2018年1月に楽天の商品画像登録ガイドラインが改定されました。
なぜこのように改定したのでしょうか。詳しい解説と、具体的な対策方法を紹介します。
楽天の商品画像登録ガイドラインとは
楽天は様々なガイドラインを定めており、中にはガイドラインに沿っていないと「検索順位ダウン」「ランキング掲載制限」「違約金」など、違反点数によっては厳しいペナルティを課される場合があります。
今回改定されたのは「商品画像登録ガイドライン」です。
対象になる場所はRMSの商品登録画面でしたら、こちらの部分です。
ユーザー目線でいうと、検索画面に表示されるこちらの画像の事です。
楽天がガイドラインを改定した理由
楽天が従来の商品画像登録ガイドラインから改定した理由は、以下のように述べられています。
昨今、ユーザから「商品画像内の情報量が多く、検索結果ページなどで商品を探しにくい」というお声を多く頂戴しております。また、ユーザのSNS利用率が高まり、商品画像がSNS上でシェアされるケースが増加しております。
このような近年のトレンドを踏まえ、楽天市場では商品画像に関するユーザテストを実施いたしました。その結果に基づき、この度、「商品画像登録ガイドライン」を発行する運びとなりました。
これを、もう少し詳細と楽天市場の事情を交えて説明します。
楽天市場はこれまで、運営スタンスとして「モールありき」ではなく「店舗ありき」を取ってきました。そのため、商品ページや商品画像は店舗独自に作成する事が出来たのです。
具体的には、検索画面で他店よりも目立つように、送料無料、ポイント◯倍、クーポン値引き額といったお得感や、◯kg、◯◯産など商品のアピールポイントを店舗が自由に際限なくデカデカと載せたり過度に装飾を施したりする事が出来ました。
これは、チラシや広告でよく見られる手法で、現在流行している”インスタ映え”とは真逆の性質を持っています。
しかし、そういった店舗のオリジナリティを重視すると、モールの検索画面で商品を探した際に、規則なくバラバラの画像が並んでしまうという現象が起こってしまいます。
そして昨今、ユーザビリティ調査を行った際に「ページがダサい・古い」「欲しい商品が探しにくい」「文字がゴチャゴチャとして見にくい」といった結果になってしまったのです。
楽天はこの結果により、これまでガイドラインが決まっていない為、バラバラだった商品画像を統一したいという意図があり、改定を踏み切ったという訳です。
商品画像ガイドラインの対策方法
それでは、無法地帯だった商品画像にどのようなルールを設定したのでしょうか。
その対策も一緒に説明していきます。
【1】商品画像内に配置するテキスト要素の占有率は約20%以下を推奨といたします。
ここで言うテキスト要素とは
- ロゴ(商品・ブランド・企業)
- 商品名
- 商品のスペック情報や特徴
- 販売促進文言やキャッチコピー
などを指します。
更に、テキスト要素の占有率とは1枚の商品画像にどれだけテキスト要素が占めているのかという事です。画像のグリッドを参考にするとおおまかな占有率がわかりますので、これを参考にテキスト要素の大きさを考えてください。
【2】枠線なしの商品画像を推奨といたします。
枠線とは画像の4辺を囲う線のほか、L字・帯状などの事です。辺の太さに依らず、枠線の使用は非推奨です。
商品画像を目立たせるように付ける枠線や、テキスト要素を目立たせるように背景をベタ塗りする手法は推奨されていませんので下記の事例を参考にされてください。
【3】商品画像の背景が、幾何学模様やデジタルパターンではないものを推奨といたします。
幾何学模様、デジタルパターンとは、画像を目立たせる為に幾何学背景、奇抜な色を使用した「単色のベタ塗り」「グラデーション背景」「奇抜な模様」の事です。
ただし、写真の背景は幾何学模様やデジタルパターンとはみなされませんので、下画像のように写真そのものを使用する場合はこれに抵触しないようです。
集中線や、商品を切り抜いて背景をベタ塗りするやり方は商品を目立たせます。
しかし、これは推奨されていないので、イメージ写真や白背景などにした方が望ましいでしょう。
とはいえ、まだ対策は必須ではない
冒頭で楽天のガイドラインの中にはペナルティが課されるものもあると説明しました。
しかし、この商品画像登録ガイドはまだペナルティ対象外です。
つまり、ガイドラインに沿っていなくても違反点数制度の対象外なので、必須ではないという事です。
現在、アルゴリズムに組み込まれていない事と、商品や店舗があまり認知されていない小規模店舗は、画像で目立たなければそもそもクリックされもしない事も考えると、対策は必須では無いと言えるでしょう。
最後に
楽天市場は2018年に改定された商品画像ガイドラインの他に、2016年にリリースされた白背景画像機能、2017年に公開された商品名登録ガイドライン等からも時代に沿ったガイドラインの改定、新機能の追加を行ってきました。
この商品画像も、ガイドライン通りでなくても違反の対象になりませんが、ニーズが高まれば検索のアルゴリズムの評価対象になる可能性も十分にあり得ると思います。今のうちに意識して商品写真の撮影や、レイアウトをガイドラインに寄せてみるなどすると、他店よりも一歩速い対応ができるので参考にされてください。