ECサイトとは何かご存知ですか?
最近ではコロナウイルスの影響で、インターネットやスマートフォンの利用者が増えたことにより、ECサイトの利用者も伸びてきました。
しかし、ECサイトを実際に使ったことはあっても、ECサイト運営が未経験で担当者に任されたら、戸惑う方も多いのではないでしょうか。
今回は、ECサイト運営の未経験者の方に「ECサイトとは何か」「ECサイトの基本業務」などについて、簡単に解説していきます。
ECサイトとは?簡単に・わかりやすく解説
ECとはElectronic Commerceの略で、日本語にすると「電子商取引」と訳します。
う~ん、小難しいですね。
簡単に言うと「ネットを使い、モノやサービスを販売」することです。厳密には違いますけど、こう覚えると簡単ですよね。
Eコマース・オンラインショップ・ネットショップなど呼び方は様々。ややこしいので、ひとまとめにすると「EC」で良いと思います。
ちなみに国内のEC市場規模は、年々拡大傾向にあり、多くの企業や個人事業主だけでなく、いち個人も新規参入者が増えてきています。
このECをウェブサイトなどのプラットフォームでやり取りする「ECサイト」は、私たちの生活を豊かなものにしてくれるため、もはや生活に欠かせない存在と言えます。
みなさんご存知の【楽天市場】や【Amazon】もECサイトになります。
ネットショッピングはもちろんですが、音楽・動画配信やインターネットバンキングのサービスもECサイトに含まれています。
ECサイトの市場規模
BtoC分野別に見る市場の前年伸び率
- 物販系分野(家電、衣類、食品など)
- サービス系分野(旅行、飲食、金融など)
- デジタル系分野(電子出版、ゲームなど)
上の3つを分けてまとめたのが以下の表です。
2019年 | 2020年 | 伸び率 | |
物販系分野 | 10兆515億円 (EC化率6.76%) | 12兆2,333億円 (EC化率8.08%) | 21.71% |
サービス系分野 | 7兆1,672億円 | 4兆5,832億円 | ▲36.05% |
デジタル系分野 | 2兆1,422億円 | 2兆4,614億円 | 14.90% |
総計 | 19兆3,609億円 | 19兆2,779億円 | ▲0.43% |
BtoC EC市場規模は、2024年には27兆円を超えるという予測結果も出ていて、今後もどんどん成長していく市場だと言えます。
また、BtoB(企業同士の取引)におけるEC市場規模としては、2020年時点で「33.5%」。
BtoCは同年8.08%だったため、比較すると凄く高い数値になっています。
2019年 | 2020年 | 伸び率 | |
CtoC | 1兆7,404億円 | 1兆9,586円 | 12.5% |
最後にCtoC ECの市場規模としては、2020年時点で「1兆9,586億円(伸び率12.5%)」に急増。
フリマが初めて登場した2012年から急成長をしていて、BtoCやBtoBと比べ、まだ小さい規模ですが、今後は更に勢いを増していくことが期待できます。
ECサイトの種類
ここまで、ECサイトについて解説してきました。では、本章ではECサイトの種類についてご紹介していきます。
ECサイトは、大別して「自社サイト型」と「モール型」の2つの型があります。
自社サイト型について
まず自社サイト型についてです。
自社サイト型は、自身で独自ドメインを取得して、自身でネットショップを構築し、運営するECサイトを言います。
メリットは、自由さがある点です。
基本的には制限がない為、自身のやりたいことを自由に決定することが出来ます。
デザインや機能などを、ブランドイメージやショップコンセプト、顧客ターゲットなどに合わせて、特徴的で統一したデザインでサイトを構築し好きなように決められるため、ブランド力を高めることが出来ます。
デメリットとしては、ECモールと違い立ち上げ当初の集客が低い点です。対策が必要になるため集客ノウハウや専門人材の育成など多くのコストが掛かる傾向にあります。
モール型について
一方、モール型は、「Amazon、Yahoo!ショッピング、楽天市場、ebay」などが代表的でこれらのサイトに出店する形式になります。
メリットは、上記のECモールが知名度も高く、集客も担っているため無名の企業・商品でも集客が見込める点です。
デメリットとしては、競合出店者が多く、プロモーションやブランディングで差を付けるには、出店先のECモールの運営ルールなどを熟知する必要があります。またサイト側の規約変更に対応を余儀なくされます。テナント料や売上に応じたロイヤリティが発生する点もデメリットとなりますが、もっともハードルの高い初期の集客は、自社サイトに比べずっと楽になります。
「集客には自信がなくて、最初はサポートしてほしい」
という方は、モール型の方がいいでしょう。
ECサイトのビジネスモデル
ECサイトのビジネスモデルについて解説します。
- BtoC
- BtoB
- CtoC
- DtoC
以下は、BとかCとかの詳細なので、より詳しく知りたい方はご一読ください。
BtoC
「Business to Customer」の略で、ネットショップ運営者と一般消費者が行う取引。店頭に行き商品を探す手間をなくしたい人が多いことが特徴。
BtoCで特に成長しているのが、Amazonや楽天のようなEC事業です。
受注単価が低いことが多く、いかに商品を認知してもらい、顧客を作り、沢山の商品が売れるかがBtoCでは大切です。
BtoBの市場規模は以下の記事で詳しく解説しています。
BtoB
「Business to Business」の略で、企業と企業が行う取引。企業とビジネスを行うため、受注単価が高いことが多く、また継続的な取引をするのが特徴。
有名なもので言うと、パソコンに欠かせないCPUを作っている「intel」。
大体のパソコンには「intel」が使われていて、BtoBで成功している例です。
CtoC
「Customer to Customer」の略で、オンラインオークションやフリマなど、消費者同士が行う取引。
少しでも、安く購入して気軽に楽しめるのが特徴。
不要になったものを、有効に処分できるのも人気な理由です。
有名なサイトで言えば「メルカリ」「ヤフオク!」
「メルカリ」は、日本最大級のフリマサービス。匿名でやりとりを出来ることが、人気要因の1つと言えます。「ヤフオク!」は、オークションサイトとしては日本一の流通金額があります。
「BtoC、BtoB、CtoC」それぞれ特徴が違いますので、覚えておきましょう。
DtoC
DtoC(Direct to Consumer)は、商品またはサービスの製造業者や提供業者が、従来の中間業者や小売業者を通さず、直接消費者に製品を販売するビジネスモデルを指します。
このアプローチは、デジタルテクノロジーとオンライン販売の発展によって支えられ、消費者との直接的な関係を築き、市場での競争力を高めることができます。DtoCで代表的な事例は、国内でいうと「FABRIC TOKYO」や「バルクオム社|BULK HOMME」があります。
SNSが普及しているいま、DtoCは非常に効率的な販売システムです。ブランド認知が懸念であれば、集客はSNSでのインフルエンサーマーケティングや効果の高い動画広告を活用してはいかがでしょうか。
DtoCの市場規模や注目される理由は、以下の記事が参考になります。
ECサイトの運営業務一覧
ECサイト運営の未経験者でも「モール型」であれば、マニュアルが準備されていたり、ネットショップ開業初心者でもサポート体制があるので、安心して開業できます。
とはいえ、実際の業務が分からないと手が付けられませんよね。ECサイト(自社サイト型・モール型ともに)には、どのような業務があるのかご紹介します。
種類 | 主な作業 |
サイト管理 | アクセス解析やSEO対策、ECサイトへの商品登録、撮影、ライティング、集客などを行います。 |
商品管理 | 商品の入荷や検品、梱包、出荷などを行います。商品を過不足がないように調整します。棚卸をする必要あり。 |
売上・利益管理業務 | 売上・利益計画を立てます。商品の発注計画を立てて、仕入れをしたり、在庫の調整や見せ方の見直しなどを行います。 |
機能カスタマイズ | デザインのカスタマイズや、カートシステムの機能を操作、自社にあわせた独自カスタマイズができる知識が必要。 |
カスタマーサポート | お客様からの問い合わせや、相談、クレーム対応、アフターサービスなどを行います。 |
受注管理 | 受注を管理し、購入者からの入金確認をしたり、キャンセルが出ていないかなどを確認し対応します。入金時の不備連絡や、キャンセルに関する問い合わせなども業務に入ってくるので、スピーディーな対応が求められます。 |
ブログ更新・SNS | ブログ記事の更新やSNS投稿。新しい商品の紹介や使い方、感想や提案などを写真や動画で発信していきます。 |
経理・帳簿作成 | 経費の管理や帳簿作成を行います。個人事業の方は、確定申告をする必要があります。 |
主な業務を上げただけでも、これだけの種類があります。少人数で運営していくとなると凄く大変。そのため、外注できる部分と内製を分けることで、効率的に運営業務が出来ます。
以下の記事ではECサイトの運用業務を1から詳しくまとめています。
ECサイトに関するよくある質問
最後にECサイトに関するよくある質問を紹介します。
- ECサイトの例はなんですか?
- ECサイトとネットショップの違いは?
- ECサイトはなんの略ですか?
- AmazonはECサイトではないんですか?
- メルカリはECサイトですか?
- 大手ECサイトとはなんですか?
ECサイトの例はなんですか?
ECサイトの具体的な例として、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、そしてZARAなどが挙げられます。これらのサイトは、商品やサービスをインターネット経由で提供し、オンラインでの買い物を可能にするプラットフォームです。
本来はイーコマース(電子商取引)を行う全てのWebサイトを総称する言葉で、上記以外にも以下が含まれます。
- ネットオークション
- コンテンツ配信サイト
- オンライントレードサイト
近年さまざまなWebサイトが台頭してきており、ECサイトの概念も変わりつつあります。
ECサイトとネットショップの違いは?
ECサイトとネットショップは似ていますが、微妙な違いがあります。ECサイトは、さまざまな販売業者が商品を提供するオンラインマーケットプレイスの一部を指します。
一方、ネットショップは個別の企業や個人が自社の商品やサービスを販売するウェブサイトです。
簡単に言えば、ECサイトは複数の出品者がある大きな市場での販売を可能にし、ネットショップは単独のオンラインストアを指します。
ECサイトとネットショップの違いは、以下の記事が参考になります。
ECサイトはなんの略ですか?
ECサイトは「Electronic Commerce Site」の略で、電子商取引のウェブサイトを指します。この種のサイトは、商品やサービスのオンライン販売を支援し、顧客が便利に購入できるようにします。
ECサイトは、現代のビジネス環境で非常に重要であり、さまざまな業界で利用されています。
AmazonはECサイトではないんですか?
Amazonは主に自社の商品と第三者の出品商品を提供する巨大なオンラインマーケットプレイスです。広い意味ではECサイトに該当します。
つまりAmazonはECサイトの一形態であり、多くの人々にとってオンラインショッピングの代表的な場所です。
メルカリはECサイトですか?
メルカリはECサイトの一種と言えます。メルカリは個人間の中古品取引を支援し、出品者と購入者が直接取引できるプラットフォームです。
したがって、メルカリはECサイトの中でもC2C(Customer to Customer)の形態で、個人が商品を売買できる場を提供しています。
大手ECサイトとはなんですか?
大手ECサイトは、市場で主要なプレイヤーである大規模なオンラインショッピングプラットフォームを指します。これには以下のサイトが含まれます。
- Amazon
- 楽天市場
- Yahoo!ショッピング
- Walmart
これらのサイトは幅広い商品やサービスを提供し、大勢の顧客に利用されているため、大手ECサイトとして認識されています。
まとめ:ECサイトとは電子商取引を行うWebサイトのこと!
今回は、運営の未経験者の方へ向けて
- ECサイトとは?今更聞けない意味
- ECサイトの市場規模
- ECサイトの種類
- ECサイトの基本業務
- ECサイトを運営したら、お客様はくるのか
について簡単に解説しました。
ECサイトが流行っている現在、見たり購入したりすることがあっても、
実際、運営をするとなると難しいですよね。
まずは基礎知識をつけ、しっかりと計画をし
オリジナリティのある、ECサイトを構築していきましょう!
補足:ECサイトを運営したら、お客様はくるのか
では、実際にECサイトを運営したら、お客様は来るのだろうか?と思っている方も多いと思います。
最初は、どんなに素晴らしい商品だったとしても、実店舗と違う方法で集客をしなければいけません。
またトレンドや季節に合わせて、アップデートするような施策を行っていくことも大切です。
ECサイトを作って始めのころは、本当にうまくいくのだろうか。と不安になることが多々あるでしょう。まずは作っただけではなく、販売計画を立てて、日々施策を実行すること。
競合のECサイトを見て、施策をリストアップしていくことを始めてみて下さい。
根気強く育てて、成果を出していきましょう。