近年、人気グッズやチケットなどの転売が深刻な課題と化していますが、ECサイトのAmazonも例外ではありません。
特にAmazonの場合は、顧客が正規ブランドと転売業者のどちらから購入したのかが区別されにくいという問題を抱えています。
転売業者から状態の悪い商品が届いてしまうと、販売業者やブランドにとって深刻な損失をもたらす可能性があるため、適切な対処を行うことが重要です。
そこで本記事では、Amazonで転売されたときに起こりうるリスクと、具体的な転売対策の方法について詳しく解説します。
Amazonにおける転売の現状
Amazonは1つの商品につき、商品紹介が1ページしか持てないという仕様があります。
そのため、正規取扱店舗以外がそこの店舗と同じ商品を販売するとなると「相乗り出品」を行う必要があるため、名目上は転売ではないという状態になっているのです。
しかし、結局は転売業者が仕入れた商品を出品するため、事実上転売と大差なく、労力をかけて作った商品ページが転売業者に利用されてしまいます。
また、顧客は公式から商品を購入したと勘違いしやすく、転売業者からの商品の状態や対応が悪いと自社にクレームがくるという悪循環となってしまいがちです。
これを解消するには常に転売を監視する必要がありますが、24時間転売の監視を続けるというのも現実的ではありません。
さらに、転売行為自体が違法ではないというのも頭を悩ませる理由です。
Amazonで転売されたときの4つのリスク
Amazonで転売されたときに自社に降りかかる4つのリスクを紹介します。
- ブランドの信頼が損なわれる
- 激しい価格競争により売上が低下する
- 顧客の損失
- コア業務を行う時間の減少
ブランドの信頼が損なわれる
顧客がAmazonで商品を購入するときは、正規店からか転売業者からか、どちらで購入するかをあまり意識していません。
そのため、実際に顧客の手元にきた商品が「偽物・状態が悪い・対応が遅い」などがあった場合、低評価を付けられたり、XやInstagramなどのSNSで拡散される可能性があります。
実際は自社で購入されたものではなくとも、そういった情報が出回ってしまうとブランドの信頼性が著しく失墜してしまう可能性が高く、噂を撤廃する費用や時間も膨大です。
激しい価格競争により売上が低下する
Amazonにおける転売業者は正規価格よりも、値段を安価に設定するケースが多いです。
これにより、自社は行う予定だった価格戦略ができなくなり、セールで想定以上の値引きを行う必要が出てきます。
また、転売業者が安価で出品し続けると、Amazonの「カートに入れる」「今すぐ買う」の表示が消えてしまうケースがあり、正規価格で販売できなくなる値崩れが起きやすいです。
顧客の損失
転売業者の商品や顧客への扱い方が粗雑になるほど、定着していた顧客が離れる可能性が高まるという点については前述しましたが、値崩れによっても損失する可能性が高まります。
Amazonは、通常価格よりも極端な価格差が生まれると購入関係のボタンが消えることがあり、転売業者ももちろんそれを理解しています。
そのため、転売業者は正規商品よりも数円〜数十円と、少しだけ低い価格で出品するのです。
すると、商品ページの「こちらからも購入いただけます」という項目に、正規価格よりも安い商品が表示されます。
当然とも言えることですが、顧客はより安い方に強く惹きつけられるため、文字通り顧客を横取りされてしまうのです。
コア業務を行う時間の減少
24時間365日監視し、見つければ即排除というのは現実的ではありません。
しかし、転売業者は時間の際限なく出品できるため、対応が追いつかないというのが実態です。
自社スタッフは決められた時間内で転売対策の施策や転売業者を排除する業務を行います。
結果的に転売対策に時間を奪われ、商品ページの改善や販売戦略を考えるなどのコア業務を行う時間が減少してしまいます。
Amazonでの転売対策の方法6選
自社ブランドの信頼・顧客・売上を失う前に、適切な転売対策を行いましょう。
- Amazonでの転売対策の方法は、以下の6つです。
- 知的財産権侵害の申し立てをする
- コンディションのガイドライン違反報告をする
- Amazon限定の商品を用意する
- 転売業者に直接取り下げ依頼を行う
- 顧客に注意喚起を実施する
知的財産権侵害の申し立てをする
Amazonはブランドの権利を主張できるよう、Amazon brand registryという仕組みを用意しています。
Amazonで知的財産権侵害の申し立てをする場合は、商標権の所有を証明するために「ブランド登録」をする必要がありますが、著作権や意匠権侵害の疑いを探せるようになるのです。
ただし、Amazonとしては転売が規約違反に該当しないため、申し立てをする際は規約違反や法律違反行為の証拠を用意する必要があります。
転売業者だからという理由だけでは、営業妨害や嘘の申告だと判断され、トラブルに発展する可能性があるため注意してください。
コンディションのガイドライン違反報告をする
Amazonにおけるコンディションとは、出品する商品の状態が新品か中古かを示す指標です。
コンディションは以下7種類に分けられ、カテゴリによっては新品でなければならないものも存在します。
- 新品
- 中古 – ほぼ新品または開梱済み
- 中古 – 非常に良い
- 中古 – 良い
- 中古 – 可
- コレクター商品
新品が原則のカテゴリに該当する商品であれば、コンディションガイドライン違反として通報可能です。
しかしながら、その違反によって購入者がなぜ困るのかなどの、Amazon側が対応しやすそうな情報を伝える必要があり、対応してくれる可能性も低いというデメリットがあります。
Amazon限定の商品を用意する
Amazon限定で購入特典やパンフレット等を付属するという手段も有効です。
コンディションが原則新品のものに限りではありますが、付属商品の状態によっては開封した時点で新品から中古になるケースがあります。
転売業者が同じ状態での出品ができなくなるため、多くの転売業者を退けられるでしょう。
転売業者に直接取り下げ依頼を行う
転売業者に直接、出品商品の取り下げを依頼することで転売数を抑えることも可能です。
しかし、要請に素直に応じる転売業者もいますが、悪質な転売業者の場合はトラブルに発展する可能性もあります。
直接取り下げ依頼を行う場合は、弁護士を介してやり取りをすると良いでしょう。
顧客に注意喚起を実施する
転売業者への直接的な対策ではありませんが、顧客に注意喚起を実施するのも良いでしょう。
商品ページに表示させる画像に、転売商品が見受けられることや、公式は弊社である旨を記したものを掲載しておくと、顧客への注意喚起につながるだけでなく、Amazonに申告する時の裏付けにもなります。
効果は限定的で弱いと言えますが、確実に転売業者の抑制に繋がります。
転売数の確認方法
Amazonの転売数は、商品ページで確認できます。
「こちらからも購入いただけます」「新品◯件の出品」などをクリックすると、出品者の一覧が確認できるため、自社や取引先以外の出品者を探すだけで、転売数を把握できます。
Amazonで転売対策を行うときの注意点
転売対策を行うときは、次の2点に注意しなければなりません。
- 通報相手が正規の取引先でないか確認すること
- 転売業者を逆上させてしまう恐れがある
通報相手が正規の取引先でないか確認すること
自社が全ての流通を把握できていれば問題ないですが、全体を把握できていない場合は注意してください。
万が一、正規の取引先にもかかわらず転売だと通報してしまうと、大切な取引先を失ってしまう可能性があります。
レビューの良し悪しだけで判断せず、本当に転売業者かどうかを見極めてから転売対策を行いましょう。
転売業者を逆上させてしまう恐れがある
Amazonにおける転売の現状でも前述しましたが、一部転売行為を除き、一般的な転売行為自体は違法にはなりません。
そのため、転売業者が逆上し、嫌がらせで値崩れを起こすなどの悪質な態度をとってくる可能性があります。
そのような場合に備えて法的措置を取れるよう、あらかじめ弁護士に相談しておく、弁護士を介して通知するなど、予防線を張っておく必要があります。
Amazonの転売対策を徹底するなら運用代行サービスがおすすめ
Amazonの転売対策を実施して転売業者を排除しても、次から次へと湧いてきて悩みが尽きず、どんどん消耗していく運用者も少なくありません。
転売対策を徹底的に行いたい場合は、運用代行サービスを検討してみるのもおすすめです。
サイバーレコードの運用代行サービスは、転売対策だけでなく売上や顧客数向上が期待でき、コア業務にかけられる時間が増加するため、多大な業務効率化を図れます。
ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ:Amazonの転売対策は適切な方法で行おう
本記事では、Amazonの具体的な転売対策や注意点について解説しました。
転売業者は値崩れやブランドの信頼損失など、深刻な問題になりかねないため、転売対策は欠かせません。
顧客に良い商品を届け、売上やアクセス数を安定させるためにも、適切な転売対策を行いましょう。
もし転売に対する悩みを抱えているなら、サイバーレコードまでお気軽にお問い合わせください。