ライバルが右肩上がりで増えているEC業界で、苦戦されているECサイトオーナーも少なくないでしょう。ECサイト運営における問題を解消する1つの方法として、ECコンサルタントの導入があります。
ECサイトの運営ノウハウを知り尽くしたプロに相談することで、自社では考えつかなかった新たな改善策が見つかる可能性もあるでしょう。
このページでは、ECコンサルタントに関する基本的な情報から、上手な選び方まで解説します。
自社のニーズや予算に合ったECコンサルタントに依頼して、EC事業の拡大を目指しましょう。
ECコンサルタントとは?基本情報や料金相場を紹介
ECコンサルタントとは、ECサイト(ネットショップ)のサポートを行うプロフェッショナルのことです。
ECサイトの
- 立案
- 運用
- 企画
- 問題点の分析
- 改善プランの提案
- 集客方法提案
- 広告運用提案
- アクセス分析
- 流入キーワード分析
などが主な仕事内容です。
この章ではECコンサルタントの基本情報について紹介します。
- ECコンサルタントの必要性
- ECコンサルタントの4つのタイプ
- ECコンサルタントの料金相場
まずは業界理解を深めて、自社にECコンサルタントは本当に必要なのかを考えましょう。
ECコンサルタントの必要性
EC事業に参入する企業は年々増加傾向にあり、各企業も戦略を強化しています。そうした中で勝ち抜いていくには、他社に引けを取らない戦略や改善施策が欠かせません。
そこで必要となってくるのが、ECコンサルタントです。
ECコンサルタントにも様々なタイプがありますが、いずれのタイプもECサイトの運営にかかる専門的な知見やノウハウを生かしたサポートを行います。
自社でECサイト運営のノウハウがあれば良いのですが、社内にノウハウがない場合はスタッフの育成が必要だったり、人材確保が必要だったりと、コストも時間もかかるでしょう。
費用はかかりますが、人材を雇用して育成していくことと比較すれば、高い費用対効果が期待できます。
ECコンサルタントの4つのタイプ
一口にECコンサルタントといっても多種多様で、大まかに以下の4つのタイプがあります。
- オールラウンド型
- 大型ECモール特化型
- 越境ECサイト特化型
- 自社ECサイト特化型
それぞれ詳しく見ていきましょう。
オールラウンド型
オールラウンド型のECコンサルタントは、ECサイトの立ち上げから集客、売上向上まで、総合的に幅広い内容で支援を受けられます。
ECサイト運営が未経験でも、ECコンサルタントのサポートがあれば比較的スムーズにECサイトを構築できるでしょう。
しかしオールラウンド型のECコンサルタントは、他のコンサルタントに比べて料金が高くなる傾向にあります。
大きな予算を動かせる場合はおすすめですが、そうでない場合は次章で解説する「特化型」のECコンサルタントを選ぶのが無難でしょう。
大型ECモール特化型
「Amazon」や「楽天市場」等、大型ECモールでのサイト運営をサポートするのが、大型ECモール特化型のECコンサルタントです。
大型ECモールでは、それぞれのルールや売るためのノウハウ、利用する管理システムやツールも異なるもの。ECモールごとの特徴を理解した戦略施策が欠かせません。
Amazonや楽天市場に特化したECコンサルタントは、モールごとの販促活動や広告戦略などのノウハウをもっており、店舗や商品に合わせた的確なサポートが受けられます。
ECサイト運営におけるコンサルティングのほか、代行業務をご希望の際は、ECサイト運営の豊富な実績をもつ弊社のコンサル&代行サービスもご検討ください。大手ECモールに特化したプロのノウハウで、最適なプランをご提案いたします。
越境ECサイト特化型
越境ECサイト特化型のECコンサルタントは、日本から海外向けに出品するECサイトをサポートします。
越境ECでは海外で多数の顧客に販路を広げられるメリットがあるものの、言語や法律、税金の問題など複雑な課題があり、ハードルが高いことが難点です。
越境ECサイト運営の知識が豊富なECコンサルタントにサポートしてもらうことで、難易度の高い越境ECも実現可能となるでしょう。
自社ECサイト特化型
ECモールを利用せずに自社オリジナルのECサイトを制作する場合、手数料や手間を削減できることに加え、アカウントが停止になるリスクもないメリットがあります。
その反面、Web集客が難しいという大きなデメリットがあるのも事実。自社ECサイトを作成しても、集客ができなければ商品は売れません。
自社ECサイト特化型のECコンサルタントは、下記のようにトータルでサポートしてくれます。
- サイトの立ち上げ
- 検索エンジンのSEO対策
- SNSの活用
- それぞれの集客・運用・分析・改善
ECサイトのビジネスモデルについては、以下の記事をご参照ください。
ECコンサルタントの料金相場・費用
ECコンサルタントのサポート範囲は多岐にわたり、サポート範囲もケースバイケースであり、一概に料金を出すことはできません。幅が大きくなりますが、ECコンサルタントの料金相場は、顧問契約で月額5万円から30万円ほどです。
代行型のECコンサルタントの場合、月額固定による契約であれば月額10万円から50万円ほど、成果報酬による契約であれば、月間売上の数%から20%程度が相場となるでしょう。
ECコンサルタントによって、報酬体系も以下のように種類があります。
- 基本料金のみ
- 基本料金と成果報酬の複合型
- 完全成果報酬型
利用するサービスや依頼範囲のほか、ECサイトの規模により費用は大きく変わってきますので、ニーズや予算を踏まえて相談・検討することが重要です。
ECコンサルタントに依頼できること・業務内容
ECコンサルタントに依頼できる業務内容は、下記のように多岐に渡ります。
- ECサイト立ち上げ支援
- ターゲット選定
- データ分析
- 問題点の調査・分析
- 集客・マーケティング戦略
- プロジェクトマネジメント
- 競合調査・市場調査
- 他サイトとの差別化
- ECサイトの改善・リニューアル
このようにECコンサルタントは、ECサイト運営における様々な場面でアドバイスやサポートをしてくれます。もちろん業者によっては、上記のいずれかだけを依頼するのも可能です。
例えば自社ECサイトのデータ分析や集客・マーケティング戦略に困っている場合は、その旨を伝えて必要なプランを組んでもらうのも良いでしょう。
この章ではECコンサルタントに依頼すべき主な業務内容を紹介します。「自社には何のサポートが必要か?」をしっかり見極めましょう。
ECサイトの立ち上げ・計画
ECコンサルタントは企業のビジネス目標やターゲット市場・商品カテゴリーを理解し、成功するEC戦略を策定する手助けをします。
立ち上げの段階で目標が明確に決まっていると、スムーズに業務を進められます。業務に不慣れなEC担当者が計画を立てると、売上や発注の見込みが実際の数字とは大きく乖離することもあるでしょう。
その点ECコンサルタントは過去の経験からより最適な計画を立てられるため、業務上のミスやトラブルが起こりにくいのもメリットでしょう。
プラットフォーム選定・構築
適切なECプラットフォームの選定は、ECビジネスの成功に不可欠です。コンサルタントは企業のニーズに適したプラットフォームを選定してくれます。
企業や市場規模の他にも、主な集客をWebから行うのか?SNSやメルマガから行うのか?などで選ぶべきプラットフォームは変わるでしょう。
プラットフォームによっては「リピーター」に向けた特別なアプローチを行えるものもありますが、そのような昨日がないプラットフォームを使用すると売上に大きな違いが生まれます。
プラットフォームの選定・構築に悩んでいる事業者は、ECコンサルタントからアドバイスを受けるのがおすすめです。
集客・マーケティング戦略
ECサイトの売上アップには、集客・マーケティング戦略が欠かせません。商品自体の知名度が乏しいうちは、なおさら最適な戦略が必要です。
ECコンサルタントは主に下記のような集客・マーケティング戦略を提案してくれます。
- SEO対策
- Web広告
- SNS広告
- メルマガ
- キャンペーン
扱う商品やターゲット層によって、選ぶべき戦略は変わります。集客・マーケティング戦略をECコンサルタントに依頼する場合は、事前に狙いたいターゲット層をイメージしておくと良いでしょう。
データ分析と最適化
ECコンサルタントはサイトのパフォーマンスデータやユーザー行動を分析し、ボトルネックや改善点を特定します。データ分析で現状の課題が見えるからこそ、次の施策に取り組めます。
具体的にはユーザビリティの向上やコンバージョンの最適化、顧客エンゲージメントの強化などです。
自社でECサイトを運営している場合、日常業務に追われて分析の時間まで作るのはなかなか難しいかもしれません。そんな事業者こそECコンサルを利用してみてはいかがでしょうか。
ECコンサルタントの選び方
ECコンサルタントを複数の選択肢から選ぶ際は、事前に以下のポイントを押さえておきましょう。
- 依頼内容を明確にする
- 依頼内容に添ったECコンサルタントをピックアップする
- ECコンサルのウェブ集客スキル確認
- コンサル内容や対応範囲を確認する
- 予算に応じた契約を検討する
それぞれ詳しく解説します。
依頼内容を明確にする
「ECコンサルタントのタイプ」でも紹介したとおり、ECコンサルタントの業界にも様々なタイプがあり、そのサービス内容もそれぞれに異なるもの。
そのため、依頼する理由や依頼したい業務内容を具体的に把握しておく必要があります。
自社の強みや弱みを把握し、どのポイントをECコンサルタントにサポートしてもらうかを決めておくことで、より効率的なサポートが受けられます。
依頼内容に添ったECコンサルタントをピックアップする
依頼内容を明確にした上で、その内容に合ったECコンサルタントをピックアップします。
ECコンサルにはオールラウンド型や特化型といったタイプがありますので、ニーズや運営するECサイトの規模に適したECコンサルタントを見つけましょう。
また、ECコンサルのキャリアによって、SEOが得意だったり、商品ページ改善が得意だったり、ブランディングやストーリーづくりが得意だったり。ECコンサルを決める場合は、実績や受賞履歴といった第三者評価を見せてもらうとよいでしょう。
ECコンサルのウェブ集客スキル確認
ECコンサルの集客スキルがどれくらいあるかは、非常に重要です。スキルや知見がなければ、ECサイトの売上アップの手法が限られてくるからです。
ECコンサルは、ECサイト運営実績やブランディングに偏りがちですが、ウェブ集客全般の知識がないと売上アップにつなげるのは難しい場合も多くあります。
以下に、ECサイト集客に関連するスキルをリストアップしてみました。ECコンサルの得意分野がどこなのか?どういった思考を持っているのか?どこまで知識があるか?を知ることで、後悔しないコンサル選びができるはずです。
以下のウェブ集客スキルについてヒアリングしてみましょう。
GA4・Search Console・SEO・楽天SEO・楽天RPP広告・Amazonスポンサー広告・リスティング(Google広告・Yahoo!広告)・SNSマーケティング(Twitter・Instagram・Tiktok)・ページデザイン・サイト設計・ECサイト構築(楽天・Amazon・Yahooショッピング・Shopify・フルスクラッチ)・メルマガ・LINE集客
コンサル内容や対応範囲を確認する
自社のニーズに合ったECコンサルタントをピックアップしたら、コンサル内容や対応範囲をさらに詳しく確認します。
- 総合的なサポートを受けたいのか
- 集客や広告運用などECサイト運営の一部でサポートを依頼したいのか
- 業務代行をしてほしいのか
ニーズによって選考すべき方法も変わってきます。
一部の業務できめ細やかなサポートを受けたい場合に、対応可能かといった見極めも重要です。
予算に応じた契約を検討する
サポートの実践内容や範囲によって、ECコンサルタントにかかる費用は大きく変動します。
コンサルによって集客や販売で成功しても、費用負担が過大となれば採算がとれません。
自社で割ける予算条件はもちろん、ニーズに応じて最適なプランを検討したいですね。
ECコンサルタントに依頼するメリット
続いて、ECコンサルタントにサポートを依頼することで得られるメリットについて見ていきましょう。
- 現状に添った戦略の提案が受けられる
- 効率的にECサイト運営ノウハウを導入できる
それぞれ詳しく解説します。
現状に添った戦略の提案が受けられる
ECコンサルタントは、ECサイト運営にかかる経験や知識をもったプロフェッショナル。
売れるショップも売れないショップも、それぞれの共通点を知り尽くすECコンサルタントが、現状を解析した上で実施すべきプランを提案してくれます。
ECサイトの運営経験の乏しいスタッフが試行錯誤しながらECサイトを構築・改善していっても、大きな効果も期待できないでしょう。
ECコンサルタントに依頼すればプロの視点で無駄を省き、効率的かつスピーディに売上アップ等の施策を実行できるのが大きなメリットです。
時間やコスト、人員の無駄を省きつつ弱みをカバーできれば、費用対効果も高まります。
効率的にECサイト運営ノウハウを導入できる
EC事業のノウハウをもつECコンサルタントを採用することで、人材育成の必要もなく、プロの手法を即導入できます。
- ECサイトの出店からページ設計
- 運用中のサイトの改善やリニューアル
- ユーザー獲得の手法
といった幅広い内容について相談が可能です。
自社でECサイト運営のノウハウが一切なくても、コンサルを活用することにより自社スタッフの経験値も増え、成長につなげられる可能性もあるでしょう。
ECコンサルタントに依頼するデメリット&注意点
ECコンサルタント導入には、以下のようなデメリットもあります。注意すべきポイントも押さえた上で、自社に合ったサービスを選択することが重要です。
- 自社のスキルアップにならない
- 契約終了後のノウハウ維持が難しい
- ECコンサルタントとの相性がある
自社のスキルアップにならない
ECコンサルタントに運営にかかる実務を任せきりにしていれば、自社のスキルアップにはつながりません。
自社のノウハウを蓄積したい場合は、そうした要望に柔軟に対応してもらえるサービスを見つける必要があります。
契約終了後のノウハウ維持が難しい
ECコンサルタントは、ECサイト運営について多くの経験や知識を生かしてサポートや改善プランを提案しています。そのため、契約終了後に自社で同じように状況を維持・改善していくことが難しいケースもあります。
ECコンサルタントとの相性がある
ECコンサルタントも人と人との関係性があり、場合によっては担当者と相性が合わないこともあるでしょう。
ECコンサルタントは数ヶ月から半年、1年と長めのスパンでの契約となるため、契約前の相談は可能な範囲で直接やりとりをして、相性も確認しておきたいところです。
ECコンサルにまつわるよくある質問
最後にECコンサルタントにまつわるよくある質問を解説します。
- ECコンサルが必要か判断する基準は?
- ECコンサルはフリーランスに依頼しても問題ない?
- ECコンサルの1時間あたりの料金相場は?
気になる質問がある方は、事前に内容を確認して疑問が残らないようにしましょう。
ECコンサルが必要か判断する基準は?
結論からいうと、ECコンサルタントが必要ない会社の方が少ないといえます。どのようなECサイトであれ、ECコンサルタントからのアドバイスがあれば、よりブラッシュアップされる可能性があるためです。
しかしECコンサルタントは費用がかかるため、実際は導入を悩んでしまう会社が多いでしょう。主に下記のような状況であれば、ECコンサルタントの導入を検討しても良いといえます。
- ECサイトのデータ分析方法がわからない
- ECサイトの売上が伸びない理由がわからない
- ECサイト運用の担当者がおらず、社内でタスクが放置されている
上記の悩みが解決されると、費用以上の売上が期待できるかもしれません。
ECコンサルはフリーランスに依頼しても問題ない?
フリーランスのECコンサルタントに依頼しても問題はありません。フリーランスであればスピード感があったり、コスト面でお得になったりと発注側にメリットがあります。
柔軟な対応も期待できるため、特に小〜中規模のECサイトを運営している事業者にはおすすめです。
しかし、フリーランスは限られたリソースしかないため、プロジェクトの規模や複雑さによっては、能力をオーバーする可能性もあります。フリーランスにECコンサルをお願いする場合は、事前に専門知識や経験・実績を十分に確認して、クリアなコミュニケーションを心がけてみてください。
ECコンサルの1時間あたりの料金相場は?
ECコンサルタントは時間単位ではなく、月額制の料金設定にしている業者がほとんどです。仮に時間制の業者があったとしても、料金はそれぞれ異なります。
最低でも1時間 15,000円ほどの料金と考えるのが無難でしょう。経験の乏しい駆け出しのECコンサルタントであれば、1時間 10,000円以下で依頼できることもあるかもしれません。
とはいえ前述したようにECコンサルタントは月額制の業者がほとんどですし、結果的に時給制よりも安く発注できる可能性もあるため、1時間あたりの料金相場はあまり気にしなくていいと言えます。
ECコンサルタントからプロのノウハウを学ぼう
ECコンサルタントの導入により、ECサイト事業の拡大や、集客・売上アップへの効果を期待できます。
自社のECサイト運営に不安がある場合は、EC事業のプロであるECコンサルタントを検討してはいかがでしょうか。
ECサイト運営の現状を踏まえた的確なサポートで目標を達成し、さらなるECビジネスの成長を最大化させていきましょう。