Amazonで在庫切れを起こすと販売機会の損失になり、Amazonからの評価も下がり、売上もダウンします。ショップや自社商品の評価が下がるのはあっという間ですが、その評価を取り戻すには時間もコストもかかります。
在庫切れによる厄介なリスクを回避するためには、在庫切れを未然に防ぐことが何よりも重要です。このページでは、Amazonの在庫切れによるリスクと対処法、事前にできる対策までまとめて解説します。在庫切れを未然に防ぐのはもちろん、万が一の在庫切れに対処できる体制も整えておきましょう。
Amazonでの在庫切れがもたらすリスク
Amazonで在庫切れが発生するということは、需要に対して供給が間に合っていない状態であり、販売機会の損失になります。
相乗りでの出品商品であれば、ライバル出品者がカートを獲得するチャンスを得て、有利に販売することとなります。
自社のオリジナル商品を販売している場合は、さらに以下のような深刻なリスクが発生するので、特に注意が必要です。
- 商品ページのAmazonSEO評価が下がる
- 商品カテゴリーランキングが下がる
- 広告が非表示になる
- パフォーマンス指標が低下する
- 競合商品を有利にしてしまう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
AmazonSEOでの評価が下がる
自社の商品カタログで在庫がなくなれば、ページが表示されても購入につながりません。
購入につながらないページはAmazonにも利益をもたらしませんので、AmazonからのSEO評価も下がり、検索上位に表示されなくなります。
検索で見つけてもらえなくなれば、商品ページのPVやクリック率も激減し、売上も下落。大きなダメージをもたらします。
商品カテゴリーランキングが下がる
Amazonの商品カテゴリーランキングで上位表示されていれば、商品も売れやすくなりますが、在庫切れになると売れませんのでランキングも下落します。
Amazonのランキングは、直近で売れたものが上がる仕組みになっているため、売れない期間が長期化すれば、そのダメージも深刻です。
Amazonで売上を伸ばすためには、ランキングの仕組みも把握しておきましょう。
広告が非表示になる
在庫のない商品は、広告も非表示となります。
広告が効果を示しているのに、在庫切れになることで全てがストップしてしまうのは、もったいないですね。
パフォーマンス指標が低下する
在庫切れになると、パフォーマンス指標などアカウント健全性にも悪影響を与えます。
パフォーマンス指標が低下すると、新品出品では非常に需要な「カートの獲得」もできなくなります。
競合商品を有利にしてしまう
自社商品が在庫切れになれば、ユーザーが他社の競合商品に流れる可能性が高まります。在庫切れ前にランキング上位入りやベストセラー獲得などの有利な材料があったとしても、在庫切れによってその優位性も他社に移り、すべて失う可能性もあるでしょう。
このように、Amazonでの在庫切れは、売上が伸びる機会をダメージに変えてしまう可能性を秘めており、なんとしても避けるべきなのです。
続いて、Amazonの在庫切れへの対処法を見ていきましょう。
Amazonでの在庫切れへの対処法
Amazonでの在庫切れには、少しでも早く対処すべきです。
ここから、Amazonで在庫切れになりそうな場面でできる対処法と、在庫を切らしてしまってからの対処法にわけて紹介します。
Amazonで在庫切れしそうなときにできる対処法
Amazonで在庫切れしそうなときにできるのは、以下の3つの対処法です。
- 予約販売に切り替える
- 広告を停止する
- 商品の価格を上げる
各対処法について、詳しく解説します。
予約販売で設定する
新発売の商品でなくても、予約販売としての設定が可能です。在庫補充の目処が立っている場合は、予約販売で注文を受け付けると良いでしょう。予約販売とすれば納期が先でも問題ありませんし、商品ページの評価やランキングへのマイナスな影響も回避可能です。
予約販売の設定は、セラーセントラルから以下の手順で行います。
セラーセントラルの画面左上の三本線アイコン(バーガーメニュー)をクリックします。
在庫の[在庫管理]メニューをクリック。
在庫切れしそうな商品の欄にある「詳細の編集」をクリック。
「出品情報」タブの「セール開始日」で日付を指定します。
[保存して終了]をクリックして設定完了です。
予約販売では、確実に発送できる日付で設定しましょう。この日付に発送できないと悪い評価を招くことになるので、余裕をもって設定することをおすすめします。
広告を停止する
スポンサープロダクト広告を利用していて、集客に効果を発揮しているときであれば、在庫がなくなる前に広告を一時停止する方法もあります。
効果を発揮している広告を止めるのはもったいないですが、在庫切れまでの時間を稼ぐためには有効な方法となるでしょう。
商品の価格を上げる
広告を停止しても、商品が売れ続けて在庫切れになりそうなときは、一時的に価格を上げて売れるスピードを落とす方法もあります。
ただし、リピート買いの多い商品では、価格が上がったと悪い評価が入る可能性もあるので、注意が必要です。
Amazonで在庫切れしてしまったときの対処法
Amazonで在庫切れとなってしまった場合には、入荷予定があることを表示して、受注を継続する方法を検討しましょう。
入荷予定が確実であれば、この方法を活用して納期を伸ばし、商品ページのSEO評価やランキングの低下を回避できます。
入荷予定日を設定する
Amazon出品では「商品の入荷予定日の設定」が可能で、現時点で在庫のない商品も「入荷予定あり」と表示して受注できます。
発送まで時間がかかることによる販売機会の損失はあるものの、AmazonSEOやセラーの評価が下がることは回避できます。
入荷予定日設定の条件
入荷予定日の設定には、以下の条件があります。
- 30日以内の発送が可能であること
- FBA出荷利用でなく自社で出荷できること
- 本、メディア、ビデオ・DVDに該当する商品でないこと
本、メディア、ビデオ・DVDの商品は、注文確定日から2営業日以内での出荷が必須であるため、入荷予定日の設定はできません。
入荷予定日の設定方法
Amazon出品で入荷予定日をあらたに設定する場合は、セラーセントラルで以下の手順で行います。
ちなみに、入荷予定日の設定は、FBA出品ではできません。自己発送の場合のみ、以下の手順を参考にしてください。
在庫の[在庫管理]メニューをクリック。
該当商品の[詳細の編集]をクリックします。
「出品情報」タブで、商品の「入荷予定日」で日付を指定します。
画面下にスクロールして、[保存]をクリックで、入荷予定日の設定が完了です。
Amazonでの在庫切れを防ぐためにできる事前対策
Amazonで在庫切れが発生すれば、ここまで解説してきたように厄介なリスクがあり、様々な対処も必要となってきます。
Amazonで順調に売上を伸ばしていくためにも、在庫切れを発生させない以下のような体制を整えておくことが重要です。
- 売上や需要を分析して予測する
- 在庫管理を徹底する
- 納期管理を徹底する
- FBAを利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
売上や需要を分析して予測する
在庫不足にならないように、過去の売上実績から、シーズンごとの需要や直近の需要変動を分析し、精度の高い予測を立てることが必要です。
連休やセール前など、通常とは需要が異なる期間は特に多めの在庫が必要となりますが、過剰在庫にも注意が必要です。在庫確保のための資金はもちろん、FBAであれば在庫保管手数料も発生しますし、食品であれば商品の消費期限の問題もあります。
在庫予測における過去データの分析は、非常に重要なのです。
在庫管理を徹底する
補充すべき在庫の予測ができたら、いつの時点で在庫を補充するのか、ベストなタイミングも設定しておきましょう。
タイミングを設定したら、Amazonの「在庫補充通知」機能を活用するなど、発注忘れのミスが発生しないように備えておくことができます。
Amazonの在庫補充通知は、セラーセントラルから以下の手順で商品ごとに設定可能です。
在庫の[在庫管理]メニューをクリックして、補充通知を設定したい商品の[詳細を編集]の右側にある下矢印をクリック。
以下のメニューが表示されるので、[補充通知を設定する]をクリック。
在庫補充通知の設定ページ「Eメール通知をいつ受け取りますか?」の欄で「通知の種類を選択」から「販売可能な数量がしきい値に達した場合(点数)」もしくは「在庫完売までの週数がしきい値に達した場合(週数)」のいずれかを選択します。
次に選択した通知に合わせて①の「アラートのしきい値」を入力し、②[保存]すれば、在庫補充通知の設定完了です。
在庫補充通知を設定した商品は、在庫管理画面で金色のベルマークが表示され、その商品の補充通知数に達したときは赤いベルの表示に変わります。
納期管理を徹底する
在庫を補充するにあたっては、納期管理の把握も欠かせません。
例えばFBA利用であれば、Amazonへの納品から出品完了までにどれくらいの期間がかかるかがポイントになります。通常では数日で完了するとしても、クリスマスシーズンなどの繁忙期となると、1週間以上の期間を要するケースもあり、季節ごとの把握も必須です。
FBAでは、納品不備で無駄なタイムロスが生じないようにすることも重要ですね。
海外から商品を輸入している場合は、その国の長期休暇への対策も欠かせません。
FBAを利用する
自社での管理リソースが不足している場合は、Amazonが販売代行をしてくれるFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用して、効率化する方法もあります。
FBAを利用すれば、カスタマーサポートや商品の梱包・発送等にかかる作業全てをAmazonにまかせて、FBA倉庫の在庫管理に専念できるでしょう。
FBA利用には手数料がかかりますが、迅速な発送にも対応していますので、顧客満足度アップにもつながります。
Amazonで着実に売上を伸ばしていくためには、在庫切れを防ぐのはもちろんですが、効率よく売るための戦略も欠かせません。Amazonでの戦略のお悩みは、ECサイト運営代行を行っている当社にお気軽にご相談ください。
Amazonの提携パートナー企業として、ECサイト運営をバックアップしてきた実績をもとに、クオリティの高い改善プランをご提案いたします。
Amazonで在庫切れしてしまった後のフォロー
どんなに備えをしていても、予想を超える受注が発生することがあります。
在庫切れになり、商品ページが表示されなくなったり、カテゴリーランキングが下落してしまった場合は、プロモーションやスポンサープロダクト広告を活用して商品を再アピールしていきましょう。
プロモーションで商品をアピール
ショップ独自のサービスを設定できる「プロモーション」を利用して、お得感を演出しながら商品をアピールすれば、競合商品との差別化にも役立ちます。
プロモーションについては、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
スポンサープロダクト広告を利用する
検索で商品ページが表示されない場合は、Amazonのページ内に優先的に表示させられる「スポンサープロダクト広告」の利用をおすすめします。
在庫切れになるということは需要があるということですから、広告の効果も期待できます。商品の露出を増やし、商品ページの評価も取り戻しましょう。
Amazonの在庫切れに関するよくある質問
最後にAmazonの在庫切れに関するよくある質問を紹介します。
- Amazonの在庫切れはなぜ発生する?
- Amazonで在庫切れになるとどうなる?
気になる点はしっかり確認して、疑問が残らないようにしましょう。
Amazonの在庫切れはなぜ発生する?
Amazonで在庫切れは需要予測ができていない、在庫管理・納品管理が甘かったなどが原因で発生します。
季節によって大量注文が発生したり、災害による入荷遅れだったり、予期せぬトラブルも発生する可能性があるので日頃から外的要因にも気を配るのが大切です。
しかし日常業務もこなしながらこれらの管理まで行うのは、なかなか難しいかもしれません。
そんなときは積極的にFBAを利用して、在庫切れが起こらないようにしましょう。
Amazonで在庫切れになるとどうなる?
Amazonで在庫切れになると、主に以下のようなリスクが起こり得ます。
- AmazonSEOでの評価が下がる
- 商品カテゴリーランキングが下がる
- 広告が非表示になる
- パフォーマンス指標が低下する
- 競合商品を有利にしてしまう
自社の評価が下がることで、結果的に競合の評価を上げることになるでしょう。
売上に繋がらない以上の損となるため、Amazonで在庫切れを起こしてしまうのはあまり好ましくありません。
Amazonでの在庫切れは未然に防ごう!
Amazonでの在庫切れは「売れるのに商品がない」という、あってはならない状況であり、商品ページや出品者としての評価にもマイナスの影響をもたらします。
在庫切れが発生しないように備えるのはもちろんですが、万が一在庫切れが発生したときにどのように対応するか、社内で周知徹底しておくことも大事ですね。
商品が売れるチャンスを逃さないように、ECサイト運用における体制をしっかりと整えておきましょう。