楽天市場やAmazonと並び、国内の3大ECモールと言われている「ヤフーショッピング」。
ヤフーショッピングは、出店する際の初期費用が無料ということもあり、出店のハードルが比較的低いことでも知られるECモールです。
しかし、出店を検討する際は、出店におけるメリットやデメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。
そこでこの記事では、ヤフーショッピングへ出店する方法や、出店におけるメリット・デメリットについて紹介しています。
ヤフーショッピングの出店審査で落ちてしまった場合の対処法についてもまとめていますので、ぜひ出店を検討する際の参考にしてみてください。
ヤフーショッピングに出店する方法は?
ヤフーショッピングへ出店する際の主な流れは以下の通りです。
- ヤフーショッピングへの出店に必要な書類や情報を準備する
- 出店申込を行う
- 開店準備を整える
- 開店審査を通過したら運営スタート
上記の流れについて、詳しく見ていきましょう。
①ヤフーショッピングへの出店に必要な書類や情報を準備する
ヤフーショッピングへの出店申込に必要な書類や情報を準備しましょう。
ヤフーショッピングは、法人と個人事業主のどちらでも出店できますが、出店申込に必要な書類はそれぞれ異なります。
まずは法人と個人事業主の出店に共通して必要な情報から確認していきましょう。
法人・個人事業主の出店に共通して必要な情報
法人・個人事業主の出店に共通して必要な情報は以下の通りです。
- Yahoo! JAPAN ID
- クレジットカード情報
- 会社情報
- 代表者情報
- 銀行口座情報
- 出店予定商材情報
このほか、取り扱う商材によっては、資格や免許の提示が必要になる場合があります。
いつでも提出できるように準備しておきましょう。
法人が出店する際に必要な書類
法人がヤフーショッピングに出店する場合は、以下の書類を追加で提出する必要があります。
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 補足書類(次のうちいずれか1つ)
- 公共料金の領収書等
- 国税や地方税の領収書または納税証明書
- 青色申告承認申請書(控)
- 社会保険料の領収書または納入告知書(納付書)
- 代表者もしくはサービス管理者の公的身分証(次のうちいずれか1つ)
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- 在留カード
- マイナンバーカード
個人事業主が出店する際に必要な書類
個人事業主がヤフーショッピングに出店する場合は、以下の書類を追加で提出する必要があります。
- 業務地住所記載の開業届
- 補足書類(次のうちいずれか1つ)
- 青色申告承認申請書
- 賃貸借契約書
- 代表者の公的身分証(次のうちいずれか1つ)
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- 在留カード
- マイナンバーカード
②出店申込を行う
出店に必要な書類や情報が揃ったら、ヤフーショッピング出店者ページにある「出店の申込み」ボタンから申込を開始しましょう。
必要事項の入力や、書類の提出が完了すると、ヤフーショッピングによる出店審査が行われます。
記載した情報や提出書類について、確認の電話がかかってくることがありますので、連絡を取れるように準備しておきましょう。
③開店準備を整える
無事に出店審査を通過できたら、ショップの開店準備に取り掛かりましょう。
開店準備は、ヤフーショッピングの管理システムである「ストアクリエイターPro」を使用して行います。
ストアクリエイターProのログインに必要なアカウント情報は、出店審査完了のメールに記載されていますのでご確認ください。
なお、ヤフーショッピングの開店準備において、設定が必要となる主な項目は以下の通りです。
- 支払方法の設定
- 配送方法の設定
- 送料の設定
- アラート・通知の設定
- ストア情報の設定
- 会社情報の設定
- お買い物ガイドの設定
- プライバシーポリシーの設定
- トップページの設定
- 販売商品の設定
- ストアマッチ広告のアカウント登録
さらに、すべての項目に対して設定が完了したら、テスト注文を行います。
テスト注文を実施することで、実際の取引の流れを確認することも可能です。
テスト注文で問題が発生しなければ、開店審査へ進みましょう。
④開店審査を通過したら運営スタート
開店審査を通過したら、ヤフーショッピングより「ご利用開始日のお知らせ」がメールで届きます。
メールを確認し、実際にネットショップの運営を開始させましょう。
なお、開店審査には通常2〜5営業日程度かかると言われています。
しかし、資格や免許が必要となる商品を取り扱う場合は、さらに時間を要する可能性もありますので注意しましょう。
ヤフーショッピングに出店するメリットとは?
ヤフーショッピングへの出店によって、主に以下のようなメリットが期待できます。
- Yahoo!の集客力を活用できる
- 出店にかかるコストが低い
- 外部サイトへのリンクを設置できる
- 無料でメルマガを配信できる
上記4つのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
Yahoo!の集客力を活用できる
ヤフーショッピングは、国内最大級の集客力と顧客基盤を強みにしているECモールです。
Yahoo! JAPANが提供しているさまざまなサービスのほか、LINEやソフトバンクと連携しており、グループ全体の相乗効果を活かした集客を期待できます。
また、日本最大級の会員数を誇るLYPプレミアム会員や、PayPayなどの顧客基盤を兼ね備えています。
ヤフーショッピングへの出店は、自社の商品や運営するネットショップを認知してもらうための大きなチャンスだと言えるでしょう。
出店にかかるコストが低い
ネットショップをヤフーショッピングに出店する最大のメリットは、低コストで運営を始められるという点です。
ヤフーショッピングでは、売上に対する手数料などのコストが発生しますが、出店する際の初期費用はかかりません。
また、月額利用料や売上ロイヤリティもかからないため、毎月の固定費は無料です。
他社の有名なECモールでは、毎月固定費が発生するため、売上が少なければ赤字になってしまう可能性があります。
ヤフーショッピングの場合は、固定費の負担を心配する必要がないため、安心して運営を始めることが可能です。
外部サイトへのリンクを設置できる
ヤフーショッピングでは、ショップページ内に外部リンクを設置することが認められています。
外部リンクを設置しておけば、ヤフーショッピングで集客したユーザーを、ほかの媒体へ誘導することが可能です。
たとえば、X(旧Twitter)・Instagramなどの各種SNSや、自社サイトへの誘導といった使い方が考えられます。
外部リンクの設置は、他社の有名なECモールでは認められていないため、ヤフーショッピング独自のメリットだと言えるでしょう。
ヤフーショッピングの利用は集客のためだけに限定して、自社サイトで商品を購入してもらうこともできるため、自由なビジネスモデルを構築できます。
無料でメルマガを配信できる
ヤフーショッピングの出店者は、顧客へのメルマガを無料で配信することができます。
メルマガの配信は、リピーターの獲得や売上アップを図る際に、非常に効果的な施策の一つです。
新商品の発売や、セールを実施するタイミングなどに合わせて、過去に購入してくれたユーザーに興味を持ってもらえそうな内容を積極的に配信してみましょう。
ヤフーショッピングに出店するデメリットとは?
ヤフーショッピングへ出店する際に知っておきたい主なデメリットは以下の通りです。
- 出店数が多いため競争が激しい
- サポート体制が弱い
- 管理画面が使いづらい
- 個人で出店する場合は開業届を提出しておく必要がある
上記4つのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
出店数が多いため競争が激しい
出店数が多いヤフーショッピングは、あらゆるジャンルで競合がひしめき合っており、ショップ同士の競争が激しいECモールです。
運営コストが低く、事業者にとって出店のハードルが低いことが要因となり、出店数が急増したと考えられています。
ヤフーショッピングには、2021年12月時点で約120万店舗が出店しており、他社のECモールと比較しても圧倒的な出店数です。
競合が多ければ、自社の商品が埋もれてしまう可能性もあります。
ヤフーショッピングへの出店を検討している場合は、安定した売上を確保するためにも、競合との明確な差別化が必要です。
サポート体制が弱い
ヤフーショッピングには、出店に関する疑問について問い合わせられるヘルプデスクが設けられていますが、手厚いサポートはあまり期待できません。
手厚いサポートを受けられることで有名な楽天市場では、ショップごとに専任のECコンサルタントがつき、売上アップへ向けたサポートをしてくれます。
受け身の対応だけでなく、売上を向上させるためにさまざまな提案をしてもらえる点は、ヤフーショッピングのサポート体制との大きな違いです。
ただし、ヤフーショッピングのサポート体制に問題があるわけではありません。
ヤフーショッピングのヘルプデスクでは、出店時の申込方法や、開店準備中のショップページ作成といった基本的な疑問を解決してくれます。
複雑で分かりづらいショップ構築についてもサポートしてもらえるため、初心者でも安心して出店に取り組むことが可能です。
管理画面が使いづらい
ネットショップ運営の経験が浅い出店者の中には、ヤフーショッピングの管理画面が使いづらいと感じる方も多いようです。
ヤフーショッピングに出店したネットショップの運営は、「ストアクリエイターPro」という管理システムを使用して行います。
ストアクリエイターProが使いづらいと言われている主な理由は以下の2つです。
- 専門用語が多く使われている
- 設定を完了するまでのページ移動が多い
管理画面の使い勝手については、ストアクリエイターProの操作に慣れてしまえば問題ありません。
しかし、初心者にとっては覚えることが多く、ハードルが高い仕様だと言えるでしょう。
個人で出店する場合は開業届を提出しておく必要がある
個人でヤフーショッピングに出店するためは、開業届を提出した個人事業主であることが条件として定められています。
そのため、個人での出店を検討している場合は、事前に開業届を提出しておきましょう。
また、実際にネットショップを出店する際は、個人の場合であっても会社概要ページが必要です。
会社名(屋号)や住所などの記載が必要ですので、会社としての体裁を整えてから出店準備を進めるようにしましょう。
ヤフーショッピングの出店で審査落ちした際の対処法
ヤフーショッピングに出店するためには、合計2回の審査を通過しなければなりません。
もし、審査で落ちてしまった場合は、以下の対処法を試してみましょう。
- 再度申請する
- Yahoo! JAPAN IDを新しく取得する
- 代行会社を活用する
上記3つの対処法について、詳しく見ていきましょう。
再度申請する
ヤフーショッピングでは、出店するための審査に落ちてしまった場合でも、再度申請することが可能です。
また、ショップの開店準備を整えた後に行う開店審査で落ちてしまった際は、ヤフーショッピング側から審査落ちの理由を教えてもらえます。
修正が必要な部分を明確に知ることができますので、しっかり修正して再審査に臨みましょう。
Yahoo! JAPAN IDを新しく取得する
ヤフーショッピングの出店審査で落ちてしまった場合は、Yahoo! JAPAN IDを新しく取得したうえで再度申請を行いましょう。
出店審査に落ちてしまう原因の一つに、出店申込ができないYahoo! JAPAN IDを使用している可能性が考えられます。
ヤフーショッピングでは、以下のようなYahoo! JAPAN IDで出店申込を申請することはできません。
ヤフーオークションストアに登録済みのYahoo! JAPAN ID
法人の場合、管理者ではないビジネスIDと連携しているYahoo! JAPAN ID
個人事業主の場合、代表者以外のYahoo! JAPAN ID
代行会社を活用する
規約違反をしていないにも関わらず、何度も審査に落ちてしまう場合は、代行会社の活用も検討してみましょう。
出店代行会社は、ヤフーショッピングへの出店・運営を包括的にサポートしてくれます。
費用が発生するというデメリットはありますが、審査完了までスムーズに進めることが可能です。
ヤフーショッピングへの出店はどんな事業者におすすめ?
ヤフーショッピングへの出店は、さまざまなメリット・デメリットがあるため、実際に出店するべきか決めかねている方も多いのではないでしょうか。
ネットショップの出店先にヤフーショッピングを選択するべきか悩んでしまう場合は、以下のような基準で判断すると良いでしょう。
- 初めてのネットショップ出店や低コストで運営したい事業者はヤフーショッピングがおすすめ
- コストをかけて本格的に運営するなら楽天市場やAmazonがおすすめ
- 上記の判断基準について詳しく見ていきましょう。
初めてのネットショップ出店や低コストで運営したい事業者はヤフーショッピングがおすすめ
初めてネットショップの出店を行う方や、低コストで運営を開始したいという方には、ヤフーショッピングへの出店がおすすめです。
ヤフーショッピングは、初期費用や月額利用料が無料で出店できるため、コストがかからない点は大きなメリットだと言えるでしょう。
ネットショップの運営において、出店してすぐに売上を上げることは簡単ではありません。
ヤフーショッピングの場合は、売上が発生しない限りコストも発生しませんので、赤字になるリスクを抑えて出店することが可能です。
コストをかけて本格的に運営するなら楽天市場やAmazonがおすすめ
ある程度コストをかけて本格的にネットショップの運営に取り組みたいという方には、楽天市場やAmazonへの出店・出品がおすすめです。
楽天市場は、国内のECモールの中でも比較的コストが高いことで知られるECモールですが、圧倒的な集客力の高さや、充実したサポート体制は大きな魅力だと言えるでしょう。
一方、Amazonは、ショップを出店する形式ではなく、商品のみを出品する形式のECモールです。
ショップごとの独自性を出しづらい点はありますが、売れやすい商品を効率的に販売したいという方に向いています。
しかし、楽天市場やAmazonの運営は難しいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
株式会社サイバーレコードでは、楽天市場・Amazonの出店サポートや運営代行を行っています。これからECに力を入れていきたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ヤフーショッピングの出店にまつわるよくある質問
ヤフーショッピングの出店にまつわるよくある質問を3つ紹介します。
- ヤフーショッピングの出店に必要な費用は?
- ヤフーショッピングへ出店するための審査は厳しい?
- ヤフーショッピングへの出店審査に落ちた場合の再申込はできる?
上記3つの質問に、順番に回答していきます。
ヤフーショッピングの出店に必要な費用は?
ヤフーショッピングでは、出店する際の初期費用や月額利用料、売上ロイヤリティは完全無料です。
ただし、出品している商品が売れた場合は、以下のような手数料が発生します。
- ストアポイント原資負担
- キャンペーン原資負担
- アフィリエイトパートナー報酬原資負担
- アフィリエイト手数料
- ストア決済サービス手数料
ヤフーショッピングへ出店するための審査は厳しい?
ヤフーショッピングへ出店するためには、出店申込時と開店準備を整えた後の、2回の審査を通過しなければなりません。
ECモールによって出店審査の基準は大きく異なりますが、ヤフーショッピングへ出店するための審査は、ほかの有名なECモールと比べてそれほど難しくないと言われています。
必要な書類を正確に揃えられていれば、問題なく審査を通過できる可能性が高いと考えて良いでしょう。
ただし、過去にYahoo!関連のサービスにおいて、料金滞納や規約違反があった場合は、審査に落ちることがありますので注意が必要です。
ヤフーショッピングへの出店審査に落ちた場合の再申込はできる?
ヤフーショッピングでは、出店審査に落ちてしまった場合でも、再度申請することができます。
ガイドラインに沿って申請情報を修正し、再審査に臨みましょう。
また、規約違反をしていないにも関わらず、何度も審査に落ちてしまう場合は、代行会社の活用もおすすめです。
まとめ:ヤフーショッピングの特徴を理解して慎重に出店を検討しよう!
ここまで、ヤフーショッピングへ出店する方法や、出店におけるメリット・デメリットについて紹介しました。
ヤフーショッピングは、出店の際の初期費用や月額利用料がかからないため、比較的低コストでネットショップを運営することが可能です。
一方で、出店数が多く競争が激しい点や、管理画面が使いづらい点など、いくつかのデメリットも存在します。
実際に出店を検討する際は、ヤフーショッピングの特徴をよく理解したうえで、自社が求める要素を満たしているのか、慎重に判断しましょう。
また、多少のコストをかけてでも、より本格的にネットショップの運営を行いたいという方には、楽天市場やAmazonへの出店・出品がおすすめです。
株式会社サイバーレコードでは、楽天市場・Amazonの出店サポートや運営代行を行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。