アパレルECサイトとは?売上ランキング・市場規模や5つの課題を一挙解説!

アパレルECとは?市場規模や5つの課題を一挙解説!
アパレルECとは?

アパレルECとは、アパレル関連の電子商取引のこと。

近年、アパレル業界では実店舗からECサイトへの移行が顕著となっています。新規参入を検討している事業者様も少なくないでしょう。

このページでは、アパレルECの最新の市場規模やEC化率の推移から、アパレルECにおける課題まで、まとめて解説します。

アパレルECの現在の状況を踏まえて、売れるECサイト構築を目指していきましょう。

目次

アパレルECとは?

アパレルECとは?

アパレルECとは、アパレル系の「電子商取引」で、簡単にいえば、オンライン上で衣類やファッション雑貨等の売買を行うアパレル事業のことです。

EC(電子商取引)は、「electronic commerce」の略称で、Eコマースともいいます。

アパレルECサイトの種類

一口にアパレルECといっても種類はさまざまです。ここではアパレルECの種類と特徴を詳しく紹介します。

ECの種類代表例成長速度
モール型EC楽天
Amazon
Yahoo!ショッピング
ZOZO
ブランド・メーカー直販(D2C)大手企業、ハイブランドの公式ショップ
フリマアプリメルカリ
ラクマ

モール型EC

Amazonや楽天のように、多くのジャンル・商品を扱うのがモール型ECです。中にはZOZOTOWNのように、アパレルに特化したモールもあります。

モール型ECは利用者が非常に多く、成長速度が見込めるのが特徴です。大手モールでは月間1,000万人以上が利用しており、人気のアイテムであれば売上を伸ばすまでにそう時間はかからないでしょう。

しかし、消費者とダイレクトにコミュニケーションが取れなかったり、モール型の規約が厳しくてカスタマイズできなかったりするデメリットがあります。

とはいえ導入ハードルが低く、すぐに売上を見込めるため、アパレルでECに参入するならまずはモール型ECに出品するのがおすすめです。

ブランド・メーカー直販(D2C)

ブランド・メーカー側が商品を直接顧客に販売する方法も主流になりつつあります。最近では自社ECサイトやSNSを通じて、消費者に直接訴求する企業も増えてきました。

D2Cは消費者との距離が近く、コミュニケーションが盛んに行えるのが特徴です。小売店や代理店も通さないので、高い利益率が望めます。

しかし、D2Cは参入までに構築や販売戦略など、ハードルが高い点がネックです。マーケティングに強みがある企業におすすめの販売方法です。

フリマアプリ

消費者間で取引ができるフリマアプリ。アパレル企業が導入するのは正直利点がないかもしれませんが、参考までに紹介します。

フリマアプリの代表格であるメルカリやヤフオクは、2021年は2兆円を超える市場に成長が見込まれています。

販売者はサイト構築や初期設定がほぼ不要でECサイトがはじめられるのがメリットです。ブランディング的に問題なさそうなら、フリマアプリで商品を販売するのもいいでしょう。

アパレルECの市場規模

アパレルECの市場規模はどれくらい?

以下の一覧は、BtoC-EC物販系分野における「衣類・服飾雑貨等」の直近5年間(2017年から2021年まで)の市場規模・EC化率をまとめたものです。

年度市場規模EC化率
2017年16,454億円11.54%
2018年17,728億円12.96%
2019年19,100億円13.87%
2020年22,203億円19.44%
2021年24,279億円21.15%
参照:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」

この「衣類・服飾雑貨等」のジャンルには、以下の製品類等が含まれます。

  • 衣類(インナーウエア・アウターウエア)
  • 服装雑貨(靴、鞄、宝飾品、 アクセサリー)
  • 子供服(ベビー服含む)
  • スポーツ用品

BtoC-EC市場における「衣類・服飾雑貨等」分野の市場規模やEC化率は、2017年~2019年にかけても段階的な伸びを示していましたが、2020年新型コロナウィルス感染拡大による影響で、ECサイトの利用が大きく伸長し、2021年も引き続き市場規模・EC化率ともに前年比で増加しています。

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新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、アパレル系の実店舗での需要が減少し、アパレルECへと移行する動きが活発になったことも背景にあるでしょう。

続いて、BtoC-ECの物販系ジャンル全体を、2017年(直近データーの5年前)と最新の2021年のデータとで比較してみました。

BtoC-EC物販系分野の市場規模は、5年間で以下のようにそれぞれ拡大、全体的に1.5倍前後に成長しています。

BtoC-EC物販系分野2017年市場規模2021年市場規模
衣類・服飾雑貨等16,454億円24,279億円
食品、飲料、酒類15,579億円25,199億円
生活家電、AV機器、PC・周辺機器等15,332億円24,584億円
書籍、映像・音楽ソフト11,136億円17,518億円
化粧品、医薬品5,670億円8,552億円
生活雑貨、家具、インテリア14,817億円22,752億円
自動車、自動二輪車、パーツ等2,192億円3,016億円
参照:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」

BtoC-EC物販系分野の5年前と最新のEC化率を比較すると、以下のとおり推移していました。EC化率においては、「衣類・服飾雑貨等」と「書籍、映像・音楽ソフト」の2つのジャンルの伸びが大きく、「衣類・服飾雑貨等」では2倍近い数値となっています。

BtoC-EC物販系分野2017年EC化率2021年EC化率
衣類・服飾雑貨等11.54%21.15%
食品、飲料、酒類2.41%3.77%
生活家電、AV機器、PC・周辺機器等30.18%38.13%
書籍、映像・音楽ソフト26.35%46.20%
化粧品、医薬品5.27%7.52%
生活雑貨、家具、インテリア20.40%28.25%
自動車、自動二輪車、パーツ等3.02%3.86%
参照:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」

EC化しやすい書籍や生活家電等と比較すると、「衣類・服飾雑貨等」分野はまだEC化がそれほど進んでいませんが、市場規模としては大きな割合を占めています。

実店舗と併せてアパレルECを展開する企業も今後ますます増えていき、販売手段も多様化していくでしょう。

Amazonや楽天市場利用も視野に入れたアパレルECサイト運用でお悩みがあれば、ECサイト運営代行会社にお気軽にご相談ください。多数の代行経験に基づくノウハウで、ECサイトの状況に合わせ徹底的にサポートいたします。

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アパレルECサイト売上ランキング

ここでは実際にアパレルECサイトで高い結果を得ている企業を紹介します。2021年のファッション・アパレル業界のECサイトにおける売上ランキングは下記の通りです。

ランキング企業名売上高(億円)
1位ユニクロ
(ファーストリテイリング)
1,269
2位ベイクルーズ545
3位アダストリア538
4位オンワードホールディングス415
5位TSIホールディングス406
6位WORLD(ワールド)389
7位ユナイテッドアローズ326
8位ビームス300
8位千趣会300
10位マッシュホールディングス288

これらの企業は社会情勢の変化による外出自粛中でも、ECサイトのおかげで高い売上をキープしています。

実店舗だけでは何かと不安が残る…という場合は、この機会にECサイトの導入を検討してみてください。

アパレルECの5つの課題

アパレルECの5つの課題

EC化が進み、世界的なパンデミックにより市場規模も拡大しているアパレルECですが、ライバルが増える中で着実に成果を出していくには、クリアすべき課題もあります。

アパレルECの以下5つの課題について見ていきましょう。

  • サイト運用戦略&スキル
  • 店舗との差異
  • 競合多数
  • 在庫管理
  • 商品検索

サイト運用戦略&スキル

アパレルECで商品を購入してもらうためには、商品1つ1つのアピールが欠かせません。

基本的にアパレル商品を画像や文字情報のみでサイトに掲載し、購入してもらうのがアパレルECです。

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ファッション系の商品はそれぞれのデザインや素材、質感、サイズ、カラーも様々で、ユーザーが求める画像や情報が不足していれば商品は売れにくくなります。

洋服等の商品詳細情報として、手に取るようにわかるような説明文の充実や、目を引く写真等を用意するのは必須。ネットショッピングで衣類等を購入する際の、ユーザー側のデメリットをカバーするためのサービス戦略も必要です。

アパレルECのサイト構築や商品の撮影は手間のかかる部分ですが、売り上げを左右する非常に重要な要素となります。ユーザーの利便性を高めるためにも、サイト運用戦略や、商品を魅力的にアピールするためのスキルも必要です。

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店舗との差異

店舗で衣類等を購入する場合であれば、店頭で直接商品のチェックや比較をして、鏡の前で確認したり、試着をしたり、スタッフに相談したりして商品を選ぶことができます。

一方、アパレルECはインターネット上のショップですから、実物を見ることもできませんし、手触りやサイズ感、カラー等を自分に当てはめてチェックすることができません。

アパレルECで売上を伸ばすためには、この両者の大きな差異を埋めるための施策が求められます。

試着

アパレルECでは、基本的に「試着」の体験ができません。そのため、サイズが合わなかったり、思っていたような素材感やカラーでなかったりといった理由で商品が返品されるケースもあります。

アパレルECでは、返品不可や返品に手数料がかかるケースもあり、事業者にも消費者にも大きなデメリットとなります。この点は、対策を検討する必要があるでしょう。

例えばAmazonがファッションジャンルの商品を提供する「Prime Try Before You Buy」というサービスがあります。

Amazonの「Prime Try Before You Buy」は、商品を取り寄せ7日間の試着が可能、購入するもののみ決済を行い、購入しないものは無料で返送できるサービスです。

インターネットでも試着ができるとなれば買い物の失敗も防ぐことが可能で、ユーザビリティは向上するでしょう。ただし、事業者側は返品対応のコストがかかり、ユーザー側では返品の手間がかかるというリスクもあります。

サイズ選び

アパレル商品は、体型や足のサイズ等によって選択肢が異なるため、商品を提供する側にも、購入する消費者側にも難しさがあります。

アパレルECの代表格「ZOZOTOWN」では、ZOZOSUIT(2022年6月にサービス終了)など、ユーザーがサイズ選びの悩みを解消するためのサービスを提供しています。

現在はZOZOオリジナルブランドにおいて、「マルチサイズ」で商品を提供中。ZOZOTOWNのマルチサイズとは、身長と体重から、自分の体型に合った最適なサイズを見つけるためのサービス機能です。

Web上での買い物で試着ができなくても、細やかなサイズを用意することで、自分にぴったりのファションアイテムを入手できるわけですね。

ZOZOTOWN等、大手アパレルECのような取り組みはできなくても、例えば様々な体型のモデルが着用している画像や着用感等を紹介するなど、店舗での購買体験との差異を埋める方法はほかにもあります。

アパレル系のECサイト運用では、今後もサイズ選び等でのユーザーの不安を払拭していく工夫が求められるでしょう。

競合多数

アパレル系のショップは非常に数が多く、ライバルがひしめき合っています。ショッピングモールも多数あり、様々なブランドのアパレル商品をチェックしながらショッピングを楽しめます。

衣類や服飾雑貨等を扱う分野でのEC化率も増加傾向にあり、リアル店舗でもECサイトでも、競合が非常に多いジャンルなのです。

そうした中で売れるサイトを構築するには、品揃えや豊富なサイズ展開、ECサイトのブランディング、SNS等での情報発信などの施策も必須となります。

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在庫管理

アパレル系の商品は、シーズンごとに新しいアイテムが登場し、トレンドも年ごとに移り変わります。

売れる時期を逃すと大きな損失にもつながるアパレル商品は、在庫管理が非常に重要です。

店舗でもECサイトでも販売する場合は、双方の在庫をうまく管理しなければなりません。ECモールと公式サイト等複数のサイトで販売する場合は、それぞれに在庫を確保しなければならないケースも。

複数の販路を併用する際は、在庫のロスや、サイトや店舗ごとの在庫のばらつきが出ないような適切な管理が求められます。

例えば大手ECモールのフルフィルメントサービス等の利用で、在庫を一元管理する方法もあるでしょう。

フルフィルメントサービスとは、商品の保管や梱包、出荷配送だけでなく、決済や顧客対応までも一括で代行してくれるサービスで、以下のようなサービスがあります。

  • AmazonのFBA(Fulfillment by Amazon)
  • 楽天市場のRSL(楽天スーパーロジスティクス)
  • ZOZOTOWNのFulfillment by ZOZO
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商品検索

アパレル商品といっても、その商品は多種多様。

検索で商品を見つけてもらうための対策強化も必須です。

どんな商品でもそうですが、ECサイトでは、ターゲットとなるユーザーにページを見てもらわないことには売れるものも売れません。

買い物をする目的でECサイトを開いてくれたユーザーも、検索でお目当ての商品が見つからなければ離脱してしまいます。

目に留まれば売れたかもしれない商品が、検索システムの精度によって検索結果に表示されなかったのだとすれば、大きな機会損失になるでしょう。

特にアパレル系の商品は、各種ファッションアイテムによって呼び名が複数あったり、カラー、サイズ等のバリエーションがあったりします。

ユーザーの検索ニーズにどこまで対応できるか、ECサイトの売上にも大きく影響するところです。自社サイト等では、検索システムの導入も検討すべきでしょう。

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アパレルECのメリットを生かした集客を

アパレルECのメリットを生かした集客を

アパレルECなら、消費者はわざわざショップに行かなくても、気軽に簡単に洋服や靴、バッグ等を探すことができます。

企業も、ECサイト導入であれば店舗開業費用や運用費用、人件費もかからず、低コストで出店可能です。

アパレルECでは、ユーザーは店舗のような購買体験ができないものの、最近ではデザインや質感、サイズ感等もイメージしやすいECサイトも増えており、これまで洋服をネットで買うことに抵抗をもっていた層からの支持も拡大しています。

アパレル系の実店舗での接客が苦手な層も存在し、まだまだアパレルECの市場規模には、拡大の余地があるといえるでしょう。

ただし、アパレルECは競合が多いため、新規ユーザーやリピーターを獲得していくには、サイトの利便性を高め、ブランディングで独自性を強みにしていくなど、ユーザーからの注目度を集めるための施策も欠かせません。

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ECサイトは作成して終わりではなく、発生する問題を解消しながら、各種データに基づき、日々改善して集客増や売上アップを目指していくことが重要です。

コストをかけて構築するアパレルECで成功するためにも、ファンを多く集められるサイト制作を心がけたいですね。

ECサイト運営で効率よく成果を出すためには、ECサイト運営代行会社を活用する方法もあります。

豊富な経験や知識に基づくノウハウをもつ、ECサイト運営代行のプロによる分析・サポートで、アパレルECサイトの成果向上を目指しましょう。

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