AmazonFBAでは期限ありの食品も出品可能ですが、該当商品の出品においては「要期限管理商品」として、通常の商品とは異なるルールが設定されおり、商品ごとに詳細の確認が欠かせません。
要期限管理商品の見分け方として覚えておきたいのは、食品・飲料ジャンルの商品はすべて対象となること。つまり、FBAで食品を出品する際は、必ず「要期限管理商品」のルールを遵守しなければなりません。
このページでは、Amazonの要期限管理商品に分類される商品の見分け方から納品ルールまで、まとめて解説します。
賞味期限や消費期限のある商品の出品ルールをマスターして、ECサイト運用の幅を広げていきましょう。
Amazonの要期限管理商品とは?見分け方は?
Amazonの「要期限管理商品」について、基本的なところから解説します。
Amazonの要期限管理商品とは?
要期限管理商品とは、食品全般と、消費期限が印字されている食品以外の一部商品のこと。
これら期限のある商品についてAmazonは、通常の商品とは異なる管理体制や方法で運用しており、出品者にも出品や納品でのルール遵守や事前申請等の対応を求めています。
Amazonの要期限管理商品の見分け方
Amazonで要期限管理商品とされるのは、
- 食品&飲料
- ドラッグストア
- ビューティ
- ベビー&マタニティ
- おもちゃ(食玩)
- その他
これらのカテゴリーに該当する商品です。
要期限管理商品の見分け方としては、食品&飲料ジャンルはすべて要期限だと覚えておきましょう。賞味期限や消費期限が記載されている食品はもちろん、塩やガム等、期限が記載されていない商品も例外なく要期限管理商品の対象です。
上記の食品&飲料以外のカテゴリー商品では、期限が記載されているものが要期限管理商品に該当します。
これらに該当する商品をFBAで扱う場合は、要期限管理商品としてのルールを守って納品しなければなりません。
まずは要期限管理商品として、FBA納品できるもの・できないものから見ていきましょう。
FBA要期限管理商品として納品できるもの
Amazonの要期限管理商品として取扱いが許可されているのは、フルフィルメントセンター(FC)への到着時に期限が60日以上残っているもので、保存における温度指定のない商品です。
具体的な温度の記載がなく、
- 冷暗所で保存
- 高温多湿を避けて保存
- 直射日光を避けて保存
などの記載の商品であれば、要期限管理商品として納品可能です。
消費期限が短い商品に関しては、事前に申請することで通常ルールの60日以上ではなく30日以上で対応してもらえるルールもあります。
FBA要期限管理商品として納品できないもの
Amazonの要期限管理商品として取扱いできない商品は、以下に該当する商品です。
- 要冷蔵品
- 要冷凍品
- 保存条件として具体的な温度の指定がある商品
- FC到着時に期限切れまで60日未満の商品
- 期限の記載が不鮮明、不明瞭な商品
- 法令に添った期限表示のない商品
要期限管理商品で不明な点がある場合は、必ず事前にテクニカルサポートに確認したうえで納品しましょう。
ルールに添わない状態で発送しても、FCで納品不備と判断されれば出品者負担で返送されてしまいます。期限のある商品だけに、納品不備のリスクは避けたいですね。
FBA要期限管理商品の納品ルール
FBAで要期限管理商品を納品する際も、以下のように細かくルールが設定されています。
- 要期限管理商品とその他の商品は分けて納品
- 同一ASINの商品は納品ごとにすべて同じ期限のものを納品
- 同一ASIN商品で期限が異なる場合は納品プランを分けて納品
- 期限の印字は明瞭に8ポイント以上のフォントサイズで年月日の順で表示
- 納品時は外箱に要期限管理商品のシートを貼る
ASINとは、Amazon独自に設定されている商品識別コードのことです。
要期限管理商品の納品時に貼るシートや、その他詳細については、Amazonの要期限管理商品FBA実践マニュアルを確認してください。ルールは変更されることもあるので、こまめにチェックしておきましょう。
要期限管理商品を出品・納品する際の注意ポイント
要期限管理商品をFBA納品する際は、ルール遵守はもちろんですが、ほかにも以下のとおり注意すべきポイントがあります。
- 1度の納品不備で取扱停止
- 期限の残り45日以下で自動廃棄
- 外から見える場所に期限の印字が必須
- セット商品・商品を包装する際のルールが細かい
- 要期限管理商品を納品する梱包ルールが細かい
- 要期限管理商品の輸送箱にはラベル貼り付けが必須
それぞれ詳しく解説します。
1度の納品不備で取扱停止
Amazonで要期限管理商品を出品する際は、ここまで解説してきたように様々なルールがありますが、そのルールに1度でも違反すれば、FBAでの要期限管理商品の出品が不可となります。
要期限管理商品をメインとして扱っている場合は、FBAの利用を断念せざるを得ない状況となるわけです。
要期限管理商品の納品不備は、取扱停止のリスクとなるだけでなく、返品時の送料負担で無駄なコストが発生したり、限られた商品の期限を消耗してしまったり、デメリットにしかなりません。
要期限管理商品の納品時に不明な点があれば、うやむやにせずテクニカルサポートに事前確認を行い、安全確実に納品しましょう。
期限の残り45日以下で自動廃棄
要期限管理商品は、FC受領時点で期限が60日以上残っていることが条件となっていますが、この残り期限が45日以下になるとAmazonで販売不可となります。
要期限管理商品は「販売不可在庫の自動返送」の対象外であり、商品は自動的に廃棄される仕組みなのです。
この廃棄処分については、Amazonからの通知はありません。
期限の管理については、セラーセントラルから以下の手順で確認可能です。
セラーセントラル画面の左上にあるバーガーメニューをクリック。
期限の管理については、セラーセントラルの①[レポート]→②[フルフィルメント]メニューをクリック。
Amazonフルフィルメントレポートのページで、以下の「表示を拡大」をクリックします。
以下[賞味/消費期限在庫レポート]メニューをクリックすると、該当ページが表示されます。
要期限管理商品の期限まで残り45日以下となり、商品が自動廃棄となった場合、廃棄手数料は出品者負担として請求されます。
廃棄処分で発生する手数料については、以下の記事で解説しています。
外から見える場所に期限の印字が必須
先述のとおり、要期限管理商品のFBA納品時には、賞味期限もしくは消費期限の表示にもルールがあります。
以下は、出品者自身で商品を包装する場合の期限の印字ルールです。
■色: 背景の色と対照的な色とし、容易に判読しやすいもの
引用:要期限管理商品 FBA実践マニュアル
■フォントサイズ: 日本工業規格Z8305(1962)に規定する8ポイントの活字以上
■油性スタンプやラベルシール印刷などを利用
■簡単に消えない・かすれないインクが使用されている
■表記形式は法令に沿ったもの
上記ルールの5番目にある法令に沿った表示とは、以下のとおりです。
【食品の法令に沿った表示】
- 日本語で表示
- 「年→月→日」または「年→月」の順で表記
- 消費期限または賞味期限かの記載
- 消費者や使用者が読みやすく理解しやすい印字
「賞味期限 5.4.1」「賞味期限 2023年4月1日」「賞味期限 23.04」「賞味期限 050401」「賞味期限 20230401」「賞味期限 2204」
期限の表示が年月のみの場合は、その月の末日を期限と設定されます。
【医薬部外品・化粧品の法令に沿った表示】
- 明瞭な日本語で表示
- 消費者や使用者が読みやすく理解しやすい用語での記載
「使用期限 5.4.1」「使用期限 2023年4月1日」「使用期限 23.04」「使用期限 050401」「使用期限 20230401」「使用期限 2204」
これら基本のルールに加えて、以下のルールもあります。
- セット商品・商品を包装する際のルール
- 要期限管理商品納品の梱包ルール
- 要期限管理商品の輸送箱についてのルール
それぞれ解説します。
セット商品・商品を包装する際のルールが細かい
要期限管理商品で、出品者が独自にセット商品を作成、包装を行う場合は以下のルールがあります。
- セット商品の外から見えるところに明瞭に一括表示
- 一括表示で期限を記入しない場合は「この面の上部に記載」など表示場所を明記し、記載位置に正しく期限を印字
- ギフト商品として包装紙で梱包する場合は、その上からさらに保護用の包装を行い、その上に期限の印字ラベルやFBAラベルを貼付
外から期限が確認できない納品、外側から複数の異なる期限が確認できるような状態での納品は、納品不備となります。
要期限管理商品を納品する梱包ルールが細かい
要期限管理商品をFBA納品する際は、以下のルールがあります。
- 要期限管理商品はその他の商品と分けて納品
- 要期限管理商品は複数の異なる商品の同梱可能
- 同じASINコードの商品は納品ごとに同一期限のものを納品
- 同じASINコードで期限が異なるものは納品プランを分けて納品
同じASINコードで賞味期限や消費期限が異なるものがある場合は、特に注意しましょう。
要期限管理商品の輸送箱にはラベル貼り付けが必須
要期限管理商品を納品する輸送箱には、通常の配送ラベルのほかに、以下の「要期限管理商品」のシートをA5サイズ以上で印刷して貼る必要があります。
このラベルに表示されている最終チェックリストへのチェック記載も必要です。
Amazonでよくある納品不備の事例として、以下の事例が紹介されています。
- 期限の表示が不明瞭
- ルール外の表示
- ほかのラベルシールで隠れている
- 手書きによる記載
賞味期限や消費期限が誰でも明確にわかるように、ルールに添って印字しましょう。
期限表示のない食品の取扱いについて
食品でも期限の表示がないものについては、FBAの要期限管理商品としての扱いも異なります。
期間表示のない食品の事前申請
期限の記載がない食品(塩やガム等)を出品する場合は、必ずAmazonへの事前申請を行い、販売許可をもらう必要があります。許可を受ける前に納品しても、フルフィルメントセンターで受領してもらえませんのでご注意を。
事前申請が必要となるのは、以下の商品です。
- 塩、砂糖、ガム、うまみ調味料
- 食玩
- 魚・昆虫・小動物用のドライフード
- 玄米、輸入米
- 精米されたお米
これらに該当しない食品は期限の印字が必須と法令で定められていますので、当該申請の対象外となります。
期限表示のない食品の販売期間
消費期限の記載がない食品についてはAmazonで販売期間が決められており、その期間を過ぎると自動廃棄処分となります。具体的な販売期間は以下のとおりです。
期限表示のない食品類 | 販売期間 |
---|---|
塩、砂糖、ガム、うまみ調味量 | 320日 |
食玩 | 320日 |
魚・昆虫・小動物用のドライフード | 320日 |
玄米・輸入米 | 135日 |
精米されたお米 | 22日 |
この表に該当する商品でも、商品に期限の記載がある場合は、上記一覧の期間ではなく、その商品に表示されている日付に従って管理されます。
この表示になく、期限表示のない食品については、テクニカルサポートへの問い合わせが必要です。
夏季制限品
FBAでは、チョコレートなどの溶けやすい商品に対して、納品可能時期を制限しています。
溶けやすい商品とは、空調や冷蔵、冷凍保管が必要となる以下のような商品です。
- チョコレート
- グミ
- ゼリー
- ワックスベースの商品
こちらは一例であり、これらに該当しない商品でも夏季制限品の対象となることがあります。
これらの商品を1年を通して出品することはできず、華氏75~155度という夏季の品質基準をクリアしていなければなりません。
具体的には、FBAでは10月16日から翌年4月14日までの期間限定で、チョコレートなどの溶けやすい商品の納品を受け付けています。
この期間以外(4月15日から10月15日)にAmazonフルフィルメントセンターに夏季制限商品の在庫が保管されている場合や納品された場合、該当商品は販売不可となり手数料出品者負担で廃棄されることとなります。
セラーセントラルには以下の表示がありますので、こちらも参考にしてください。
注: 出品者の商品が溶けやすい商品カテゴリーから除外されると思われる場合は、製造元からの書状をAmazonテクニカルサポートに提出してください。書状はメーカーのレターヘッドに記載され、以下の情報が記載されている必要があります。
引用:Amazon Seller Central
・特定の商品、および/またはASIN
・ASINが華氏155度の温度で長期間保管できることを明示的に確認する文言
・確認のための連絡先
お酒の要期限管理商品
お酒をFBA出品する場合でも、当然ながら要期限管理商品としてのルールがあります。
通常の要期限管理商品のルールに加え、お酒独自のルールがありますので、詳しく確認していきましょう。
FBAで販売できるお酒の条件
FBAで販売できるお酒は、以下の条件すべてを満たしている酒類です。
- 常温保存可能
- アルコール度数67%以下
- アルコール度数24%以上の場合は1点あたり5リットル以下
- 横置き指定などの取扱条件がない
- アルコール度数の印字が目視確認できる
お酒の賞味期限表示ルール
製造年月日が記載されており、製造日から1年などと賞味期限が表示されている場合は、該当する日付を賞味期限として登録します。
日本酒の場合、詰口年月日や製造年月日の表示がある場合は、その日付から3ヶ月以内であれば、納品可能です。
期限表示のないお酒の事前申請
期限表示のないお酒については事前の申請が必須で、許可がおりれば納品可能となります。
期限の印字がない日本酒については、
- 在庫期間280日
- 販売期間235日
と設定があり、この期間を過ぎた場合は返送不可で自動廃棄されます。
賞味期限管理の対象外となる酒類もある
以下のお酒については、賞味期限管理の対象外です。
- 赤ワイン
- 白ワイン
- ロゼワイン
- スパークリングワイン
- シャンパン
- 焼酎
- ウィスキー
- ブランデー
- スピリッツ
- 梅酒
- 果実酒
FBAでお酒を出品するためには、事前の手続きが必要となります。その手続内容もチェックしておきましょう。
FBAでお酒を扱うための手続き
FBAでお酒の扱いを希望する場合は、事前に以下の手続きをしておく必要があります。
- Amazonテクニカルサポートへの連絡
- 利用開始前に税務署での「酒類蔵置所設置」の手続き
これらの手続きを完了させ、出品許可を得ていなければ、FBAで酒類を販売することはできません。
→ Amazon seller central「酒類出品者の要件」
Amazonの要期限管理商品は取扱い注意!
AmazonFBAでは、食品や期限付きの商品等は要期限管理商品として扱われ、一般的な商品とは納品ルールも異なります。納品条件や販売可能な期限など詳細が決められており、そのルールに1度でも違反すると、FBAでの要期限管理商品の出品ができなくなります。
要期限管理商品をFBAで出品する場合は、これらのルールをチェックして、納品ミスのないように心がけましょう。