楽天市場において商品ページを訪れた人数のうち、購入に至った人数がどれくらいかを示す「楽天転換率」。
楽天市場で売上を伸ばすためには、楽天転換率の向上が重要です。
しかし、「いつまで経っても楽天転換率が低い」「アクセス数はあるのに購入してもらえない」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、楽天転換率が低い原因や、楽天転換率を上げる方法について解説します。
ぜひ楽天転換率を向上させて、売上アップを目指す際の参考にしてみてください。
楽天転換率とは?
楽天転換率とは、商品ページを訪れた人数のうち、購入に至った人数がどれくらいかを示す割合を指します。
転換率という言葉は、楽天独自で使用されている言葉です。楽天市場以外のネットショップでは、コンバージョン率や成約率と呼ばれています。
楽天転換率の値は、売上に大きな影響を及ぼすため、楽天市場に商品を出品する事業者にとって重要な指標です。
ここからは、楽天転換率について理解を深められるように、下記の2つについて解説します。
- 楽天転換率の平均・目安
- 楽天転換率を出す計算式
上記2つについて、詳しく見ていきましょう。
楽天転換率の平均・目安
楽天転換率の平均は、1%〜5%程度です。ただし、取り扱う商品のジャンルや販売価格によって異なりますので、あくまで参考値として捉えてください。
数あるネットショップの中でもリピーター数が多い楽天市場は、転換率が20%を上回ることも珍しくありません。
また、一般的に楽天転換率と販売価格は反比例すると言われています。そのため、単価が高い商品については、楽天転換率が多少低くても問題ありません。
店舗の管理画面である楽天RMSでは、商品ジャンルごとの転換率を確認できます。
まずは、出品する商品ジャンルの平均値を知ることで、自社が目指す楽天転換率の参考にしてみてください。
楽天転換率を出す計算式
楽天転換率は、以下の計算式で算出できます。
「楽天転換率(%)=購入件数÷アクセス人数×100」
例として、商品ページを訪れたアクセス人数が月間10,000人に対して、購入件数が200件だった場合の楽天転換率を考えてみましょう。
上記の計算式に当てはめると、200÷10,000×100となり、この式の計算結果である2.0%が転換率となります。
楽天転換率が低い4つの原因
もしも楽天転換率が目標の値よりも低い場合、まずは原因を突き止めることが大切です。
楽天転換率が低い原因は、主に以下の4つの要因が考えられます。
- 商品情報が不足している
- 競合より劣っている部分がある
- 購入までの導線が綺麗でない
- トレンド・季節の影響を受けている
楽天転換率が低い4つの原因について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①商品情報が不足している
商品に関する情報が不足している場合は、転換率が低くなる可能性があります。
ユーザーが商品の購入に至るには、ユーザーのニーズを満たした、包括的な商品情報が必要不可欠です。
楽天市場をはじめとしたネットショップを利用するユーザーは、「安心して商品を購入したい」という気持ちが強く働きます。
しかし、ネットショップでは購入前の商品を、ユーザーが手に取って直接確認することはできません。
そのため、商品画像や商品説明文などを可能な限り充実させることで、商品に関する情報を鮮明に伝える必要があります。
商品の機能やスペックを並べるだけでなく、ユーザー目線になって、魅力的な商品情報になっているか確認しましょう。
②競合より劣っている部分がある
自社サイトが競合サイトより劣っている部分がある場合は、転換率が低くなってしまいます。
商品の購入を検討しているユーザーが、最初に見た商品ページでそのまま購入に至るケースはあまり多くありません。
多くのユーザーは、さまざまなWebサイトを横断して、商品を比較していきます。商品を比較したうえで、より性能が高い製品や、同じ商品でも安く販売しているサイトがあれば、ユーザーが自社の商品を選ぶ可能性は低くなるでしょう。
自社サイトで商品を購入してもらうためには、ユーザーに選んでもらえる理由を作る必要があります。
競合サイトを分析して、自社サイトの優位な点や差別化を図れる点を中心に改善していくことが重要です。
③購入までの導線が綺麗でない
購入までの導線が綺麗でなければ、楽天転換率が低くなる可能性があります。
導線とは、商品ページに訪れたユーザーを、商品購入へ導くための経路です。導線が綺麗なサイトほど、ユーザーをスムーズに商品購入へ導けるため、楽天転換率が高くなります。
ユーザーにとって、目的のページを見つけられないことは大きなストレスです。購入ボタンや問い合わせページがどこにあるかわかりづらいサイトは、ユーザーの離脱につながり、楽天転換率は低くなってしまいます。
ユーザーにストレスを与えないように、ユーザーファーストを意識した綺麗な導線設計を心がけましょう。
④トレンド・季節の影響を受けている
トレンドや季節の変化は、楽天転換率に大きな影響を与えます。ここではわかりやすい例として、季節の変化による転換率の変動を考えてみましょう。
こたつやストーブといった暖房機器は、寒くなる秋から冬にかけて需要が増える商品ジャンルです。
需要の増加に伴い、暖房機器を取り扱うページの転換率も、秋から冬にかけて高くなる傾向にあります。
しかし、暖かい季節になれば暖房機器の需要は減少し、転換率も低くなります。
季節の変化による転換率の変動は簡単に予測できるため、その季節に合わせた商品ページを準備しておくことが可能です。
現状の楽天転換率が適正かどうかは、トレンドや季節といった環境要因も考慮したうえで判断しましょう。
楽天の転換率を上げる5つの施策・方法
楽天の転換率を上げる施策や方法を6つ紹介します。
- 商品情報を分かりやすく伝える
- 購入者に特典を付ける
- スマホ表示を最適化する
- 決済方法を増やす
- 配送のスピードを早める
- 楽天SEOアップを図る
上記の施策・方法について、詳しく見ていきましょう。
①商品情報を分かりやすく伝える
商品ページの画像や説明文を充実させて、商品情報を分かりやすく伝えましょう。
楽天市場のようなネットショップでは、購入前の商品をユーザーが手に取って直接確認することはできません。
そのため、ユーザーに安心して購入してもらうためには、より鮮明に商品をイメージしてもらえるような情報を伝える必要があります。
また、ネットショップで商品情報を伝える際は、商品の機能やスペックの説明だけでは不十分です。
例えば、家具やインテリアを取り扱う場合は、商品自体の写真に加えて、部屋に設置したときのイメージが伝わるような写真があると良いでしょう。
自分の部屋に設置したらどんな雰囲気になるのかをイメージしやすくなるため、購入前の不安を解消することが期待できます。
ユーザーのニーズや悩みに寄り添い、ユーザーが求めている情報を伝えられれば、スムーズに購入まで導くことが可能です。
②購入者に特典を付ける
購入者に特典を付けることは、楽天転換率を上げるために有効な方法です。
コストがかかるというデメリットはありますが、特典に魅力があるほど、楽天転換率は高くなります。
購入者がお得に感じる特典やキャンペーンの例として、以下のようなものがあげられます。
- 割引クーポンを発行する
- タイムセールを実施する
- 複数の商品購入で1つ無料にする
- 一定の商品購入ごとにプレゼントを付ける
また、発行したクーポンに使用期限を設けると「割引がある期間内に使わないともったいない」という気持ちを掻き立てられる可能性があるため、より効果的です。
③スマホ表示を最適化する
楽天転換率の向上には、スマホ表示の最適化が必要不可欠です。
スマホ表示の最適化とは、パソコン用にデザインされたWebサイトをスマホで表示しても、違和感なく閲覧できる状態を指します。
Googleは、スマホ利用者数の増加に伴い、2018年よりモバイルファーストインデックス(MFI)の採用を始めると発表しました。
モバイルファーストインデックスとは、GoogleがWebサイトを評価する検索エンジンの仕組みです。モバイル端末で表示されたサイトの使いやすさを重要視することをモバイルファーストといいます。
Googleはこれまでパソコンで表示されるサイトを評価していました。
しかし、モバイルファーストインデックスを採用したことにより、モバイル端末で表示されるサイトを評価する形式に移行しています。
これにより、モバイルファーストが考えられたサイトほどGoogleに評価されやすく、楽天転換率の向上が期待できるようになりました。
④決済方法を増やす
幅広いユーザーのニーズに対応するためにも、複数の決済方法を用意しておきましょう。
ネットショップで買い物をする際、ユーザーが希望する決済方法を利用できなければ、購入に至ることは少ないでしょう。
楽天市場をはじめとしたネットショップで利用される決済方法にはさまざまな種類があります。ネットショップでよく使われる決済方法は以下の通りです。
- クレジットカード決済
- 銀行振込
- 後払い決済
- 代金引換
- コンビニ決済
- キャリア決済
- 電子マネー
決済方法を複数の選択肢から選べるネットショップは、ユーザーの利便性が高いと言えます。
もし導入する決済方法に迷う場合は、ネットショップで取り扱う商品のターゲットとなる年齢や性別を考慮しましょう。
例えば、10代や20代の若年層は、クレジットカード保有率が低い傾向にあるため、コンビニ決済などが好まれます。
販売機会を逃さないためにも、決済方法を増やすことで、幅広いユーザーのニーズに対応しましょう。
⑤配送のスピードを早める
配送のスピードを早めることで、楽天転換率の向上が期待できます。
注文した商品がすぐ届くことは、競合との差別化を図るためのアピールポイントとして有効です。ネットショップを利用するユーザーの中には、商品の到着を急いでいる方もいます。
希望する日時までに商品の到着が間に合わない場合は、購入を諦めてしまうケースもあるでしょう。
配送のスピードを早めることは、楽天転換率の向上が期待できるだけでなく、顧客満足度の向上にもつながります。
⑥楽天SEOアップを図る
楽天の転換率を上げるために、楽天SEO対策を行いましょう。
楽天SEO対策とは、ユーザーが楽天市場内で商品を検索した際に、自社サイトの商品を上位表示させるための施策を指します。
楽天市場に商品を出品する場合は、自社の商品を上位表示させるためのSEO対策が重要です。楽天市場内の検索からアクセスするユーザーは、すでに購入したい商品が決まっているケースが多く、購入意欲が高い傾向があります。
このような購入意欲が高いユーザーの検索結果に上位表示されれば、購入につながる可能性が非常に高くなるでしょう。
楽天転換率にまつわるよくある質問
楽天転換率にまつわるよくある質問を3つ紹介します。
- ネットショップの転換率は平均してどのくらい?
- 楽天の転換率を確認する方法は?
- 食品の転換率の平均はどのくらい?
上記3つの質問に、順番に回答していきます。
ネットショップの転換率は平均してどのくらい?
ネットショップ全体の転換率は平均2%程です。しかし、転換率の平均は、取り扱う商品のジャンルや業界によって差が生じます。
一般的には、高単価な商品が多いジャンルほど、平均転換率は低い傾向にあります。
転換率改善のために分析を行う際は、自社で販売している商品やサービスの業界平均を把握しておくとよいでしょう。
平均値との差を見て一喜一憂するのではなく、冷静にネットショップの状況を分析し、転換率の改善を継続して行うことが重要です。
楽天の転換率を確認する方法は?
楽天の転換率は、楽天RMSで確認しましょう。楽天RMSとは、楽天における店舗運営システムのことです。
店舗の管理画面である楽天RMSでは、商品ジャンルごとの転換率を確認できます。
ユーザーの属性や商品分析といった、細かいデータも確認できますので、転換率向上のために効果的に活用していきましょう。
食品の転換率の平均はどのくらい?
食品ジャンルの平均転換率は1%前後だと言われています。ネットショップ全体の転換率は平均2%程度なので、食品ジャンルの転換率は全体と比べてやや低い値です。
食品や飲料については、複数のネットショップで同じ商品が売られていることも多いため、
ユーザーはより安い商品を探してWebサイトを横断していきます。
決済方法や配送方法といった、使い勝手の良さも重視されるため、食品ジャンルは転換率が比較的低くなるジャンルです。
また、食品ジャンルのネットショップには、生鮮食品の鮮度をユーザーが直接確認できないことや、実店舗の利便性を超えるのが難しいという課題があります。
一見デメリットが多く見える食品ジャンルですが、このような課題を克服することで、大きな発展が期待できるジャンルの一つです。
まとめ:楽天の転換率を上げてKPIを達成しよう!
ここまで、楽天転換率が低い原因や、楽天転換率を上げる方法について解説しました。
楽天転換率とは、商品ページを訪れた人数のうち、購入に至った人数がどれくらいかを示す割合を指します。
ネットショップの運営において、転換率の向上は重要なKPI項目です。転換率を改善できれば、売上が大きく伸びる可能性もあります。
売上アップへつなげるためにも、適切なデータ分析に基づいた改善を継続して行い、楽天転換率の向上を目指しましょう。