ECサイトで売上を伸ばすためにできる施策は複数あります。消費者の購買行動を先読みし、的確な導線でユーザーが求めるページに誘導するのも、非常に重要な施策の1つです。
「関連購買」とは消費者ニーズに添った導線アピールであわせ買いを誘発させるための施策です。
こちらのページでは「関連購買とは」の基本部分から、ECサイトで関連購買を促すために企業ができることをまとめて解説します。
顧客の購買意欲を逃さないように、最適なアピールで売上を伸ばしていきましょう。
関連購買とは?
関連購買とは文字通り、関連する商品を合わせて購入すること。つまり「合わせ買い」です。
最近ではあまり聞かなくなりましたが、ファーストフード店などで、ハンバーガーを頼んだ際に「一緒にポテトはいかがですか?」と勧められたことがありませんか。
まさにあの手法は関連購買を促すための接客ノウハウ。
ハンバーガーを買うお客様に、一緒にポテトもどうでしょう?と一声かけるだけで、思わず買ってしまったという方もいるでしょう。
この一手間で客単価が500円から700円、800円へとアップすれば、たとえすべてのお客様が反応しなかったとしても、全体の売上げ増に貢献してくれます。
店舗での関連購買は、店員の声かけや陳列、POP表示などで促しますが、ECサイトでは声かけも陳列もできません。
その代わり、例えばAmazonでは、商品を検索していると「一緒に購入」として関連商品が表示されます。
以下の画面は、ノートパソコンを閲覧したときに表示される「一緒に購入」の表示。外付けのDVDドラブとマウスがおすすめとして、それぞれの金額、全てを購入した際の総額や獲得ポイントまで記載されています。
店舗であれば、必要なものをお店で直接相談しながらあれこれ揃えられますが、ECサイトでの買い物は、その商品ごとにページを見つけなければ購入できません。
Amazonの「一緒に購入」のような表示があれば、1点1点ページを探し回る顧客の手間を少しでも省き、ネットショッピングの利便性をアップできます。そのおすすめ表示が1つあるだけで、顧客の購入サポートがにもなるわけです。
このように、ECサイトで関連商品をおすすめする際は、顧客の趣味嗜好や検索履歴に添った商品を適材適所で表示していく工夫が欠かせません。
この関連購買を促すための戦略があるかないか、どういった戦略を選択するかで、ECサイトの売上も大きく変わってくるもの。もちろん、売上を確実にアップさせるためには、しっかりとしたデータ分析を行ったうえでの施策が欠かせません。
ECサイトの売上が思うように伸びない、売上を伸ばすための分析をしても効果に繋がらない、などのお悩みがあれば、Amazonや楽天の提携パートナーでもある「サイレコ」の代行サービスを利用する選択肢もあります。
ECサイトで合わせ買いを増やす7つの工夫
関連購買は、関連性も必要性も高いことから売れやすいので、アピール不足なら即改善したいポイントです。
ECサイトで合わせ買いを増やすためにできる工夫はいくつかありますが、ここでは以下の7つの工夫について解説します。
- 関連性のある商品をアピール
- 価格差で購入ハードルを下げる
- 最適なタイミングでアピール
- アピールする軸を複数用意する
- 送料無料にするための商品をおすすめする
- 閲覧履歴を元に再度アピールする
- 売れている商品をデータ化して分析
関連性のある商品をアピール
物販で合わせ買いを促進するなら、関連性のある商品を把握しておくことが第一です。
例えば、ノートパソコンを購入する顧客に対しては、以下のような関連商品があります。
- マウス
- 外付けのDVDドライブ
- バッテリー
- モバイルモニター
- 冷却パッド
- PCケース
- PCスタンド
ノートパソコンを購入する際には、どれも必要性の高いものでしょう。
こうした商品を、消費者が購入しやすい導線に表示させることで、合わせ買いを促進できます。
価格差で購入ハードルを下げる
ノートパソコンなど、大きな出費となる買い物のあとは、その商品より価格帯の低い商品購入へのハードルが低くなっています。
ノートパソコンより高額なものを「おすすめ商品」としてアピールしてもなかなか売れにくいですが、マウスなどであれば、一緒に新調しようと検討する方も少なくないでしょう。
プラスαで購入してもらえる商品を適切におすすめするのも、合わせ買い促進のコツになります。
最適なタイミングでアピール
関連購買を促すためには、おすすめするタイミング選びも重要です。
カートに入れるとき、購入手続きに進む前など、関連商品を表示するタイミングによっても、消費者への影響力が変わります。
消費者に最も響くタイミングで適切にアピールしたいですね。
アピールするカテゴリを複数用意する
ECサイトで関連商品をアピールするのに有効な手段として、カテゴリ表示やランキング表示があります。
- メーカーやブランド
- サイズやカラー
- イメージ
など、1つのカテゴリグループだけでなく、複数のカテゴリグループで関連商品をアピールすることで、それぞれの購買意欲のある層に、より届きやすくなるでしょう。
例えば、ブランドに強いこだわりを持つ方もいれば、ブランドには全く興味がなくデザインやカラーだけにこだわる方もいます。ブランド好きの方にはブランドで統一した商品をアピールしますが、モノトーンでシンプルなものを好む方にはブランドやメーカー、商品などのジャンルは関係なく、そのラインで統一した商品をアピールしたほうが喜ばれます。
消費者の好みや検索意図は多種多様ですので、ニーズのあるところに幅広く表示されるよう、細やかな配慮も必要です。
送料無料にするための商品をおすすめする
ECサイトでは「送料無料になる価格帯」が設定されているケースも多いですよね。その送料無料になる条件まで「あと少し」という状況で、程よい価格帯で「こんな商品があります」とニーズの高い商品をアピールできれば購入促進に繋がります。
購入した商品に関連する商品や、日常的に消費するようなアイテムであれば、より買ってもらいやすいでしょう。
送料無料にするために、購買意欲のない商品を探すのは消費者にすれば無駄な時間でしかありません。
「送料無料にならないなら購入しない!ほかのショップで購入しよう」と判断する層もいるもの。そうした層に対しては「送料無料にするための導線」を示すことで、離脱を防ぐことにも繋がります。
閲覧履歴を元に再度アピールする
顧客が過去に閲覧した商品や類似した商品なども、改めて表示すれば興味を引くアピールになるでしょう。
実際、Amazonや楽天でも、過去に検索した商品や同種の商品が表示されることがありますよね。
元々興味のある商品群ですので、購買行動に繋がる可能性も高いでしょう。
売れている商品をデータ化して分析
ECサイトで販売していると、どの商品がどういった消費者層に、どの商品と一緒に購買されているか、などの情報が蓄積していきます。
実際に販売や検索されたこれらの履歴をデータ化して、多方面から分析していくことで、これまで見えていなかったニーズが見えてくる可能性も。
関連購買の多くは、その商品を使うにあたって「必要性のあるもの」を合わせ買いする購買行動です。そのニーズをしっかりと満たせば、売上増も見込めますし、顧客満足度もアップします。
直接顧客の顔が見えないEC事業では、顧客ニーズを満たすためにも、徹底した分析・改善が欠かせません。
関連購買の傾向などしっかりと分析できていれば、あとは合わせ買いを促すための導線を整えるだけです。
ただ、ECサイトで顧客ニーズなど分析するのは簡単なことではありません。ときにはテストを繰り返しながら様々なデータを総合的に見て判断する必要もあり、見極めが難しい部分もあるでしょう。
ECサイトでの販売事業で「十分な分析ができていない」「関連購買のアピールがプラスに結びつかない」などの悩みがある場合は、ECサイト販促のプロに相談するという選択肢もあります。
ECサイトでの関連購買を的確に促し、顧客満足度アップ、販売促進、増収増益を実現させましょう。