[保存して終了]で保存すれば、設定完了です。
支払い方法の制限
FBA利用の場合は対象外となる方法ですが、Amazon出品で自己発送している場合には、「代金引換(代引き)」「コンビニ払い」をオフにすることで、注文が長期的に保留となるトラブルを避けられます。
セラーセントラルから以下の手順で、商品ごとの支払いオプションを選択できます。
セラーセントラル画面の右上の①歯車アイコンをクリック→②[出品用アカウント情報]をクリック。
次に、[支払い方法の設定(コンビニ払い / 代金引換)]をクリック。
「支払い設定」の画面で、「代金引換」「コンビニ決済」欄にある①トグルを無効にして、②の[送信]ボタンをクリックすれば、オフの設定になります。
支払い方法の設定方法については、以下の記事もご参照ください。
ブランド登録
商標登録している商品であれば、Amazonのブランド登録もしておきましょう。
Amazonでブランド登録していれば、同業者からの嫌がらせがあった場合の主張も優位になります。
Amazonブランド登録については、以下の記事をご参照ください。
アカウントのこまめなチェック
セラーセントラルをこまめにチェックしていれば、普段と違った動きがあっても察知しやすく、嫌がらせによる異常発生時にも迅速に対処できます。
FBAを利用している場合など、セラーセントラルのチェック頻度が低くなると、異常に気付きにくく、リスクも高まります。
例えば保留中の商品やマイナスレビューが過剰に増えていないか、定点観測しておくと安心です。
Amazon出品では、売るためのコツも必要ですが、アカウントや自社出品商品、ブランドを守るための対策も必要です。ECサイト運営ならではのお悩みについて自社での対応が難しい場合は、ECサイト運営代行会社にお気軽にご相談ください。Amazonと提携しているECサイト運用のプロが、Amazon出店における健全なサイト運営をしっかりとサポートいたします。
Amazonでの嫌がらせを回避しよう
Amazonでライバルセラーからの嫌がらせを受けると、何も悪いことをしていないのにAmazonから出品停止やアカウント停止、売上金保留等のペナルティを受ける場合があります。
とても理不尽で納得のいかないトラブルですが、確たる証拠を示さない限り、Amazonにも対応してもらえません。
可能な限り嫌がらせをされないように、特に海外セラーが出品している商品への相乗りや類似商品の出品は慎重に行うことをおすすめします。